抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

実写とアニメを比べてみようのコーナー「君の膵臓をたべたい」(アニメ版)感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 フリーパス期間に見たのに遅ぇよ!10月だよ!という苦情を脳内でかき鳴らしながらもようやっと実写版の方を見たので感想を。サニーはもうちょっと待ってね!あっちはネトフリだから!キミスイは録画だったからHDDの容量的に急いでたからだから!

劇場アニメ「君の膵臓をたべたい」

 

〈アニメ版〉

WATCHA4.0点

Filmarks4.0点

君の膵臓をたべたい

 

〈実写版〉

WATCHA3.5点

Filmarks3.4点

(以下ネタバレ有り)

 

1.このタイトルに涙する

 まずは実写とアニメに共通する部分で。

 実写版とかでもこのタイトルに涙するとかうるさかったわけで、そこまで言われて泣くかよ、膵臓の難病もので食べてしまいたいぐらい愛してるとか、病巣を食ってなくしてあげたいとかそんなもんだろ、程度に舐めてました。あ、原作は未読です。

 映画冒頭でも葬式のシーンから始まって、はいあたりましたー。奇跡の快復はないパターンですね、了解!ぐらいのテンションでしたし、死ぬまでの何日間をどう過ごしたかってことですね、わかります。という感じ。まあ間違ってないですが。ちなみに私はこういうパターンで良く名前の出てくる「死ぬまでにしたい10のこと」とかは見てないです。頑張って旧作追いつこうとしてるのは各月の過去作の記録なんぞをご覧ください。
tea-rwb.hatenablog.com

 さて、実際には、共病文庫を拾った縁で秘密を共有するようになった桜良と春樹が交流し始め、互いに互いを憧れ、君のような人になりたい、そう願った言葉が「君の膵臓をたべたい」だったわけです。 確かに、素晴らしいタイトルのまとめ方だし、感動する方ではあるけど泣きはしませんでした、お許しください。

2.アニメ向きなキャラクター

 次はそれぞれのキャラクターに関して。

 基本的に主人公を振り回していく桜良のキャラクターはかなりアニメチックというか、実在しないだろ!と文句を言いたくなるようなキャラクターです。そういう意味では実写だけでなくアニメ化の話が出たのは納得。

 一言で言えば魔性の女、ですよね。クラスで孤独な存在の男子生徒に声かけて連れまわし、挙句の果てに泊まりで旅行で同じ部屋、親がいないという理由で家に呼ぶ、彼氏じゃない人とイケナイことしたいからとハグして冗談だと笑う。こんなもんトラウマもんですよ。(親がいないと家に呼ばれても何も許されなかった過去を振り返りながら…)勿論、だからって襲われても文句言えない、とか言うのはありえないとは思いますが、高校生男子にはあまりにも刺激的すぎるのは間違いないですよね。そういうぶっ飛びさとかも考えると、そこはアニメに軍配でしょうか。っていうか、「センセイ君主」に引き続いてで気づいたんですが、浜辺美波さんは私の心にヒットしないようです。

 メインの語り手の僕、こと春樹。非常に内向的で好んで孤独を愛していたのが、桜良と関わっていくうちに彼女のような人間になりたい、と思うようになりガムくんからガムをもらうなど、他者との関わりを持つ努力を始める、という人物でした。

 なんかさっきからアニメ版の肩を持つようでアレなんですが、彼の内向的な性格を表すには喋らないので、モノローグが重要なんですよね。それがアニメの方が違和感なく入ってくるのでどうしてもアニメの方が描き方が良かった。実写の方だとガムくんがいきなり苗字呼びしてくれた所から心が動いていて、きっかけにガムくんも入ってるように見えちゃいました。

 ただ、アニメ版では声を「散歩する侵略者」での宇宙人役で私にはお馴染みの高杉真宙さんが演じていましたが、そこが少し微妙でした。頑張っていたとは思うんですが感情が声に乗り切れていないというか。泣いてもいいですか、の後の泣き演技なんかはそれが顕著だった気がします。

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  周辺の人々で言えば、やはり恭子は外せません。アニメと比較すると実写の方がただの悪者に見えるというか。桜良の葬式の後に呼び出されて、のくだりで春樹にキレてるシーンとかのおかげで彼女の想いなんかが溢れてちゃんと友達になる始まりが出来てると思うんですよね。

3.アニメのいいとこ、実写の悪かったとこ

 実写版の大きな特徴は12年後の現在パートがあること。

 図書館で図書委員の子に小栗旬演じる12年後の春樹が語り掛ける形式になるんですが。そんな教師いねぇって。おかしいって。そこの違和感がバリバリすぎて正直ずっと話についていけないというか。

 そして遺書の扱いですね。ここがアニメが完璧で実写が最悪。この差ってなんですか。

 アニメでは共病文庫を読み終わったと思ったらもっと後ろにそれぞれへの遺書があった、という描写でまだまだ桜良も生きるつもりだったことが強調されるし、恭子へちゃんとした思いも伝わる演出だったと思います。ついでに言えば、その日の桜良との待ち合わせ場所でもあった恭子とも会うカフェ。これもいいロケーションだったと思います。待っている間の時間経過もわかりやすいし、スイパラとは大違いですね。

 そして、遺書を読んでいるときの星の王子様をモチーフとしたアニメーション。まさに実写で出来ないことをしっかりとやっていて、それでいてしっかりと心情描写にもなっているしで素晴らしかったですね。

 一方の実写では、遺書を図書館に仕込んでいた、という展開。まず検査入院なのにその前に仕込んだことになるので、既に死を覚悟した入院だったのか、という疑問が出てきますし、見つけなかったらどうするつもりだったのか、という問題も出てきます。

 まあそこまではいいにしてもですよ。見つけたその足で恭子の結婚式に突入、おめかしの終わった新婦と新郎の会見に同席して新郎を蚊帳の外にして遺書渡すってTPOを考えろと。普通別日だし。っていうか、結婚式の招待状届いてるならそこそこの友達に既になっているのでは??

 

ということでアニメ版の肩ばかり持っている気がしてますが、原作を読めばまた感想が変わるかもしれませんし、見る順番が違えば少し違う評価かもしれません。基本的に予習していくスタンスを変えて復習で臨んでみた結果ファーストインプレッションの勝ちになってしまったかもしれません。