抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

だが、情熱はある「AIR/エア」感想

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 Twitterの感想にあげた「暑さは無いが熱さはある」をEDDIEさんに#抹茶語録 として取り上げていただいたので、そのエッセンスを抜群にそのままブログタイトルにしました。たりないふたりのファンやジャニーズのファンにもベンアフ&マット・デイモンコンビが届くことを祈って。

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WATCHA4.0点

Filmarks4.1点

(以下ネタバレ有)

 

1.熱きビジネスマンの戦い

 この映画の感想、という形でブログにまとめようと思ったらなんだったら少し困ってしまう、というのが正直なところ。というのも、流れるようにテンポよく進む案件、ちょっとしたジョークに会話の応酬、気付けば登場人物たちのその後が映され、もう終わったんか?というスピード感。マジで体感30分ぐらいで、いい意味で軽い。これぞ娯楽作!と言うべき作品でありながら、じゃあ空っぽなのかと言えば空っぽとも違う心地よさで名状しがたい。

 まあこういうファーストインプレッションになっちゃうのもバスケに疎いから、というのもあるでしょう。バスケに疎くてもいい作りですが、バスケやシューズに興味がある方が倍加点されそうな気がしますもん、マジで。マイケル・ジョーダンっていう人やエア・ジョーダンというバッシュの凄さっていうのをリアルタイム世代ではないのでカルチャー全体に対しての影響っていうのも体感を測りかねています。佐々木クリスさんやサンキュータツオさんのおかげで、ステファン・カリーの凄まじさは聞いていますが、逆に90年代とかのNBAには疎いどころの騒ぎでは無い。

 そういう意味ではまだ『ドリームプラン』のウィル・スミス的な劇的な変な人がいた方が引っかかりは良かれ悪かれあるよね、というか。幼き頃の野球用具でも高橋由伸モデル!とか清原和博モデル!とかがあった気もしますがその源流ってことでしょう。やっぱ完全に後発組。1984年生まれてないし。

 んで、ジョーダンのお母さん(ヴィオラ・デイヴィスの説得力!)、代理人という攻略対象、ナイキ社内の人間含めて全員が極めて優秀で誰もポカをしたりしないで話が進むことがこんなに心地よいかね?と本当に軽快。役員会の面々が納得しないぞ!とか言って脅しているけど役員会は出て来ないのでそこの説得はベンアフがゴーサイン出したら即ゴーになってるなど、これはもう完全に監督及び脚本の勝利。その上で、電話からの社内湧き上がりという鉄板だけどサイコーの盛り上がり演出をされてしまってはもう大満足ですよ、ええ。マット・でっぷり・デイモンもベンアフも過去のナイキを起業した時のことを思い出しながらだけど、それは勝負師の勘でそうすべき時だと思っているからで有害な郷愁とかじゃないから嫌味もない。っていうか、そもそもエンディングが成功なのが分かっていてこんだけ熱くなるのはすごい。ベンアフ、『アルゴ』も救出作戦が成功するの分かってて面白かったしすごい!

 というか!ベンアフの息子さんが現在の世界のストップモーションアニメをけん引するスタジオライカトラヴィス・ナイトだからちょっとでも出てくるかと期待してたけど出て来なかった!ベンアフ家帰れ!!いや、帰ったところを映さなかったからビジネスマン映画としてかっこよかったことを分かった上で言っているけども!

2.日本でやるなら…

 割とマジで日本でこういう映画を作ろうとすると今は池井戸潤型というか、日曜劇場型の必要以上に見せ場がうるさいタイプの作品になる印象があるんですよね、あと架空。あとはスポーツ描写がとにかくへたくそ、というか実際のスポーツですら撮影やスイッチングはヘタクソな人たちが担っている印象なので、例えば三浦知良物語をやるよりも今回のAirのように周囲の人から見た感じでやっていくのが良いと思う。

 エンドロールでマイケル・ジョーダンの達成した色々を見ていくとやはり選手としても偉大である以上に、その在り方が大きな影響を与えたような選手がふさわしいな、と思っていてどうしても浮かんだスポーツ選手が一人います。落合博満。日本の球史で最も優れた右打者であり、3度の三冠王を獲得と選手的な実績は申し分ないうえに、トレードやFAといったストーブリーグ、そして何より王貞治がなし得なかった偉業年俸1億円突破。日本のプロ野球の青天井を明確に突き破った彼のビジネスサイドの物語は、うまく作ればとてもスリリングになるのではなかろうか。視点として夫人やご子息が非常に著名なのもポイントが高い。