抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

ゆるキャン△空間の創出「映画 ゆるキャン△」感想

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 今回はゆるキャン△の感想!待ってました!!なお、正式タイトルは『ゆるキャン△』らしい。映画、とか劇場版、とかつかないらしい。でも訳わかんなくなるので「映画」を便宜上つけました。

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WATCHA4.5点

Filmarks4.3点

(以下ネタバレ有)

1.帰ってきた!ゆるキャン△…?

 ついに帰ってきたゆるキャン△!女子高生たちが楽しくキャンプするのを見れる…と思ったら作品の中身は、ヤマノススメであり、鉄腕DASHであり、どうでしょうの家作りますでもある。うそやで、あっちがう、ほんとやで。

 本作の舞台はアニメから10年ぐらいは経っているだろう頃合い。名古屋で出版社のシマリン、東京の昭島でアウトドアショップのなでしこ、横浜でトリマーの恵那、Uターンでグビねえな千明に小学校教師のイヌ子。大人になって可処分所得は増え、車を買って、バイクも良くなって、彼女たちの世界は広がった。でもその分時間は合わなくなって。松ぼっくりはコンニチハ!しないんです。誰もが期待したコンニチハ!が無くて、ああ、リンちゃんは大人になっちゃったのかな、なんて思う。

 そんな折の千明のトリックスター性によって始まったキャンプ場作り。そりゃ、そもそも5人で無理やろ、みたいな敷地感、遺跡が出てからの絶望はともかく、遺跡調査はなでしこたちがやることじゃないような雰囲気、美大に行ってるからってチビイヌ子にギャラ払ったよね??っていうか運営とか地域任せ感が…みたいなのは無限に感じる。
だけど、重機を運転できちゃうなでしことか、キャンプに関心のある人、好きな人にその場所を提供してあげられる側になるっていう話自体は凄い好き。学校の閉校話は田舎の閉塞感と合わせて、場所の提供っていうテーマにも繋がってていい(勿論アニメ版からの脱却的な意味もある)。年をとったことを1番感じさせるのが犬のちくわだとは思わなかったなぁ。ちょっと泣いた。でも、自分のペースでいいの。ちくわも。そうなの。そして5人が集まれば、松ぼっくりはコンニチハ!してくれる。ああ嬉しい。

 あと富士山が見えれば楽しい!見えない天気だと辛い!の基本的な絵の作り方も分かりやすい。

2.ゆるキャン△的空間

 ゆるキャン△っていう作品の何が素晴らしいのか。何がただのきらら作品と違うのか。それではゆるキャン△の感想を振り返ってみましょう。

tea-rwb.hatenablog.com

 なんと、ヴァイオレットと同等あるいはそれ以上の評価をしている放送当時。まあここで書いているように、ゆるキャン△の大事さって、寛容性と肯定なんですよね。広く「好き」を共有している人が集まることは歓迎するんだけど、でも集まることを強要しない。互いを尊重して、でも仲間だよね、っていう緩い紐帯でしっかり繋がっている。多分、恵那ちゃんは野クルに卒業するまで入ってないと思うんだよね。でも友達。

 これがこの映画でもしっかり通底しているから嬉しい。みんなみんなが無理して毎回集合せず、最初の集合は恵那ちゃんがいないし、毎回の作業にも全然全員そろってなくても気にしない。

 リンのソロを否定しなかったアニメ版同様に、エンドロールの年越しキャンプはテントがバラバラだし、そもそもオープンキャンプも各務原家と志摩家は別々に楽しんでる。ソロも家族も子どもも犬も遺跡もっていうお題目だけじゃなく、実現できてるのが本当に良い。好きを押し付けてるんじゃなくて、ちょっと好きの背中を押してあげたり、好きって言える場所を作ってあげる。キャンプをする話じゃなく、キャンプ場を作る話だったけど、ゆるキャン△的なテーマとしては凄く正しい、というか解釈が一致している!!と感じました。

 あと飯ね。ゆるキャン△のアニメと言えばメシ!!最初のホットコーヒーからの蟹鍋、サーモン祭り、山でのカップ麺、談合坂、やっぱ美味そうなのが1番。

 それはそれとして、間を埋めるだけで無限にキャンプしてて良いのでまた3期"キャンプ"やろうね、リンちゃん!