抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

レジェ=ジーン・ページ「ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り」感想

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 今回はIMAXでの試写です!初めていく映画館、数年ぶりのニコタマだったので空き時間でお洒落カフェでプロジェクト・ヘイルメアリー読んだりしてなんかいい気分の一日でした。

 取り敢えずレジェ=ジーン・ページの名前を覚えたいです。お、サンドマンに出てる。グレイマンにも出てる。

Dungeons & Dragons: Honor Among Thieves: The Junior Novelization (Dungeons & Dragons: Honor Among Thieves) (English Edition)

WATCHA4.0点

Filmarks3.8点

(以下ネタバレ有)

1.ドラクエもFFもここから始まった

 本作は最古のテーブルトークロールプレイングゲーム(=TRPG)のダンジョンズ&ドラゴンズの映画化。ダンジョンズ&ドラゴンズがなんなの!?という人は、昨日のTBSラジオ「アフター6ジャンクション」の特集コーナーを聴いていただくとして。

 テーブルを囲んで、各々がサイコロを振ったりしながら独自の選択をしていくことで毎回違ったストーリーになるのが面白いところで、それをゲームマスターが進めていく訳です。そのゲームマスターを人じゃなくてコンピュータに投げたのがテレビゲームのRPGだよね、なんて話もアト6の特集で述べられておりました。まあその辺の国産RPG通って無いんですけどね!

 そう、これって映画に超絶向いていない。だって、映画は何度見たって結末は全く変わらないし(これってTHE FIRST SLAMDUNKの時に映画っていうメディアは本物に勝てないのでは論をしましたな)、参加者が与えられた役割を演じる、という面白さもはく奪されてしまう。約束された失敗企画…に見えるじゃないですか。これちゃんと面白いんですよ、マジで。

 内容としては、湿っぽさを無くしたGotGですか、あとポップミュージックも無いですが。初手が脱獄ですからね、そりゃダメ人間ですよ、クリス・パインミシェル・ロドリゲスも。騙されて捕まったんですよ、っていってるけどいや盗賊ではあるから!っていう。そこからかつての盗賊仲間の魔法使いサイモン、何にでも変身できちゃうドルイドのドリックが加入。我らがFC東京の絶対的聖人、ディエゴ・オリヴェイラにしか見えなかったゼンクというキャラも途中パーティに一旦加入してダンジョンの攻略をしたりしながら、大きな流れとしてはかつての仲間フォージと魔法使いソフィーナから、エドガンの娘キーラを奪い返すぞ!っていう話になる。シンプルに戦えない吟遊詩人のクリス・パイン(でも失敗のチャンピオンのところは良かったぞ!)、女戦士でかっこいいとこしかないミシェル・ロドリゲス、クソ野郎が板につきまくっているヒュー・グラントといったキャラクターが非常に際立って魅力的。女戦士らしさしかない、みたいな表現って本来はもう良くないなぁとか思うんですが、ロールプレイングをさせるという点でいえばはまり役として最高だと思うんですね。

 さて本編、もうねこの世界の色んなところに旅して旅してで、ド頭の脱獄は極地だし、そこからコロッセオ的な街だったり、ホビット感のある家が出てきたり、墓場で死体に質問したり、地下のダンジョンに潜って、メイズランナー的闘技場からのラストバトルとそりゃあもうてんこもり。これが普通のファンタジーならちょっと散漫に思えるところもあるのですが、元がTRPGだと思うとある程度フラフラしたり、次から次に飽きさせない仕掛けがある、っていうのはむしろ原作に忠実に作ろうという意識を感じるというか。監督は、ジョン・フランシス・デイリーとジョナサン・ゴールドスタインというコンビなんですが、彼らの前作『ゲームナイト』もボードゲームを用いた非常にコミカルながらゲームへの愛を感じる作品でして、多分この両名はTRPGがすっごく好きなんだと思います。欲を言えば、もうちょっとアクションの撮り方が上手いといいなぁとは思いますが、私はそこまでアクション映画の見方が分からないのでそんなに気にしてません。っていうか、ミシェル・ロドリゲスの首斬られ前アクションとかすっごいかっこよかったし。飛びつきであんなに説得力あるの凄すぎっしょ。

 あとまあとにかくこの作品に対して褒めたいのは衣装とかそういう部分。そもそもハリー・ポッターが成功してから死ぬほど作られて死ぬほどコケて来たハイファンタジー映画っていう文脈で言えば久々に凄くいい作品。ハイファンタジーって時代劇と同じで、衣装からヘアスタイリングから建築物含めた美術からなにからぜーんぶ世界を作らなきゃいけないからクッソ面倒な訳ですよ。キャメロンが大金かけてアバターを作ってますが、ある種大金をかけれるキャメロンだから作れるわけで。CGの発展で(かつてよよりは)作りやすくなったとはいえ、やはりしんどいなかでデブドラゴンや墓場のガイコツ、迷路でのモンスターとか、TRPGにも大きな影響を与えているだろうクトゥルフ的なポイントにも非常に敬意を払ったモンスター造形や、種族によって異なる衣装デザイン、そういうのには素直に拍手を送りたい。