どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。
TOHOシネマイレージウィークを利用して、もう1本見てきました。メル・ギブソン監督の実話モノ。ハクソーリッジです。
沖縄戦が舞台の実話戦争モノなのにあまりそこをPRしてないのは大人の事情なのでしょうか…
Filmarks4.4点
WATCHA4.5点
(以下ネタバレ有り)
1.前半
この映画は前後半で大きくパートが分かれます。
前半パートはアメリカでのお話。幼少期のデズモンドの話を経て、太平洋戦争に突入したアメリカでの日常編。たまたま助けた人物の付き添いで来た病院で看護士に一目惚れしてそのまま翌日にはデートに誘って結婚までしちゃう私にはとてもマネできないリア充っぷりを発揮。
その後は陸軍に志願兵として入隊。しかし彼の宗教上の信念から、銃を持つことを拒否し、結局軍法会議に。ここが前半部の山場ですね。ここでは、元軍人の父の助けもあって衛生兵として訓練を受けることが許される…と、前半部では彼の信念の強さが描かれます。妻が銃を撃たなくていい、持つだけでいいの、と説得してもそれでも揺るがない信念の強さはもはや意固地ともいえます。
2.後半
突如画面は切り替わり、沖縄戦の最中、ハクソーリッジと呼ばれる浦添の崖が舞台となります。米軍はこの攻略に苦戦し多くの兵を失っていることが描かれ、デズモンドの隊もついに作戦に参加。軍艦からの攻撃の後、日本兵との戦闘になりますがこれが死闘という言葉が似合う激闘。夜は夜襲を警戒しておちおち眠りにもつけない。夜明けとともに日本軍の総反撃を受け隊は退却。崖を降りてしまう。そんななかデズモンドは1人崖に残り、戦争で人を殺さず人を助けるという信念の下、負傷した兵達を最終的には敵味方問わず助けまくるのである。
とにかくこの戦争描写が容赦ないです。1発目でヘルメットがとれ2発目で頭を射貫かれる、脚が吹っ飛ぶ、腸が飛び出す、と極限までリアルで残酷。食後に鑑賞するのはオススメできません。プライベート・ライアンを見てないので描写を超えてるのかは分かりませんが、映画史に残ると言われても納得でした。
一旦安全になったと思われた夜間のシーンではデズモンドが銃を握らなかった原因が語られます。個人的にここは減点ポイントで、実際の原因は戦争のPTSDからアル中となった父が夫婦喧嘩をし、その仲裁の流れで手に持った銃を父に向けたことが原因でした。前半部で幼少期に兄のハルとの喧嘩の際に、レンガで頭を殴って殺しかけて反省したシーンがありました。これが原因で武器の類いを持つことを拒否していて欲しかったなぁ、というか、そうじゃないなら何のための描写なのかね?と思ってしまいました。
ハルは出征後どうなったか、実話モノ定番のエンドロールでのその後話と当時の映像でも触れられなかったんですが、どうなったんでしょうね。
敵である日本兵はかなり考証がしっかりされていた印象でした。降伏すると見せかけて手投げ弾、ガマに隠れている、銃剣装備の恐らく非軍人、切腹して死す司令官。死を恐れないその様子は確かに恐怖そのものだったと思います。
実際問題、あっこまで上手にいくんかいってフィクションならツッコミを入れたくなるんですが、実話だからお手上げです。事実は小説より奇なりとはよく言ったモノです。
少し調べ物したら、浦添市のサイトが大変勉強になったので合わせて是非ご一読を。あのハクソーリッジという崖は前田高地というそうです。