抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

サイズ感「アントマン&ワスプ:クアントマニア」感想

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 MCUの新作です。GotGのホリデースペシャルがあったとはいえ、ワカンダフォーエバーぶり、と言っていいんですかね。この先のシークレットインベージョンもいつか良く分からんし、マーベルズも後ろにずれたんでペースを落とすんでしょうか。

Theme from "Quantumania"

WATCHA4.0点

Filmarks3.9点

(以下ネタバレ有)

1.既視感ある量子世界

 大きな不満は世界観として面白くなかったこと。どんどん小さくなっていった先の量子世界という設定は、アントマン&ワスプやアベンジャーズエンドゲームで既に登場しており、拡張は出来ても抜本的に変更できないことは理解できるが、出てくるキャラクターのワンダーや特別な場所、時間の外に存在するという言葉の説得力とは全く異なるありふれた世界。最近だけでも、メイドインアビスやストレンジワールドなど、アニメ作品で似たような世界観を見た記憶があり、さらにそのどれもに劣っている。ビル・マーレイのキャラもいらないし。ごった煮感はメンインブラックの方がやはり上手に思えた。スターウォーズを見ていない私でこうなのだから、スターウォーズのようだという世相の人はさぞかし既視感だらけだっただろう。

 カーンが何をできて何を出来ないのか、の能力説明は少しわかりづらかったように思えます。マシンが治ってスーツを手に入れるまでの穏当な感じは分かるんですが、キャシーとスコットを牢屋の中でぐるぐるさせてたやつとかはよく分からなかったのが正直なところ。とはいえ、あの量子空間はカーンの苦手な空間らしいし、追放されてるのでどうしたって全力ではないはず。もっと強そうなカーンが山ほどいるのも分かりましたし、その辺はおいおい、少なくとも次のロキシーズン2に期待ですね。

2.サイズ感が特撮的好みのアレ

 一方で、ストーリーとしての家族でヒーローをやる親子愛という文脈はシンプルゆえに強靭で何もかも1人でやる、あるいは多次元の自分でやるカーンと比較して支え合う、影響を与え合うことの強さを表現していた。スコットの本を読んでいたハンク・ピム、ホープの心配をしていたジャネット、そして何よりどんな次元の自分でもキャシーのためなら団結できるスコット。カーンダイナスティはあれです。

 あとは単純にサイズ。ちっさくなった世界なのに等身大で話が進み、最後はジャイアントマンで蹴散らす。カーンにちゃんと勝てる上に、多分そうやって勝ってもダメなんだな、がわかる。そしてデカさと数が勝つ。わかりやすくて超いい。デカいアントマンがぐわっとカーンを壁に押し付けるとかあの辺のカーンとて人間…な感じは怪獣映画が好きだからですかね、スカッとせざるを得ない。そこがフリになってて最後の生身の格闘が生きる、というのはわかるけどそこよりあのサイズ感のバグってるのが好き。サイズ感のバグってるキャラといえばM.O.D.O.K.ですね。なんやねんあいつ。量子世界で生きてたイエロージャケットさんとの再会なのに、あいつテンション変だし最後いいやつヅラして死んだ(?)し、情緒不安定な小物だし…はっ!?ディズニー+で見たストップモーションアニメのM.O.D.O.K.、もろにそういうキャラだ…まさか…忠実…なのか?なのだな??とにかく、あんなふざけたビジュアルのキャラを出しても平気な世界を作ってきたマーベルは凄いな、という話です。積み重ね大事。

 さて、意外と意見分かれてるのね、と驚いたんですが最後帰ってきた場所は完全に別アース、と認識しています。英雄だからとタダだったコーヒーが12ドル(1600円!?)に高くなり、アントマンではなく虫マン(英語でなんと言ってたか忘れた)と呼ばれ、タイムループ映画だったら明確に変化と言えるものが起きている。まあ、次のアベンジャーズまで放置されそうですね。アントマン、しれっとトムクルーズ演じるアイアンマンを連れて616に帰還!とかやりかねない。