どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。
少し遅くなりましたが、過去作の振り返り。幻魔大戦、東映アニメ、ここには載せませんがFate/HFなど、映画館でのリバイバルが見れて楽しかったですねぇ。2回目の鑑賞ということで、これも掲載していませんが、ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーを劇場で見れたのは最高でした。たまらん。鑑賞したのは特集記事にしたランボー含め27作品。流石に自粛中よりは本数落ちますね。
ここでは21作品の感想を。
幻魔大戦
WATCHA3.5点
Filmarks3.6点
これは…なんだったんだ!?
大仰で、壮大で、神話的で悲劇的。宗教的でありながら超能力バトルでもある。姫様が主人公かと思ったら違うし、仰々しい音がずっと鳴ってる。ずっと美輪さん喋ってるのかと思うレベル。
世界中の能力者が集うあたり、原作石森章太郎の009っぽさはあるが、圧倒的キャラデザと内容で大友克洋らしさが全開である。
ちょっと調べたらテリー・ギリアムのバンデットQと2本立てっぽい。観客をどうしたいんだ…
MEG ザ・モンスター
WATCHA3.0点
Filmarks3.2点
デカイ!サメと!ステイサム!どっちがモンスター!?
メガロドンとステイサムが対決する映画で、愛すべきバカ映画といっていいだろう。海水浴場にサメが突撃するシーンは、あまりに描写される中国人観光客の長さも相まってジョーズと違ってもはやワクワクする。そう、全然怖くない。流血皆無で予想どおりのやつだけ食われるストーリーはなんか物足りない。
なんだろう、サメを出すために中途半端に科学を使ってる癖に肝心のところでバカになるのがもうダメよね。バカになるなら最初からなる、科学的にいくならビシッと考証する。自動で巻かれるワイヤーは素手で握らない。
まあ予告編があまりにも良すぎた。
ジャーヘッド
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
初めてテレビで見れた戦争、湾岸戦争を舞台に海兵隊の斥候狙撃兵を描く。
だが、まさかのほぼ待機する映画。撃たない。
人間が(人格的に)破壊されていく様子は海兵隊モノの映画では何度も描かれており、毎度辛くなるがそれは今回も同じ。マジでクソな教官の下、防護服アメフトとかガンガン狂わせていく。
結局、隊員たちは撃ちたくて堪らなくなっているが、それは戦争映画で銃撃戦を求めるコッチに確実に突きつけている。アイツらと同じ体にされてる。
時節的に、おそらくイラク戦争への疑問や、戦場を知らない民間人への警鐘も含んでいるとは思う。
ミッドナイト・ラン
WATCHA4.0点
Filmarks4.1点
楽しい楽しいアメリカ横断コメディ。あらゆる交通手段を駆使しながら、デニーロがギャングの金を横領した会計士を連行することうちに…。
真面目になりそうになるとかかる軽妙なBGMのおかげでシリアスになりすぎることなく、しかしバカバカしいレベルが度を越さずに楽しく見れる。
ストックホルム症候群ではないが、連行した人質と仲良くなってバディ化するのも元々の人間性がしっかり描かれていて納得。
プラトーン
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
ベトナム戦争をジメジメ暗く極限で描く。体感的には雰囲気は「野火」が近い。
父親殺しの話であると同時に、戦場の極限を味わせるため、まあ見ていて暗くなること。ラストでも言われるように、戦う相手は北ベトナムだった筈がいつのまにか自分や仲間になっている。だからか、ベトナム兵自体そんなには映らない。大事なのは内との戦い。ナパーム弾、恐ろしや。
7月4日に生まれて
WATCHA3.5点
Filmarks3.7点
ベトナム帰還兵を出征前からPTSD、そして立ち直って反戦運動に身を投じるまでを描く。
ベトナムでの戦争描写は徹底しており、それなりのトラウマをロンの人生に与えることは納得できる状態だし、負傷後の海兵隊病院での処遇や状況は戦地で命を張ってきた経験からすると裏切られる思いになるのは間違いないだろう。
そこからの立ち直りは、冒頭からも示唆されるようにいわば生まれ変わりの物語であり、どこかキリスト的な神性を伴っている。
だからこそ、立ち直りの手法が重要なのだが、それはあまりにも身勝手ともとれる告白での赦しであり、あるいは自叙伝執筆により他者からの承認であるにすぎず、それでいいのか、という点もある。また、ミッドナイトエクスプレスの前科を考えると、どこまで自叙伝の内容で、どこまでが監督・脚本でベトナム戦争に従軍しているオリヴァー・ストーンが赦しを得るための物語なのか、疑問符が残る。
太陽の王子 ホルスの大冒険
WATCHA4.5点
Filmarks4.7点
圧倒的な可能性と未来への希望を感じる傑作。特にアバンタイトルでの狼との戦闘、オオカマスとの対峙は凄まじい。どんだけカロリーをかけるんだ!原画陣は宮崎駿に森康二、小田部洋一奥山玲子夫妻とレジェンド揃い。高畑勲も監督と演出。
なんておもってたらネズミと狼の襲撃は止め絵をカメラワークで見せる方法をとってたので、やっぱり最初にエンジンをかけすぎたのかもしれない。
ホルスの大冒険と題してはいるが、自分の善と悪の心を動物の形で顕現させているヒルダが覚醒するまでの物語だ。
どうぶつ宝島
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
緑、青、黒と色とりどりの海が鮮やかで随所に原画に入ってる宮崎駿&森康二コンビの匂いを大変強く感じる。特にコメディ描写は思いっきりギャグに寄せて子どもは大喜びでは無いだろうか。
海賊が舞台なので、陽気なコミカルアウトローってことで、ルパンが1番近いか。
海上及び海賊シマがとっても楽しいので、宝島に着いてからは少ししつこいかも。
あと、主人公は宝の地図を不正入手していてそこがずーっと引っかかってしまった。所有権はお前…なのか?
知りすぎていた男
WATCHA4.0点
Filmarks3.8点
モロッコで事件に巻き込まれてロンドンで解決!って話。
交渉人真下正義のシンバルで爆発する爆弾はコレのオマージュだったんだな。やっぱヒッチコックはもっと見なきゃだ。
そのシンバルの登場するコンサートホールでは台詞を排除して映像だけでサスペンスを煽る手腕が実に見事。
地獄の黙示録
WATCHA3.5点
Filmarks3.3点
これは…一体何を見たんだ…
とにかく圧倒される壮大な描写。火薬やら美術やらもう一体いくらかけたっていうんだ。ヘリが軍に持ってかれたとか、台風でセット全壊したとか、凄い話は聞いていたがここまでとは。
ただ、話があるようで無い、まるで戦争映画とは違い、宗教映画とも言い切れない父殺しの物語に乗れないのも事実。カーツ大佐が真っ暗なのもマーロン・ブランドが制御できなかっただけでは…?とも思うし。
まあこれの宇宙版のアドアストラが飲み込めない理由もよくわかった。
これの1時間とか長いバージョンを見たいかと言われると…うーん…
うん、誰か教えてください!
スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団
WATCHA3.0点
Filmarks3.1点
うーん、ノリが合わないとダメね。楽しいピコピコサウンドにファミコンおよびコミック的演出が続く。
何の為に戦うのかハッキリしないからだらだら続く感じが否めないし、まあ主人公が悪いもの。戦闘や勝敗のルールもイマイチ統一してないし。ラモーナの中の元彼の思い出に勝てない限りは今彼になれないよ、という話なのかと思ったけどそれなら主人公の歴代彼女ともしっかりラモーナが戦わないとハッピーエンドじゃない。
私が好きなのはエドガー・ライトだったのか、サイモン・ペッグ&ニック・フロストだったのか、答えはベイビードライバーで!
メアリー・エリザベス・ウィンステッドは可愛い。
あさがおと加瀬さん。
WATCHA4.0点
Filmarks3.9点
尊い。とうといを超えてたっとい。ラブコメだったり、恋愛モノは大概ログインよりも神視点で見てしまうのだが、もはや菩薩視点だった。
百合で括るよりも普遍的な恋と自己表現の物語で、あれを言いたいけど言えない、を繰り返す。そんな想いをすり合わせていく段階で学校を飛び出して東京へ、という終わり方はお互いの心の通じ方として一段上がった感じでとても良い。
サイボーグ009
WATCHA3.0点
Filmarks3.0点
思いっきり子ども向け。だから、人でなくなったゼロゼロサイボーグたちが人として戦い、人としての幸せを願うのが面白いのに単純な勧善懲悪になっちゃった。やっぱ、そういう視点の濃いミュートスサイボーグが1番好きだな。
ブラックゴースト壊滅まで1時間は流石にムリがある。
ジョーが拐われて改造されて脱出、各キャラの能力紹介したらほぼ終わり。あとは斥候組でブラックゴースト壊滅ってそんなバカな。009がレーサーで加速装置なしとか、007がガキになってたり知らん設定も付加されてたし。
サイボーグ009 怪獣戦争
WATCHA3.0点
Filmarks3.1点
初代劇場版を引き継いで超音波で世界中を破壊する怪獣と対峙。当然背後には倒したはずのブラックゴーストが…。
なんかミュートスサイボーグ編をベースに原作だと0010だったプラマイ2人組を0011にしてるし、アキレスは見た目が0011だし改変の具合が不思議。彼等はみんなして、ゼロゼロナンバーサイボーグよりも秀でているが故にどこか歪になっていて、それが人間味を増すドラマが生まれるのに愉快なバトルになってしまった。
子どもたちには好評だったのか、007のコメディシーンが大幅に増えているが、日常シーンの紹介が無かったピュンマ差別は許さんぞ!Re:といい、ピュンマが可哀想にも程がある
ベイビー・ドライバー
WATCHA4.0点
Filmarks3.8点
面白いんだけど、別に別格というほどじゃなかった…期待値上げすぎたかな。
アバンタイトルの強盗からのカーチェイスでテンションをいきなり最高に持っていき、2回目の強盗までそれは持続したがまあ30分が限界でそっからは落ちてくだけだった。
ボニクラ化したデボラもいいキャラクターだったが、リズムを取り戻すには遅すぎたか。
それもこれも、洋楽を殆ど知らないから曲の歌詞とかピンとこないせいなんだろうな
あとケヴィン・スペイシーも追放、アンセル・エルゴートも告発とロクなことになってねぇ
カルテル・ランド
WATCHA4.0点
Filmarks4.2点
撮れちゃった系ドキュメンタリー。戦場を撮らせれば今んとこトップランクのマシュー・ハイネマン監督作。
ボーダーラインなんかで描かれた麻薬カルテルとメキシコでの自警団の戦い、及びアメリカ国境側の自警団の模様を描く、が。
この本題は政府を信用できなくなった人々を描くリアルに起きてしまった社会実験だ。アメリカ合衆国憲法には抵抗権や革命権、武器を取る権利が明記こそされているが、本当に実行されると非常に度し難い状況が生まれる。
ある種の民主主義の理想のような光景から先鋭化、粗暴になる権力、無力感。闇の出口は、見えない。
トゥルー・グリット
WATCHA3.5点
Filmarks3.6点
オーソドックスな西部劇な印象。これやったからコーエン兄弟はバスターのバラードみたいな変形の西部劇もやったのかな。
今やスターと呼べるヘイリー・スタインフェルドが父親を殺した犯人を追うためにアウトローな保安官を雇う。あの若いやつマット・デイモンだったんか!
割と普通に追いかけていくだけの話だが、目だったり、腕だったり、色んなものを失う。何かを得るために何かを失う、というテーマはおそらくしつこく繰り返される交渉シーンが象徴している。
でも、解説読んでキリスト教的な含意までは掴めなかったなぁ
ディープ・インパクト
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
アルマゲドンは5回ぐらい見て毎回泣いてるのに見てないな、と思って見たら3回目ぐらいだった。津波の父子のトコ、見覚えしかなかった。
この手の終末ものに於いては、派手な描写、演説、立ち向かう小さな勇気が大事だが、本作もしっかりそれを描写した上で、どう乗り越えるかよりもどう受け止めるかを重視。伊坂幸太郎『終末のフール』を思い出したけど、あれもどんな話かそんなに覚えてない。
ブレア・ウィッチ・プロジェクト
WATCHA3.0点
Filmarks3.1点
POVとフェイクドキュメンタリーの実験作。最初の最初だから、不完全さ、粗さが目立つのは事実だ。
理解不能な現象に対する恐怖よりも、集団遭難の罵り合いが多く、ホラーとしては成立していない気がするし、どうやってこの映像は回収されたのか、あるいは現存していたのか、の外側の詰めも甘い。
とはいえ現象として、あるいは映画史として、押さえておくべき作品。
ブラック・レイン
WATCHA4.5点
Filmarks4.3点
うーんリドリー・スコット流石である。大阪を舞台にしているのにちっとも商人の匂いがせず、ブレランとアウトローの雰囲気が満載である。
死を覚悟した松田優作も凄いが、とにかくこの作品は高倉健だと思う。まず英語セリフがここまで多いのに、どっからどう見てもどう聞いてもそこにいるのは高倉健だ。言語に左右されない概念としての高倉健がそこにある。
そのため、物語としては日米の文化衝突、戦勝国であるアメリカにブラックレイン(無論原爆)を思い出させつつ、相互理解の話になっているのに、マイケル・ダグラスが他国に来ても横暴に自分のルールを押し通すだけの無法者に見えてしまうのだ。高倉健という圧倒的な正しさの権化がそこにはあるからだ。健さんが困るなら、そいつは悪なのだ。
まあ、高倉健じゃなくてもマイケル・ダグラスは本当にルールを破って日本の法には従わないし、チャーリーも因果応報なのは否めない。ある種、彼らもヤクザと同じアウトロー(法の外の存在)だった。
金曜レイトショー
或る夜の出来事
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
新聞記者と令嬢のロードムービー的な恋。わっかりやすくカルチャーギャップ、特に金銭感覚の違いなんかを際立たせてコメディにしつつ、本当の愛を探していく。
ローマの休日的な物語だが、いわばその原点であり普遍。だからこそ今見ると少し退屈なとこもある。同時代に見たらびっくりするのは間違い無いだろう