抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

令和の水戸黄門「転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編」感想

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 えー今回は転スラです。3期も決まりましたが、2期が分割2クールだったから予習で3期見た気分だわコノヤロー。転スラ日記?手が回っているわけがないでしょうが!!

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WATCHA4.0点

Filmarks3.8

(以下ネタバレ有)

 

1.御存知!リルム・テンペスト

 さて、転スラの劇場版な訳ですが劇場版と言ってもアニメオリジナルの話をするタイプの方、ということで本筋に影響は無い。っていうか、異世界転生系全般に言えることですが、本筋っていう概念は結構存在しないのかな、っていうのが印象で、たまに叙事詩的なものはありますが、基本的には小さいエピソードを重ねていく感じのイメージ。その中で、主人公の絶対的な強者感が特に顕著なのが転スラで、映画開始時点でアニメ2期までを終え既に魔王になっているリムルは、はっきり苦戦するところがありません。

 それを作る側も分かっているので、話としては完全に同じタイプと言える水戸黄門型を採用しています。とりあえず今回の舞台を見せる、そこでなにかが起こる、それをリムルが解決する、リムル様すごーい、の流れ。ラージャ小亜国なる国とそこでの因縁の為にベニマルたちのかつての仲間の生き残りをだしつつ、この人たちが悪い人たちじゃない説明の為に、ヒイロを襲うのはアニメ2期での悪役ポジション。敵の敵は味方方式でヒイロをいいやつにしつつ、福本莉子の存在そのままの幸薄系なcvで姫の聖性を担保。見事なまでにふつーといってしまえばそれまでのお話ではありますが、水戸黄門方式にすると、主人公は苦戦しているんじゃなくて考えているだけ、が出来たり、敵が小物すぎても介入する相手が弱ければそれを蹂躙する形での解決っていうパターンで許されるという強さがあり、これが転スラの持ち味と完全に一致した訳ですね。加えて、劇場版になったんだ、ということでオールスター的に全員にある程度の見せ場も準備しつつ、例えばゲルドの戦闘はヒイロとの場面にすることで無理は出さない。いやほんと、欲張りすぎずに実にいい塩梅に仕立てたものね、と感服します。もうさ、汚染の理由とか現実の公害関係への言及とかさ、そういうのは期待していないからあっさり浄化しました!で終わっても文句ないんだよね。アニメから続けてやっている世界観提示が上手くいってるってことだと思います。最後生き返ったのも多少アレな気もしますが、ああいう下々の者の心の動きが黄門様に良かったね、と言わしめるのですよ。どうせ身体的にはリルムに勝てないんだから精神的に少し強ければそれでええのです。しかしあれだな、途中で髪色変わるキャラ、好きなのかもしれん…。

2.わかっているから絵を頑張る

 話がどうしても一本筋というか、絶対にリムルが勝つと分かっている以上、どうしてもそこの推進力が少なくなってしまう訳ですが、度重なるリムル様すごーいを成立させるためも含めて、そこをアニメーションでカバーしよう!っていう気合を感じましたね。もとより、江畑諒真が第1期の総作画監督とキャラデザを兼ねていたりと、まあ江畑さんですからね、間違いない訳です(過激なヤマノススメ信者の言い分)。江畑さんは今回は原画にいたかな、ちょっとクレジットの時に目がシバシバしたんでわかんなかったですけど、多分いない。それでも動かしやすい、戻しやすいキャラデザにしてあるからでしょう、ベニマルとヒイロの一騎打ちもそうですけど、冒頭のゴブ太がハクロウに修行を付けてもらっているところとか、トロッコをおいかけるランガ&リムルとか、嘘をついていないかと脅すときに大きくなるランガとか、カメラを動かしたり、キャラをあえて大きく動かしたり、アニメ的な嘘をついたりと、色んな手法で飽きないように画面を盛り上げてくれていたように感じました。これが一定水準以下だとうるさい、になってしまいますが、全体の統制が良く取れていたのではないでしょうか。動画を飛ばしてるのかな、っていうのはありましたが個人的には気にならないっていうか、この作品においてはセーフかなっていう。