抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

睡眠は大切「ONE PIECE FILM RED」感想

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 今!なう!やってる!見てください!!

 

♪シン時代は~の東映映画なので、これもシン・ジャパン・ヒーローユニバースってことでいいんじゃないですか。知らんけど。

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WATCHA3.0点

Filmarks3.2点

(以下ネタバレ有)

1.ほぼ音楽映画。ということは…?

 本作の感想で、オリジナルキャラのウタcv.名塚佳織&Adoに触れるな、というのが無茶というものでしょう。ウタウタの実の能力者にして、シャンクスの「娘」、ウタ世界に人々を導く彼女の歌声は、いやはや大したもの(誰目線)。幼少期の歌と現在の歌、そして最終局面、悪堕ち?とでもいう時の歌で声色がコントロールされているように感じて、それは本当に見事。流行りの人だからでしょ?みたいな目線は一切不要な、実力の伴った起用でしょう!

 一方で、その彼女の歌声を見事に表現させるために彼女の歌うシーンが非常に多い。6.7曲ありましたね。それだけ歌唱シーンがあるっていうことは、実質音楽映画あるいはミュージカル映画でもあるというか、いやどっちかっていうとフィルムライブ的な側面があるっていう。それって私にとっては、得意では無い側面が強いっていうことで…。実際、最初の30分ぐらいは殆ど話が動いてなかったと記憶していますし、実際ルフィたちは映画が始まってから1歩も動いていないですし。その30分のうちに、山田さん及び霜降り明星演じる雑魚海賊があっさりなんかやられてたり、起きてる事象がおかしいので、洗脳とか、そういうパターンなんだろうな、と思わせてやっぱりその通りっていう。そこに意外性はなかったです、はい。実際、ウタの能力って結局ちゃんと説明しきれてないというか、すっごい恣意的な運用をしているのでいちいち疑問が残る。一番感動させたい、彼女がシャンクスの腕の中で最後の歌を歌っている時。いやだって、声聞いたらウタ世界になっちゃうって話だったじゃないですか。赤髪海賊団みんな神妙に聞いてたけど、お前らそれで寝る前に死なれたら今回の話は全部無意味!!みたいなのが気になりすぎる。藤虎さんは目が見えないのにヘッドホンして戦ってるし、黄猿は光速なら音より早く動けるのでは??みたいなこと思ったし。

 で、そういう能力ってなるとどうやって抜け出すかが問題なんですけど、うーんイマイチ分かりづらいし、トッド・ムジカが召喚(この言い方があってるかよう分からん)されたうえで、その魔王をウタ世界の中と外で同時に攻撃しないとダメっていうルールの提示が雑。そしてその見せ方もあんまりうまくないような。ウソップとヤソップの親子で見聞色!っていうのはまあ定番ルートだけど面白い!ってなったけど、それどまりかな、と。キャラを出しすぎて個性を交通整理できていなかった気もします。ただ、これに関しては、黄猿が運昇さんの後継者決まってるの!?ビッグマムの子ども知らねぇ!!杉田智和!!バリアーの人森久保さんじゃん!え、カリファ!?CPじゃん!みたいな原作どころか、ストロングワールド以降の尾田栄一郎監修映画を一本も見ずにのこのこやってきた私が悪いです、基本的に全部事前に分かっていることでした…。

 

新時代

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2.新時代とワンピースの親和性

 さて、テーマとしては非常に難しいな、と思ってしまったのが本作。キーワードは間違いなく「新時代」でしょう。冒頭に繰り返されるしつこいぐらいの海賊dis。ウタも悲しい勘違いでの海賊嫌い(でもこれに関してはシャンクスが時々様子見に来ないほうが悪い)も相まって、海軍もクソだが海賊はもっとクソっていう暴力・戦争の先の時代へ、っていうまあよくあるディストピアの導入ではある。あるんだけど、これがどうしたって決定的にワンピースっていう題材と相性が悪い。だって、悪い海賊がいるけど、ルフィたちは良い海賊なのは担保されちゃっていて、シャンクスに関しても揺さぶったけど、でもどうせ、みたいなところはある。逆に海軍も基本悪いに振っていて、コビーみたいな良い奴もいるっていう、ある意味では凄く正しい世界の捉え方をしている。つまり、新時代の前提の旧時代がもう成立していないというか。ルフィがいる時点でもう新時代だし、結果的にじゃあこの映画として戦争に対するカウンターとしての歌、文化、みたいな方向に行ったわけじゃなくて、より巨悪が出てきただけで何にも解決してないし、っていう。

 谷口悟朗の結論:好きなことでも思い込むな、寝ろ。