抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

さよなら銀河の守護者「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3」感想

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 デイヴ・バウティスタゾーイ・サルダナが既に引退を示唆あるいは明言、ジェームズ・ガンはDCの指揮を執ることになり、ポム・クレメンティエフクリス・プラットも起用が噂されるなど、ずーっと続くと思われるMCUで明確な別れをする久々の機会です。

Guardians of the Galaxy Vol. 3: Awesome Mix Vol. 3

WATCHA4.0点

Filmarks3.9点

(以下ネタバレ有)

1.物足りない悪

 今回のヴィランは世界を完璧にしたくて実験しまくるマッドなサイエンティスト、ハイエボリューショナリー。ちょっと重力を操れるようになったとは言っているが、基本は科学者っていうことでそんなにアクションとしてすっごい見せ場は無かった感じがしました。その分ガーディアンズメンバーが各個撃破する感じでしたね。

 劇中では、おそらくは障がいのメタファーが連続。動物たちにくっつけられた車椅子、義手。動物実験になっているからおっそろしく見えるけども、まあ人間だって「モルモット」なんて言葉があるように生体実験はするし、この世界はその対象に主張がなされるというだけ。トイストーリーの世界ならシドは悪、みたいなもん。

 そういう意味ではハイエボのやってることは大きく間違いじゃない。その技術は正しく使えば良い世の中にできる。そう思うと少し水星の魔女のガンドフォーマットに近い印象。だから、科学の否定よりも独裁の否定とかそういう方向に行くように注意深くされていて、最後に配下が裏切るあたりちゃんとしてる。1番ハイエボリューショナリーのクソさが出てたの、アイーシャに対して強く出たいんだけどエリザベスデビッキが長身なもんだからなんかあれ、ちゃんと覚えてないけど台に乗ったか何かで身長合わせてたギャグ、あれが一番良かったですね(あれがアイーシャのピークとか言わない、ソヴリンがすっごい格下げになってたとか言わない)

 そう思うと、いやこいつ小物すぎて本当に物足りない。なんだろう、ハイエボくんの目指してる完璧な存在っていうのが机上の空論すぎてわっかんなかったんですよね。自分の手で生み出されて自分よりは下で、動物から進化させて戦う感情は持たない存在。うーん、無限月読したがってる今年のドラえもんヴィランの方がまだわかる。まあ私が低レベルな存在だから分かんないのかな、ははは。

 実験を繰り返す仮面のマッドな科学者、という感じで言えばやはり思い出さざるを得ないのが『メイドインアビス 深き魂の黎明』に出てきた黎明卿ことボンドルドさん。あいつは非常に邪悪だった。もっとえぐい実験を行う上に、それが完璧な世界なんてものではなく、今目の前にある謎を探求する為だけに全倫理ゲージを取っ払っていて、それでいてそれが正しいと確信している。決して声を荒らげることのない森川智之ボイスがその邪悪さを底上げしてくれる。叫んで逆上するハイエボくんとは格が違いますよ。黎明卿は謎が解けるのであれば自身の死もいとわないだろうし、より高位の存在=アビスそれ自体を認めている。そしてそれを主人公に「わかる」と言わせてしまう。ボンドルドと比べちゃうのは可哀想だが、天下のハリウッドのド主流のマーベル様でこんなもんか、というのは否めなかった。

2.大好きなあいつらアレコレ

 基本的にはガーディアンズの面々が大好きなので、同じ空間を共有できるだけで幸せでした。めっちゃ声張るようになったマンティスもかっこよかったし、しれっとガモーラと連絡とっていて、それでいてもうロケットの改造でそんなんになるの!?レベルでありながら、おそらくそれが有用であると受け入れていたネビュラはクイルとのコンビでいいところを見せてくれた。ロケットは、回想シーンをちゃんと話してガーディアンズと痛みを共有して欲しかった気はするけど、まあ記録を覗き見た時に共有されたことにしておこう。あとコスモ!コスモ超かわいい。吹替で見ればコスモ悠木碧にライラ佐倉綾音なんでしょ?何それちょっと見たい。

 ドラックスは割と有害な男性性そのものなんだけど、それでも彼にひとつのいいところがあってそれを肯定してあげる。完璧にしたいんじゃない、ありのままを否定したんだ(それでも今回の彼は少ししんどかったが)。そしてそれはガモーラにも。あの時のガモーラを求めるのはクイルもファンも同じだけど、それは今ここにいるガモーラをちっとも尊重していなくて、ラヴェジャースにいるガモーラだってガモーラなんだよね、っていう。親の言うことを聞くだけマシーンだったアダムにはやり直しの機会を与える。良かったねウィル・ポールター。デトロイトの警官だってやり直せるんだ(錯乱している文章)。

 あとは、ジェームズ・ガンとしては、結構親子の物語にまだまだこだわっているんだな、っていうのが印象に残りました。GotG2のエゴに始まり、スースク、ピースメイカーも父と子の話でした。父としてのドラックスという点を見せ、血縁ではない親子として、継承者としてのクラグリン、子としてのアダム・ウォーロック、孫としてのスターロード、子どもたちを助ける大人としてのガーディアンズ(別れた後、ソーが子どもを戦わせたのと真逆という皮肉)。

 1の最高のOPが最後に流れるのはズルい。やっぱ2期の最終回に1期のOPは燃えるじゃないですか。そしてちゃんと踊ってダンスで〆るのもズルい。ダンスが世界を救って、そして今度は世界を繋げる。さらにグルートが語彙増えるのはとてつもなくズルい。グルート最高。とか思ってたら、レジェンダリー・スター・ロードは帰ってくる、だと?帰ってくるんだ!?しかもthe legendary star lordってことは、別アースとかでなく、だよね?ほー。

 あと、ものすごく個人的な希望なんですけど、当然のようにハワードザダックいるんですよ。彼、コレクターのところで捕まってたから随分な古参じゃないですか。サノス戦にも参戦していたと聞きます。彼のスペシャルドラマとか作ってあげてほしい…見たい…