抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

時をかける山崎賢人「夏への扉ーキミのいる未来へー」感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 「Arcアーク」と同日公開で国産SF対決となりました。共倒れっぽいのが非常に無念ですが。

 猫が可愛かったです。

【映画パンフレット】 夏への扉 キミのいる未来へ THE DOOR INTO SUMMER 監督 三木孝浩 出演 山﨑賢人、清原果耶、夏菜、眞島秀和、浜野謙太

WATCHA3.5点

Filmarks3.6点

(以下ネタバレ有)

 

1.未来観に面白みがない

 本作の舞台は1995年と2025年。きっちり前半は95年パートで、コールドスリープは30年後の未来。特に冒頭のニュース映像を使いながら、これまで主人公の山崎賢人が大切な親を失ってきた過程を示しておきつつ、1969年時点で三億円事件の犯人が捕まってることを示して、実際の日本歴史とは全く違うことも提示できているスマートでした。

 しかしながら、そっから30年後の2025年後の未来としては、そこまでそそる描写は無かったように思われます。コールドスリープから目覚めるといつも通りの真っ白、貨幣価値が暴落し完全キャッシュレスで金もクソ扱い。主人公が過去に考えていたものも全部出来上がっている感じ。なんだろう、想像できる範囲の2025年に収まっている感じでサプライズは無かったですね。っていうか、半永久的に動くヒューマノイドなのにインターネット接続ないみたいだし。

2.タイムリープではなくタイムループ

 コールドスリープとタイムマシン(劇中では時間移動装置、だっけか)を用いた時間を自在に動く話かと思われた本作は、そうではなくてタイムループもの、ということになります。観測されていない過去は確定しない感じ、シュタインズゲートは完全にこの原作の影響下にあるんだな、ということは良く分かりました。

 ただ、タイムループっていうのは繰り返す中で、抜け出そうともがくのがメインの設定装置のはず。ところが、本作は過去改変のためのループ。それ自体は良いんですけど、未来の時点で全部の線がつながってしまっているので、成功した世界線を維持するための過去での戦いなんですよね。その結果、過去でのやり取りがすべて消化試合、確認作業になってしまったように感じました。勿論、うまくやれれば伏線回収っていう風に名付けられると思うんですが。戻ってきた9日間の間に設計図書く!っていうのもタイムサスペンスとして機能してないどころか飛ばされてるし、なんなら別にもっと前に戻ればよかったじゃん、って感じだし。(佐藤太郎と出会うにはあの時間だ、というのは未来では分かっていなかった。)せめて、未来で佐藤太郎には会っておくべきだよね。

 また、止せばいいのに、過去で清原果耶に近づく人を映さなかったりで、ああこれは未来から山崎賢人が助けに来るパターンのやつだ、って感じになっちゃいますからね。まあ本作をSFとしてではなく、メイン2人の時間を超えるラブストーリーと捉えることが出来れば、過去での別れがエモーショナルなのかな、とも思います。でも、未来にいた時に佐藤璃子の名前は確認してるんだから、それでググっておけばコールドスリープしてることも分かるのでは???

結論:時を超える恋愛押しの方が良かった気がする