どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。
一応本作品はネタバレを公式さんが気にしているタイプの作品ということで、この先を読むのはご鑑賞後がよろしいかと。
WATCHA3.5点
Filmarks3.6点
(以下ネタバレ有)
導入は野良猫女子伊藤万理華と野良犬男子中川大志の美男美女カップル。同じ建物のの1Fにあるレストランのドジっ子と真ん中の階(ごめん何階って言ってたか忘れた)のデザイン事務所にフリーランスでやってきた自由人イラストレーターが、屋上の喫煙所で交流していくうちに…という感じと言い、なんかすごくポップな音楽使いや柔らかなナレーション、すっかり演技派の顔を持っているのにアイドルとしてのあざとさを抜群に繰り出す伊藤万理華、というスタートからは想像もしていないところに連れて行かれる作品であった。確かに、明らかに伊藤万理華のあざと演技はやりすぎレベルであり、中川大志が注意しなくてもこっちが心を離れてしまいかねないレベルではある。職場の同僚たちが陰口をたたくのもわからんでもない、というもの。まあ社長に抱かれている関係の噂話をするには社長が藤井隆なので信頼できすぎる、という弱点はあるが。
7月7日をチャチャ視点(ということにしておく)で描き切った後に折り返し地点で、映画は樂視点の7月7日をもう一度描き直す、ちょっとしたどんでん返し方式で描かれる。その方式をやるんだったら、もっと視点をしっかり固定してチャチャ視点と樂視点だけにしてしまっていいような気もするんだけど、そこに謎のナレーションの神視点(後に正体は分かりますが)とか、樂くんが本当に好きな人、転がり込んだ家の違和感の正体が明かされていく中盤、うん、これも別にすっごくサプライズでもないかな。正直、1部目の時点でこの二人が想いあっていないんだろうな、っていうことは雰囲気でつかみ取れるし、1部目にチャチャの同僚の凛視点で謎の男の水浴びをさせている樂を出している時点で監禁していることもわかるし。ただ、作っている方もそれを分かっていると感じたし、そこでどやってしないでそれを含めたゆるーいラブストーリーの空気を漂わせていた。凛さん周り、明らかに演出がメタに入っていたりするし。
そしてなんといっても、この作品はその辺の映画では無く、メーテレが入っている(not)HERIONE moviesの第4弾である、という事実が何よりもこっちにある種の保障をくれるというか。『わたし達はおとな』を見れていませんが、『よだかの片想い』と『そばかす』ですよ。単なるキャラの強いゆるふわラブコメだったり、伏線とも呼べない伏線の一本勝負じゃないでしょ、と思える。で、最終的には視点がごっちゃになったとはいえ、やっぱりチャチャの物語だったな、と思えるというか。チャチャっていう誰にどう見られてもいいんだ、気にしない、という生き方を選んでいるように思えた人物が、それでもどう見られるかを気にする相手である樂と出会い、ついでに言えば、もっとどう思われてるかなんて気にしていない監禁男性とも出会い、好きな人の血を舐めても不味いと言える=すこし成長する話であった訳。チャチャをキャラ強の能天気主人公とするのではなく、素敵なものは素敵と言える中でクリエイティブを武器に戦う女性としてちゃんと描けていると思いました。チャチャっていう存在そのものが、この映画自体とも同じような輪郭をしていて、チャチャのような人と同じ可愛さを持っている映画だと思います。
っていうか、何よりも中川大志かっこいい、伊藤万理華超かわいい、ついでに藤間爽子もめっちゃ綺麗、が成立しているんだからそれでいい。