抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

田舎 of the dead

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 Twitterも含めて大変にご無沙汰しております。

 この10日間程は九州に里帰りしておりまして。Wi-Fiも無いし、スマホも殆ど触れない状態で過ごしておりました。今回はその時の話を少々。

 なお、里帰りした先のことを「田舎」として表現していますが、別に一般化する気はありません。個別事例としての「田舎」ですが、適切な言葉も見つからないので便宜上田舎としておきます。

 1.そもそもの帰省理由

 これはこの後もう一個帰省中に考えたことのアウトプットをする上でも避けられないので先に言及しておく必要があると思います。

 端的に言えば、祖父が逝去しました。

 危篤の報が入ってから即日九州入り、その日から毎日病室で見守り、危篤状態から低調が続き、そのまま1週間持たず逝去。通夜や葬式を済ませて東京に戻ってきた次第です。そんな折に思ったこと。

 ちなみに、タイミングが完全に悪く、書店の無い田舎に到達したせいで映画秘宝の最終号も買えませんでした。

2.東京に染まった男の衝撃

 自分を吐き出すようで申し訳ないのですが、福岡生まれ東京育ちとはいえ、私はかなり九州の気質を持ってますし、かなり食の好みも向こうのまんまなんですよね。

 ところが、今回の帰省と親戚一同との触れ合いやしきたり、そして緊急時においてポロっと出てきた祖母の意外な言葉にかなり動揺すると共に、価値観としては完全に違うところにいるんだな…と衝撃を受けてしまいました。

 何といってもまずは地域コミュニティの地獄っぷりですよね。

 東京にいると自治会とかは入らなくてもいいようなものなのだと理解しているんですが、田舎だとどうもそうではない。農協の圧倒的支配下にあり、隣組のような組織に加入しないことは悪だし、それによってゴミを捨てられないことも致し方なし、とする価値観が蔓延していたことでビビりました。PTAでも思いますけど、自由参加のモノで人権が制限されるって、中世ですよ、ソレ。

 また、祖父の死去に伴い病院は即座に大学病院に連絡、即解剖の依頼の為に深夜に逝去したのに担当者がやってくる。農協からも人がやってきて農協の関連企業で葬式やそこでの食事、花、そういうものも全部決めていく。自治体はまるごと大学病院と結託していて、定期検診を大学病院で安価でやる代わりに献体を半ば義務付けているらしい。そして、親戚の誰にも連絡していないのに役場から直接電話がくる。死亡届を出していないのに、である。驚くべきことに大学病院から役場に連絡があったようで、個人情報という概念がないことに驚愕した。大学病院なんて、絶対ちゃんとしている組織だと思ったのに…。

 それから、所与の条件・価値観に全く疑いを持たない高齢世代のお気楽ぶり。土地の一角にある祠は毎日供え物をするべきだ、祖父母の近くに住む叔父夫婦の子どもたちに対しても男だから家事を手伝う必要などないと諭す。彼らはもう大学受験世代なのに。

 あらゆる葬儀の算段もすべての判断基準は近隣住民が以前こうしたから、それ以下にはできないという前例主義。幸い、農協の担当者の方が理解のある方でいろいろと変更が出来たから良かったものの、前例主義を採っていたら一体いくらかかったのだろうか。病室で何度も亡くなるその前から、何度も話し合っていたのに前言を翻して前例に依る。それまで接してきた祖母は少し価値観が古めだとは思っていたが、ここまで違うのかと開いた口が塞がらなかった。

 

 勘違いしてほしくないのは、農協や地域コミュニティ自体がダメと言っている訳でもないし、祖母のことは大好きだし、今回の葬儀に携わっていただいたすべての方は基本的には価値観をアップデートしながら、こちらの疑問に答え、柔軟に対応してくれた。その結果、ますます祖母を始めとした田舎の親戚たちの思考停止っぷりに驚いてしまったのである。

 以上、忘れないうちに残しておきたかった自分と田舎の断絶である。別の限界集落にある私の家の墓はいずれどうにかせねばなるまい…。