どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。
W杯を見ているとすっかりブログの更新を忘れてしまっていまして急に連日です。てへ。10月に見た過去作の記録。21本見てますね。
コロンバス
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
構図!フィックスで2人が話してるだけの視点!っていう感じでわっかりやすく凄いと言いやすい作品。
対称ではないけれどバランスが取れている、と評されるモダニズム建築同様に人々の関係性が対称に置かれてはいるんだけど少し違ってる。それが良いというか、心地が良い。ずーっと建築を題材にしながら、街を出る出ないの話や親子関係の小さめな話をずーっとしてるんだけど聞いてられる。建築や美術は好きだが、モダンアートやモダニズムには本当に興味が無く、古い方が好きなのにね。
夜とケイゴカー
WATCHA3.0点
Filmarks3.0点
2013年の自主映画的な枠にこんな作品があったとは思わなかった。これは埼玉版ドッグマンと言って良いのではないか。どうしようもない男と彼に言われるがままの男。この2人ののび太とジャイアン的なロードムービーに見えて、このジャイアンが全く勝てない存在が出てきてしまうこともドッグマンを彷彿とさせる。
はっきりメタになってしまう後半は悪手だったとは思うが、この関係性を膨らませていければもっと花開いたはずだ
また一緒に寝ようね
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
蝙蝠が見えると言って仕事を辞めた男と高校の頃から社会人になった今でも好きでいてくれる男。どっちも変な男だけど、そのどっちにもゆるーく繋がってる感じの南。
蝙蝠が見えるという強迫性の観念と、高校時代のことを気持ち悪いぐらい覚えてる記憶と、どっちのファンタジーの中で生きていくかを選ばされる話とでも言おうか。編集のテンポとか、なんかこう心に重めにきますね。
ガラスの城の約束
WATCHA3.5点
Filmarks3.4点
家族is地獄!の典型というか、いや本当に見ていられない辛さだった。
ろくに働く様子も見せず酒浸りの父、絵を描くばかりの母。ネグレクトというか、洗脳というか、虐待というか。そこから逃げ出したのにまだへばりついてきて、正面切って反論されて凹んだ挙句に死にそうになったら構って!と言わんばかりに無口になってみる。
実話だからこそ、こういう描き方で肯定しちゃう感じがしてなぁ…。それでも大事な父だと言われればそうなんだけど。でもプールに投げ込んで溺れさすような連鎖を断ち切ったり、ガラスの城を作りたいなら勝手に作れ!子どもたちは巻き込むな、とするのが社会の責任じゃあないかと思うのです。
東海道四谷怪談
WATCHA3.5点
Filmarks3.7点
古典のうちの古典、お岩さんの怖い話。
怪談というと、なんだか語り継ぐイメージがあって勝手に回想形式かと思ってたがそんなことはなく現在進行形の時代劇。よく考えたら歌舞伎も落語もストレートプレイだし当たり前だ。
江戸時代に鶴屋南北が書いたはずだが、すでに男女間における身分差や有害な男性性に少し論評されているような感触もある(最も、これはあるあるとして消費されているとも言えるか)。
ちゃんと最後は怖い。
ゲームチェンジャー:スポーツ栄養学の真実
WATCHA2.5点
Filmarks2.5点
オシムの言葉を思い出す。なんだっけ、草食動物はライオンに追いかけられるときに準備運動するか?みたいな。
最近のアスリートでは、菜食主義者が増えてるよーという導入。最初は納得できるタイプ、たしかにタンパク質を肉から取らねばならない道理はない…と思っていたのだが。
中盤以降アスリートの話題がどんどん減っていき、菜食主義こそ全て、地球環境を救う、動物食品の会社は学者を支援して論文を書かせてる、みたいな陰謀論にまでなっていってしまった。その理論、まんまこの映画に当てはめることも可能だぞ、というロジック。結論からドキュメンタリーを組み立ててるタイプで、好きではない。まとめのシュワの言葉はちゃんと正しいだけに。
何より、スポーツの話なので順位ではなくパフォーマンスの数値で向上することを示してほしかった。
この映画を見ただけで「明日からビーガンになる!」というのは安直と言わざるを得ない。
GOAL!STEP1 イングランド・プレミアリーグの誓い
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
アメリカの不法移民の息子がなんかひょんなことからプレミアリーグのニューカッスルに加入。リザーブリーグから終盤にはプレミアの舞台に!という夢物語。いやー夢がある。夢しかない。現実はない。アメリカにマグパイプズを流すBarも無ければ、突然プレミアに呼ばれるのも無いだろう。もっと若くないとね笑
とはいえ、ちゃんとスター選手や実際の試合映像を使っててサッカー的には悪くない。シアラーにカーのいるニューカッスル!懐かしい!むしろスポーツ成り上がりものとして普遍すぎるか。
ただまあ、やっぱ今からすると古いよねぇ。凄いと言われてる男の移籍金が800万ポンド、現在のプレミアリーグで言えば端金だ。最近のニューカッスルの獲得選手、イサクは6000万ポンド。
タイヨウのうた
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
紫外線がダメなので夜しか出歩けない、という女の子の難病×歌映画。忠実なまでに基本に添いつつ、病に対して今を生きる決意、聞かせずとっておいた曲を最後にドーン!とやってみせるのは嫌いじゃ無いよ。
主演がやっぱりYUIなので演技面は気になるが、あまり喋らせない、輝くように歌わせる、演技がうますぎる人を並べない、という見事な方程式で気にならないように出来ていた。まさに、アイドル映画として良い。
あとあれですね、世界が狭い時代だなーって思いますよね。2万出してCD焼いて、それを送りつけて。今ならネットに出しちゃえ、で終わりだもんな。でもこの映画の場合、その狭さがいいな、って。
ROOM237
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
スタンリー・キューブリックの名作、『シャイニング』に一体どういう風に込められた意味があるのだろう?
ナチス、先住民、アポロ11号の月面着陸偽装、ミノタウロス…。トンデモですらある感想を次々歴戦の猛者たちが繰り出してくる。こんなに色んな見方を出来る!と感心してもいいが、実態としては松本人志ロシアのスパイ説by水曜日のダウンタウン、みたいなことで言いたいことが決まっててそれに引きつけるように情報を集めるとなんでも言えちゃうよ?っていう啓蒙だと思った。それにしても映画としてもう少し整理して欲しいが。
カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇
WATCHA4.0点
Filmarks4.1点
田舎に引っ越してきてアルパカを飼ってる一家。
だがある晩庭に降ってきた隕石、そこから全てが狂う。
どんどん異形のものが出てくるが、イメージとしては遊星に近いクリーチャー。色の気持ち悪さを含めて、不気味で不条理だと言う演出がちゃんとしてるので普通に怖いクトゥルフとして十全に機能している。
わが命尽きるとも
WATCHA4.0点
Filmarks3.9点
トマス・モアの伝記映画。歴史オタ(なお世界史は弱い)の私が常に憂鬱な気分になるのがイギリスの歴史なのだが、またしてもこのブリカスが!と思わざるを得ない。ほんとクロムウェルとロベスピエールはな…
国王の覚えめでたく出世していったトマス・モアだが、そもそも兄の未亡人と結婚しておいてやっぱこっちの人の方がええ!とか言い出す国王。カトリックで離婚は認められず、その結果イギリスはローマに反旗を翻して国教会を作った。
カトリックだった彼はその信義を曲げずに反逆罪に問われて処刑されるわけだが、科学という違う宗教を信じて処刑されたガリレオと違い、信じていたものは国と同じだったのに国の方が変節した上に、周りもそれにおもねってしまったという悲劇なのだ。
家族の言うように、形だけでも結婚に同意しちゃえよ、死なんでも。なんて思ってまうのはまあわかるが、私も割と理想主義的な人間なのでね、うーん正義に殉じるのは嫌いじゃない。あの頃だし。
国と神、どっちが偉いかなんて人によるさ。
河童のクゥと夏休み
WATCHA3.0点
Filmarks3.2点
江戸時代の地震で地層に囚われた河童が現代に蘇る。ドラえもんと恐竜的なアプローチで一家に河童のいる夏休みを描くのだが、ほんわかした家族ストーリーではなく、人間の他者に対する害悪さばかりが目立つ。白熱する取材、河童菌とか言い出す小学生(実際江戸時代の疫病の保菌者かもしれん、とは思った)、会社のしがらみ。現代社会の歪みを描くために異物は江戸時代からやってきたのだろう。
その試み自体は賛同できるが、流石に140分は詰め込みすぎ。遠野のとこを削って、ラストをもっとシャープにすれば100分で行けるはずだ。そうしたらクレヨンしんちゃんになってしまう、という文句も分かるのだが、だとしたら140分見せられるキャラデザを考え直してからやってきてくれ。カタツムリをああやって食うシーンがあるなら、もっと可愛くてもギョッとできる。キャラデザで可愛くすることは、ルッキズムかもしれないが画面に興味を持たせる重要な要素だ。特にこうした滅入るタイプの教訓話にする時は。
沈黙-サイレンス-
WATCHA4.0点
Filmarks3.9点
遠藤周作の原作を軸にヘンテコ日本が排除され、キリスト教弾圧下での宣教師、そして神を糺す。いわゆる神の沈黙を扱った作品ではあるのだが、序盤は割と白人が未開の地に乗り込んで啓蒙してみた!みたいなノリで進んでいき、段々コイツらやばいんじゃね?という食人族ジャンルのような不穏さを漂わせる。そこにきて心を、信仰を折りにくるっていう、これ欧米の人見たら日本を嫌いになっておかしくないが、しかしスコセッシはかなりフェアに描いたと思う。日本人からしたら、ジャッジ出来ないし。いやー宗教は難しい。
気付けば、やってることは共同体幻想を信じて散っていった男たちの物語であり、それってスコセッシいつものやーつなのだが、そう思うとラストカット、あれは持ってない方が好き。
ロスト・ボディ
WATCHA4.0点
Filmarks3.8点
死体が消えました!
殺したはずの妻の遺体が安置所から消え、誰かから脅されている。まさか、まだ死んでない…?
遺体安置所からあまり動かないタイプの話なのだが、よく出来てはいる。こうかな?こうかな?と思った予想より低いとこで結末を迎えそう、これなら嫌だな、と思ったとこからもっかいひっくり返してくれたので満足。
グーニーズ
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
宝の地図をみつけました!借金返済の為にお宝ゲットだぜ、と悪者一家が絡むひと夏の冒険譚。
行き当たりばったりとメカの感じがホームアローンだなーと思ったらクリス・コロンバス脚本だった。
子どもの時に見たら楽しいよねってだけでした。大人しっかりしろ
THE WAVE ザ・ウェイブ
WATCHA4.0点
Filmarks4.2点
雑なディザスタームービーかなーと思ってたけど、ちゃんと見せ場てんこ盛りで家族離散からの集合で盛り上げてくれる、勘所を押さえた非常に優秀な80点映画。フィヨルドに岩盤崩落が起きると津波になる、という学び、実に迅速な避難でも悲劇を避けられないかもしれないという現実。
人を助ける意思がある人が報われてほしいけど、そうもいかないリアル。
その女諜報員 アレックス
WATCHA3.5点
Filmarks3.3点
ルメートルの『その女アレックス』の映画化だと思ってたけど、関係ないやんけ!オルガ・キュリレンコ大好き映画やんけ!オルガ・キュリレンコは綺麗だったけども!
全部手のひらの上だったのだサスペンスアクション。クソみたいな男たちをやっつける女性連帯映画としての側面、女性アクションでしっかり動けてること、悪役モーガン・フリーマン、絶妙にうまくいきそうで行ってない感じがある。緊張感とテンポはあるんですけどね
ターミネーター4
WATCHA3.0点
Filmarks3.1点
溶鉱炉、アイルビーバック!みたいなターミネーター先達たちへのオマージュは捧げつつも、これってターミネーター…?と思ってしまったのが正直なところ。
機械と人間の戦いを描くならば、こうなるのもわかるし、今回の主人公の造形や背景なんかも4まで来たらこういうことやるよね、分かるの連打なんだけど気持ちよくねえ。ごちゃごちゃしてるのと、ヒロイックさが足りないのか。んー。普通のSFに近くなってる気がする…とらんすふぉーま…
傷だらけの悪魔
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
もっと超越したところへ。がめちゃんこ面白かったので監督の過去作を。
東京から栃木に転校になってバッドバイブスな足立梨花。転校先には東京でいじめていた(どうやら手は下してないようだが)相手がおり、それをバラされて逆に虐められることに。
調子乗ってるいじめそうな悪い女役として足立梨花が非常に適切な温度感で、割とポップにいじめを描いてる感じだけどそこに嫌味はなく、リベンジムービーになっていく過程はちょい急だけども定番を踏んではいる。
お前も悪いやん、というのが出過ぎてしまってどうしても素直に快哉を叫ぶパターンでは無いので溜飲を下げるタイプじゃない。でももっ超で良かったとこはそのまま出てるので題材が合えばキラーパスになる、ということは良くわかった。
怖さを持ってる役なので、江野沢さんにもうちっと上手いことやって欲しかった
マディソン郡の橋
WATCHA3.0点
Filmarks3.2点
お母さん死んじゃったよ、から始まる知られざる母の顔。彼女がしていた密かな浮気の記録を読み進める子ども2人。
母には母の顔でいてほしいという息子のマザコンというか、家父長感に嫌気はさすが、それは彼が変化する役回りだから。
結果的に、メリル・ストリープだって落とせる俺すげえ感をイーストウッドから感じてしまった。おじいちゃんにしか既に見えんて。運び屋ぐらいまで行けば、このクソジジイが、と笑えるが色恋メインだとちょいひっかかる。不倫ではあるものの、妻から女性に戻れた数日の日々への決着の付け方としては嫌いではない。
シークレット ウィンドウ
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
俺の小説をパクったな!と小説家に突如つけられた因縁。そのトラブルだけなら良かったが、小説家の周りで不審な出来事が起きていく。
日本でもそういうきっかけで大事件が起きているし、主人公はどうやら盗作の過去があるらしく疑わしき目で見られるように作っている。まあそれは手品でいうフォーシングというか、視線を誘導されてるだけなんだが、まあ大きなネタの前フリが分かりやすいのでそこは誤魔化せてない。ただ、作ってる側もそれは分かってる感じでどう落とすかの後味、切れ味でやってる感もある。