抹茶飲んでからマラカス鳴らす

見た映画、読んだ本、見たアニメ。そんな話を中心に。。。

2018年上半期Netflix映画感想「アナイアレイション-全滅領域-」「アウトサイダー」「さよなら、コダクローム」「クローバーフィールド パラドックス」「サイコキネシス-念力-」「ミュート」「ブレッドウィナー/生きのびるために」

  どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 Netflixのオリジナル映画で興味持って見た作品のうち、今年配信開始されたものはちゃんと今年の映画ランキングに入れたいのでこうして別記事にしてみました。

 ほんとは配信後すぐに見て、これを上半期に出しとけばいいんですけど、そうもいかず。下半期もまだ「バスターのバラード」とか見てない…「ROMA」も配信された…

 

アナイアレイション‐全滅領域‐

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WATCHA4.0点

Filmarks4.1点

 これは要解説案件の骨太SF。

 まずは何においても美術が素晴らしい。放射能への言及もあったが、廃墟・荒廃した建物と対を為すかのような青々とした自然。とかく無茶苦茶にしたくなる中で、突如日常が奪われて、そこから常に変異する未知、という対象の表現としてとても良かった。

 前半を引っ張るのは何が起きているのかわからない未知のゾーンへと調査隊が進みながら襲われたり不穏な様子を確認していく王道のサスペンス。襲ってくるものが徐々に現実離れしていき、かつての隊員の声で鳴く獣のアイデアには恐怖すら覚える。

 目的地、というか原因の灯台に到着してからは、宗教とSFと色んなものが入り乱れる考察されるべき世界。すべての遺伝子までを反射するシマーで常に物質が変異する世界で最後に出会うのはドッペルゲンガーというのか、自分自身というべきなのか。

 その結果翻される序盤の謎。彼は何故姿を消し、突如現れ、そして倒れたのか。いやー面白かった。

アウトサイダー

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WATCHA4.0点

Filmarks4.2点

 戦後のどさくさの中でヤクザの世界に入っていった外国人ニックの話。冒頭から刑務所から始まるが、果たして彼や清が何をしてそこに入っていたのか。ニックは脱走兵のようだが、過去に何をしたのか。どう考えても人を殺し慣れている。そういった背景は一切明かされないのもまた、それまでの自分を捨てて、新たな家・家族・兄弟となるヤクザの世界のことを考えれば当然かもしれない。最終的にはアウトサイダーとしかみなしておらずに清を取られたオロチと刀を授けられ、誰よりも仁義に生きるヤクザになったニックの対決は当然の帰結

 監督や主演は海外の方にも関わらず、とても良く研究された日本やヤクザの描写はお見事の一言で、盃かわす前に指詰めるんかい!と大学出の代理人に怒る世界なのにみんな英語堪能すぎませんか以外ツッコミどころもなかったと思う。まあ極道系の映画を見ないのでわかりませんが。

さよなら、コダクローム

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WATCHA3.5点

Filmarks3.6点

 壊れていた親子関係を修復していくロードムービー。オープンカーとロードムービーの相性の良さ、音楽や写真と言った題材の良さで良い作品の雰囲気がビンビン出ているが、わりと王道ではある。

 後半につれて見るからに痩せていく父を演じたエド・ハリスは見事の一言。だが、終盤になるにしたがって不器用すぎた姿や写真家としての父を見せていい人間風にしているが、前半の特に彼にとっての叔父であり、息子にとっての親以上の存在の家庭での振る舞い、道中での発言と言いクズであり、そんな簡単に美化して、許していいの?と思ってしまった。 

クローバーフィールドパラドックス

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WATCHA3.0点

Filmarks3.0点

 うーんなんというか。

 宇宙でパニックになるSFっていうか、舞台が宇宙故にクローズドになってるスプラッターに近いような。

 ジオ・ストームにも感じたが、世界の粋を集めたはずの科学者連中なのに最初の事象が起こってから検討すべきものを全て検討しきってないまま進むからダメ。パラドックスに関してはそもそも出発前に理論的に確認していないのか、してた上で信じてないならそれを匂わす描写をしてほしい。

 あとは単純に1作目の補完とサイドストーリーも入ってるせいで地球パートがいらん。っていうか1作目の前日譚の割には1作目との齟齬も多いし。

 クローバーフィールドは怪獣ものを被害者・民衆視点でのPOVだけでやりきったから面白かったのに、普通のSFチックなことをしたいだけなら名を冠する必要があるのだろうか。

サイコキネシス‐念力-

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WATCHA3.5点

Filmarsk3.4点

 敗れた父の復活と親娘ものとしてはシンプルにいい話だったし、父親が超能力を手に入れてのアクションは楽しかった。

 一方で、「タクシー運転手」や「1987」を見た後だと、韓国社会における正義とはなんなのか、考えてしまう。単純悪の地上げ・財閥はわかりやすいが、その言いなりでしかない警察、補償もないまま再開発で土地の接収を許可している政府、罰されない悪があまりに多く、アクションでやっつけた以上の消化不良が残ってしまう。不法行為が警察サイドも立てこもりサイドもスルーされて1年後に平和です、ちゃんちゃん、だと少し違和感が残る。せっかく小さなメディアが密着していたのだからその映像をヒロイックな人助け以外にも、世論の変わる瞬間のように描くことができるとなお良かったような気もする。

ミュート

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WATCHA3.0点

Filmarks2.9点

 近未来のベルリンで言葉を奪われている青年が恋人を探す、という設定だけならとても面白そうだったのだが…

 近未来なのに悉く喋る前提のシステムが多く、主人公が恋人を探す方法は極めてアナログ。電話番号から電話帳探して家訪ねるとかやってることは最早昭和。そのうえ、探しているパートに敵らしきサイドの話がバンバン飛び出すので話が遅々として進まない。結局今は何をしているのかが非常にわかりにくい。

 喋れないことによる何か、も期待したのがコミュニケーションの齟齬というか、話せばわかることを遅らせる要因にしかなっておらず、最終的には暴力での解決だし、初めて喋る理由がもうがっかりだった。

 全く意味のなかった近未来の描写も正直本家ブレードランナーにドローンが生えた程度で、正直ワクワクさせてくれるものは特に無かった。

ブレッドウィナー/生きのびるために

Breadwinner [DVD] [Import]



WATCHA4.0点

Filmarks4.0点

 本来はネトフリオリジナルではないものなのでここに入れるのは変なのですが、単独記事を今さら書くのもアレですし、此方で。

 イスラム世界の厳しさたるや。ここまでの仕打ちを受けてなお棄教しない、というか教義上できないイスラム教の世界の息苦しさを思うと同時に、それを非難するのが目的の物語では無い事をしっかりと確認したい。

 苦境に立たされてなお生かされる物語・言葉の力、そして文字通り自分の足で歩いていく女性の自立を信じていることが痛切に伝わる作品に。

 女性が男性のふりをする、と言えばディズニーのムーランを思い出したが、こちらの方がよりリアリスティックだ。