どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。
大渋滞の4/9公開。試写会で見ていた2本に続いてはこちらを。コナンくんにスクリーンが支配される前に見たいんですが、スケジュール取れねぇって。待ってろザ・スイッチ、待ってろパーム・スプリングス、待ってろ21ブリッジ、待ってろ今から本気出す。
WATCHA4.0点
Filmarks3.9点
(以下ネタバレ有)
1.どこ行くんや!なジャンル横断
冒頭、まずは北村匠海が話し出す、変身ポーズ。あれ、これって中川大志が主演じゃないんだっけ、と思っているうちに始まる物語。うんうん、これが読んでたあらすじ通り、いじめられている石井杏奈を助ける話だ、と納得していく。そっからはしばらく学園もの。すぎた正義感の持ち主っぽい清澄くんが玻璃ちゃんを助けていく。ヒマ先と呼ばれながらも、学年全体からいじめられている玻璃ちゃんをどんどん助けて2人の距離が詰まっていく。ここらへんで絡んでくる尾崎姉妹の松井愛莉と清原果耶は抜群にいいし、いじめているクラスの連中のギャグだよ、ギャグ、みたいなノリのところ含めてまあいい学園ドラマでした。んで、玻璃ちゃんの語るUFOなる敵性勢力が、いわゆるいじめている連中のことだと観客も、清澄くんも思っていたら、家庭内暴力でした、からのジャンルがサイコホラー気味に転調。登場時から確かにおかしかった堤真一が「わちゃわちゃ言うなって」と言いながらゴルフクラブを振り回す。そういう方向にいくんか!?と思いつつ、そういう方向が大好きなタイプなのでむしろ喜んでいたら、『見えない目撃者』の警察の皆さんもビックリなほどにあっさりやられて。なんて言ってたら、あっさり後日談に移行して、冒頭の北村匠海は中川大志と石井杏奈の間の子どもで、父親の事件のせいで玻璃を捨てた石井杏奈だったけど、死んでしまったら永遠に愛せるよ、みたいな、あれ、またまどマギっぽい感じで行くの?というもっかい転調してラブストーリーになっちゃうという不思議な終わり方。これだけジャンルをくるくるさせるのも、意外とあっさりめに残酷なところを消化しちゃうのとかも個人的には結構好きでしたし、こういう挑戦はガンガンしてほしい。してほしいんですが、この映画、だけでみるとどうも微妙なところがあるのは否めない。
やっぱりどうしても気になるのは一個のシーンの冗長さ。トイレに閉じ込められた玻璃ちゃんを助けようと隣のトイレの壁をよじ登って話しかけてるシーン。2人の第一種接近遭遇だから大事なシーンなのは分かるんですけど、ちょっと状況が異常なのに長すぎる。中川さんはLIFE!の影響もあって、油断するとコントに見えちゃうんでね。大体トイレでしょ?絶対下の隙間開いてるから、鍵の場所分かった時点で一旦開けれるように思えちゃうしね。そういう感じで、意外とスパッと場面を切るわりに、なんで?というところが長くてね。堤真一と矢田亜希子の会話とかさ、矢田亜希子がなんであんなに食い下がっているのか、のところに一言あってほしいな、とか思いました。あと細かいところで言うと、石井杏奈さん、多分おしるこ食っていないですよね。うーん、餅喰うタイミングで急に手元が映らなくなったり。あっこはちゃんと食べてほしいです。
2.痛くて脆い「ヒーロー」の魔力
さて、ちょいちょい演出の話のダメ感は話しましたが、それ以上に見た人全員が気になるのが、清澄くんの中二病でしょう。アニメを見慣れた人にとっては、あいあい、そーゆー人ね、で割と飲み込めるところではあるんですが、実写でやるにはどうしてもしんどさがあるかな、と思います。そして、それを具現化する概念が「ヒーロー」。清澄くんは、いつか「ヒーロー」になるため、に「ヒーロー」三箇条ってなものを掲げている訳で。まあ危ないぞっ、っていうように見ていたらやっぱりその通りに行動する。言ってしまえば清澄くんはモノローグ大目なバットマンみたいなもんで、割と危なめなヴィジランテズムを掲げている訳で、それはある種の中二病と通じるし、ポエマーなところも、もっと早く警察呼べ!にも通じちゃうでしょう。
玻璃ちゃんの為、という大義名分があれば結構危険なことでもできちゃうのも「ヒーロー」という言葉のおかげ。最近のヒロアカでヒーローの問い直しがされたりしてますけど、MCUもDCも無かった2020年(ハーレイ・クインはあったけど、あれヒーローじゃないし)を経た2021年現在に公開された結果、ヒーローをついつい求めてしまうこの物語を割と受け入れちゃう自分っていうのもいるんじゃないかな、とも思いました。ヒーローって、なんなんでしょうね。
以上、最後は何か文章の体をなしているかも怪しい気がする感想でしたー。