抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

闇に紛れて生きる俺たち吸血人間なのさ「モービウス」感想

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 今回は親の顔ほど予告見た映画シリーズ。コロナのせいで延期延期でいっぱい見た予告映画も、007やブラックウィドウを経て、無事本作とトップガンぐらいになったのではないでしょうか。スパイダーマンに先を越されてしまった吸血医者の物語です。

Morbius (Original Motion Picture Soundtrack)

WATCHA3.0点

Filmarks3.2点

(以下ネタバレ有)

1.ダークヒーローになりきれないソニーのみなさん

 今回の主人公マイケル・モービウスさんは先天性の病気かなんかで、一日に3回血液を交換しないといけなくて、歩行器も無くては生きていけない社会的弱者と言える存在。そんな彼が、幼児期に病院で命を救ったルシウス(だけどマイロと呼ぶ)と親友となり、自分、そして彼の命を救うために天才的頭脳を駆使する。駆使した結果、血だけをエサとする吸血蝙蝠のDNAを自分にぶち込んで、とかいう倫理観もビックリの所業。

 そうやってスーパーパワーを得るんですけど、その結果吸血衝動が襲ってくるようになってしまってさあ大変。それ以前に自分で開発していた人工血液では身体能力の向上が6時間しかきかないし、っていうかその効果時間も持続しないし、っていう。

 こっから話が、人を救いたくて行った実験のせいで、人を傷つけてしまう衝動を手にしてしまったモービウスが葛藤するような話を期待していたんですが、全然そうはなりませんでした、はい。彼の親友、マイロくんも同じ血清を打ったんだけど、こっちは吸血衝動に素直、っていうかモービウスの気持ちが分かるのは俺だけだ!それ以外はいらない!っていうクソデカ感情を持て余して、すれ違って対決するっていう話でした。結果的に、理性と本能が1人のキャラクターの中で対立する面白そうな題材なのに、モービウスが理性、マイロが本能をそのまま象徴するキャラクターになってしまって、なんだよ、実験をやっちゃうマッドサイエンティスト的な倫理観だったのに人は殺しちゃダメとか言うんか、ってがっかりしました。ガッカリしたうえで、街中の救急隊の持ってた人工血液を盗んだりはしてるんで、いやそれも間接的に人殺してない?人工血液のおかげで助かった、みたいなこと刑事が言ってきたんだからそういうことでは?っていう作内倫理の不均衡にもちょっとイラっとしましたね。ヴェノムもそうだけど、ちゃんとヒーローじゃなくてダークヒーローしなさいよ。

 取り敢えず、あの女の子をどう治療するのかは、ケリをつけておくべきでは?そうすれば、お前を殺して俺も死ぬ!からのいやお前死なないんかーい!も説明つくし。

2.夜だから黒いヒーローは見辛い

 これはもう公開タイミングが凄く悪いっていうのもあるんですけど、このヒーロー?映像としてすっごく見辛い。バットマンが黒を追及していた中で、吸血鬼だから夜動く、だから衣装も黒い、はもういらないかな、っていう。吸血鬼要素を全部ぶちこんでるならいいんですけど、十字架とかニンニクとか銀の弾丸とか全部関係ないし、昼間でもバンバン活動する。じゃあもうコスチューム黒くなくていいっていう。ただでさえ、映像にスローモーションと煙みたいなアクション入れて、X-MENやん、瞬間移動くんとクイックシルバーじゃん、というアイデアの既視感+でわっかりづれえカメラワークでイライラするのにな、っていう。これまた公開タイミングが凄い悪いだけですが、夜しか活動しないムーンナイトは逆にコスチューム真っ白でそのフレッシュさに触れている訳ですし。

3.予告編作ったやつ放課後校舎裏な

 最後に、もう予告編で煽りまくったマルチバース感のアレね。本当にクソだからやめよう。ポスクレでしか出て来ないマイケル・キートンをあんなにしっかり出すな。スパイダーマンのことが良く分からないSSUにおいて、モービウスがスパイダーマンを敵として認識していること自体もさっぱりなので、シニスター・シックスやりたいです、の大人の都合以外全く感じない酷いポスクレでした。ケヴィン・ファイギにちゃんと管理してもらえ。