どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。
この夏一番の大作映画ではないでしょうか。漏れ聞こえる制作秘話すべてがどうかしてるミッション:インポッシブルシリーズ最新作になります。劇場で見るのはこのシリーズ初めてになります。少しづつですが、乗り遅れていた時間を取り返している感じがしますよね。
これまでのシリーズの感想は以下のどっかにあります。ローグ・ネーションは8月に見たので感想は月明けに乗っけますが、1作目と同レベルかそれ以上の出来で過去最高でした、と言っておきましょう。
WATCHA3.0点
Filmarks3.0点
(以下ネタバレ有り)
1.誰かトムを止めてくれ!
毎回アクションをスタントを立てず、自分でやることでお馴染みのこのシリーズ。作品が新たに撮影されるごとにどんどんトムの年齢は上がっていくのに、危険度が増していくというありえない状況。
ということで本作もアクション満載。っていうかメガ盛り!マイケル・ベイかよ!
初めのベルリンでのアポストルとの取引なんてアクションに数えません。パリでのパーティに全く必要ない特殊部隊方式でのスカイダイビングに始まり、無駄に強い東洋人とのトイレでの格闘戦は見ているこちらが痛いと声をあげそうなほど。トイレの彼、拳銃に頼ろうとせずに全部自力なら勝てたんじゃないか、とさえ思わせる強さでした。
それが終われば今度は前作のボス、レーンを強奪する作戦。できるだけ死者を出さないように作戦を遂行するも、何故か準備しておいたバイクのエンジンのかかりが悪くバイクチェイスをすることに。猛スピードでのバイクチェイスも興奮が収まらないものでした。バイクチェイスが終わったと思いきや、今度はイルサの乗るバイクに追われ車でのチェイス。あらゆる乗り物を制圧するつもりなのでしょうか、なのでしょうね。
ところ変わってロンドンでは、暗闇の銃撃戦を経て、お馴染みトム走りでのパルクールというのでしょうか。屋根を走り、ビルの狭間を飛び越え、ここで骨折もし、エレベーターの下に捕まって上昇します。いや正直お腹いっぱいなのにまだまだ終わりじゃありません。
カシミールに場所を移してチームは3つに散って、爆弾解除が2チームとヘリチェイスのイーサンに。バリー・シールの撮影のスタントで死者が出たから俺が運転しよう、という暴論も凄いですが、ヘリによじ登る、操縦する、落っこちる、そして白兵戦にクライミングと余すところなく見せつけます。イルサ&ベンジーの方も、レーンとの格闘が描かれているわけでもうアクションてんこ盛りなわけですね。
ただ正直ですね、個人的にはバイク、車、ヘリと追っかけっこが3回あって正直飽きてしまったというか。そして爆発を止めるための最後のチェイス&格闘&クライミングは正直多すぎというか。クライミングで間に合うのか!?はもう余計だと思うんですよね。格闘で0秒直前まで持ってけると思うんです。
いずれにしても、危険極まりないスタントをやってるトムは正直なんというのでしょうか、危険中毒になってるんじゃないでしょうか。やばいっすよ、あの人。宇多丸さんもムービーウォッチメンでも言ってましたけど、同時代に見れてることに感謝するべきですよね。誰かが止めないと、ほんと、そのうち死んじゃう気がして怖いです。
2.アクション以外は…
アクションが凄いのはわかってるんですがね、今回はそれ以外が極めて問題だったように思います。今回は脚本を完成させずに、撮りたいアクションがあってそこに話を合わせたみたいな感じのようで、後述する良かったシーンなんかはトムが怪我している間に思いついたらしいし、前作の出来を考えてもクリストファー・マッカリー監督は本を書ける人だと思うんですよ。でもトムのアクション優先になってる。顕著なのはやっぱりスカイダイビングですよね。どう考えても普通に歩いて潜入できるし、全体のバランス見ても絶対必要なわけでもなかったですし。序盤にして置いてかれた感じでした。
あってないような脚本で辛いのが、登場する組織や人物が多すぎること。纏められるならいいんですが別個で動きすぎなんですよね。イーサン・ベンジー・ルーサー・長官のIMFチーム。CIAが別個に動いていて、今回行動を共にするウォーカーはそのうえでCIAとは別の意図がありそうに描かれる。前回のシンジゲートはアポストルに名前を変え、シンジゲートのボスのレーンが出てくるのに、アポストルのボスのジョン・ラーク(正体不明)も出てくる。更に謎の武器商人マックスが出てくる上に彼女もCIAの協力者とか言い出すし、MI6とイルサも絡んでくるからどの組織が何のために動いていて、今イーサンは何のために走っているの?となってしまうわけです。
ラークの正体はイーサンだと疑わせるウォーカーがラーク、ぐらいのひねりは全然かまわないんですが、最後の核爆弾のくだりもめんどくさい。わざわざ2つ同時に解除しなくてはならないのに、更にカウントダウンが始まったうえで別にある起爆装置の破壊しなきゃいけない、とかもうそれ簡略化できないの?って感じです。
3.M:Iシリーズに求めている物
私が結局MIシリーズに求めていることとトムがやりたいことが乖離していってるのが今作で決定的になったのかなと思います。
私が求めているのは、前作ラストや第1作にあったようなミステリー要素やスパイ要素であって肉弾戦やアクションじゃないんですよね。スパイの種類としてはジョーカーゲームがかなり近い。あんなに名前や顔がバレてちゃいけないんですよ。
だからこそ、序盤の博士を病室のセットで騙しているところや、ウォーカーを嵌めるところなんかはしっかり観客を含めて騙してびっくりさせているわけで、超超超高得点なんですよ。
まあ、後はシリーズが長引いていくものは必然的にキャラ萌えが求められるわけです。そういう意味では遂に変装マスクを被れたベンジーが可愛く見えて仕方ないし、逆に「信じられるのはこの部屋の人間だけだ!」という台詞で自然にハブかれるブラントという構図にもガッカリ…。長官もあっさり死んだのに、その後の「追え」という最期の命令に反して追う前にイーサンは逃げる、を選択しているのもフラストレーションがたまりました。
4.トムを讃えよ!(注:バーフバリ未見)
結論としては私に合わない映画でしたけど、でもこれは絶対に劇場に行って見に行くべきだと思います。
というのも、前述のとおり同時代にトムの生きざまを目に焼き付けていくことが絶対に重要なことがことだからです。こんな俳優・作品はなかなか見れるものではないですし、っていうか多分生きているうちには見られないのでは?
私としては、監督もトムのやりたいアクションを優先していたり(まあ、トムがプロデューサーなんでしょうがないですけど)、トム・クルーズは既にイーサン・ハントを超えているしで、ミッション:インポッシブルシリーズはトム・クルーズいう男の伝記映画、記録映画という側面が強いと同時に、殆ど宗教映画といっていいレベルに達しつつあるとの結論に達しました。
だって、トムが全部自分でスタントしてるって常識みたいに言っていますけど、知らない人から見たらその部分の凄みが全くなくなるわけですよ。そしておそらく映画を見る多くの観客は当然のように知っているわけではないでしょう。それでもこの映画がヒットし続け、作られ続けるならある種の宗教なのではないのでしょうか。
うん、だから入信しなくてもいいけど、傍から見ててもトムを讃えよ!とは言いたくなります。