抹茶飲んでからマラカス鳴らす

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これまでの戦争映画とは大きく異なる「ダンケルク」感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB) です。

 ずいぶん前に見てたのにサボっててすいませんシリーズ第3弾。そして9/9公開の3作品の第3弾でもありますね。インセプションインターステラーバットマンシリーズ3部作などのクリトファー・ノーラン監督の最新作で初めての実話モノとなります。

 それと同時に、この記事がアップされるころにはネット環境のない片田舎に向かうため、これが2017年最後の投稿となります。全体を俯瞰したものはまたそれはそれで書きたいと思いますが、今年のトップ10のTweetを張っておきますね。

  それでは、ダンケルクの感想です。

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WATCHA4.0点

Filmarks4.2点

(以下ネタバレあり)

 

 1.これまでの戦争映画とは一線を画す演出

 さて、戦争映画といえば「プライベート・ライアン」とか「西部戦線異状なし」などが思い浮かびます。今年で言えば、メル・ギブソン沖縄戦を描いた「ハクソー・リッジ」が素晴らしい作品でした。 

tea-rwb.hatenablog.com

  こうした戦争映画に特徴的なのは、①容赦なき戦場描写②勝利のための執着、といったでした。あまりにリアルなその惨状にに、思わず目を背けてしまうことも…

 今回の「ダンケルク」はそこが全く異なります。全編を陸海空それぞれに分け、主人公と呼べるような人物がそれぞれにはいるものの、全体を通して群像劇であり、戦争を遂行するのは個ではなく、軍であり群なのだということを思い出させてくれます。キャストの2人目はフランス人兵士でした。まじかよ。そして、確実に死がそこにはあるのに、あえて詳細に描写することは避けていました。

 そして、最も大きいのはこの戦いが負け戦だということでしょう。目的はできるだけ多く救う、ということであり対ドイツ軍はヒトラー含めて殆どその描写がありません。描かれるのは戦闘ではなく容赦なく機銃掃射されるイギリス軍の兵士ばかり。沖の軍艦に乗れても、沈没してまた浜へ逆戻り。やったぞ!!となる瞬間は最後の最後にイギリスに帰還した兵士が新聞を読むところぐらいでしょうか。

2.まるでVRのような戦争体験

 それでもこの映画が凄いのは、とてつもない臨場感にあります。自分の知りえない作戦会議の模様などが全く描写されず、陸海空それぞれのパートでの中心人物にフォーカスすることで、観客はリアルに感じます。こうしたカメラの置き方に加え、ノーラン監督お得意の時間のマジックが炸裂しています。陸が1週間。海が1日。空が1時間。これを1本の映画の中で描くのですが、ある1点で彼らが交わり、そして映画が終わると同時にダンケルク撤退作戦が終了します。このマジックでまるで自分たちも撤退作戦に参加していたかのような体感を手にできました。

 また、音響・美術がかなり効果的でした。美術はノーラン監督のCG嫌いというこだわりから実際に戦闘機も飛ばすという気合の入れよう。現在では遜色なくできるとはいえ、やはり実物を用いたゆえの実在感がリアルさを助けます。そしてハンス・ジマーさんの手がけた音響です。砲弾や飛行機の音は実際のものを使っているので現実感があるのは勿論ですが、予告編などでも聞かれる秒針が刻む音が緊迫感を煽って観客を戦争体験に没入させてくれます。

 

 こうした点から、「ダンケルク」はこれまでの戦争映画のイメージを大きく塗り替えた作品となりました。昨年は「この世界の片隅に」が戦争映画として異色ながら喝采の出来だったのが記憶に新しいですが、ハリウッドで「ダンケルク」ができたことで日米ともに戦争映画の立ち位置、描き方が変わってくるかもしれませんね。