抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

アンダードッグのオンステージその2「SING/シング:ネクストステージ」ブログ

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 今回はTOHOでの試写会に当たったので見てきたSING2の感想です。会場が女性ばっかりだったので、そうかTOHOの野郎、そういう選別してやがったな、そういえば最近独占禁止法がどうとか聞いたな…と勝手に思ってましたが、多分フツーにジェシーさんが吹替で出演していたから女性の応募者が多かっただけだと思います。TOHOさんすいませんでした。

Sing 2 Original Motion Picture Soundtrack

WATCHA2.0点

Filmarks2.0点

(以下ネタバレ有)

1.絢爛豪華キャストによる最大のショウ

 前作に続き、吹替キャストは豪華絢爛。コアラの支配人バスター・ムーンは内村光良ハリネズミ長澤まさみで、陽気な豚がトレエン斉藤さん、主婦の豚が坂本真綾で、ピアノゴリラがスキマの大橋さん、あと象がMISIA。更にそこに加えて社長娘がアイナ・ジ・エンドで、ストリートダンサーが本当にダンサー・振付師のakaneさん、あと役が違うけど木村昴とか山寺宏一も続投。

 まあこんだけいますからね、そりゃ豪華です。みーんな(akaneさんは違うか)歌いますからね。声優さんから歌のうまい方を選んできているのではなく、歌が上手い方に声優をお願いしている、っていうキャスティングなので当然歌唱シーンは素晴らしい。喋る方はまあ人によりけりですが、大きな破綻は感じなかったかな。アイナさんは独特のハスキーな声で、演技もそんな感じですけど、キャラがそんなんで問題ないって感じの人なんでオーケー。

 問題はスーパーゲストのB'zの稲葉さんですね。彼の役は、妻の死後15年も引きこもってたかつてのスターロック歌手、っていう役なので実際にそういう人を持ってきたと。本国でもU2のボノさんが初演技でやってるらしいんで、チョイスとしては納得。まあでも、予告編で感じたその通りです笑。正直U2も良く知らないし、B'zもいわゆるガッツリの世代ではないというか、ウルトラソウルですっかりキャラ化された存在ぐらいの認識なので、無批判で!とはいかないかなぁ、ぐらいの感じ。ただ、普通の声優さんなら絶対アドリブ入れるところ(頷いたりするシーンなど)なんかで音を出してないし、結構セリフは少ないので、音響監督(三間さんだっけ?)も分かってて意図的にしゃべらせてないんだと思います。歌ったら、まんまこれも稲葉さんだったな、って感じました。

2.アンダードッグのその後としては

 とまあ一応吹替で試写会を見たので、吹替としての鑑賞を先に書いときましたけど、この映画大嫌いです、はい。タダで見といてすいません。

 何が気に入らないって、まずきっかけですね。スカウトに無理やりくっついていくのも、動物世界だからファンタジーに見えるけど、劇場主の中年男性が評論家の女性の車の追跡までするっていうのはそれだけでもうダメでしょ、っていう。

 そっから無理やり押し売り強盗みたいなことして、嘘ついて架空の企画で合格して、それが実現できないどうしよう、からの頑張り、っていう流れじゃないですか。これってどう考えても悪いのは、社長の方ではなくバスターの方だし、それを応援するっていう風にはなかなか行かない。前作は、負け犬映画だったから、ゼロからもう一回やりなおす姿を応援できたけど、彼らはもうゼロじゃない訳で。そのノリで、しかもショービジネスの一流の場所に乗り込んで自分たちのルールでやってくのは、舐めてんのって感じ。

 っていうか、一事が万事そういう感じでキャラの苦境もどうでも良くて。まあ一流とはいえ、相性の合わないコーチをつけられたゴリラはちょっと可哀想ですけど、スポンサーの娘をねじ込まれるのに上手く対処するのはプロデューサーの仕事だし、高いところが怖いなら役代わるのは当たり前だし、相手が誰だろうとラブシーン(キスとはいえ)は本人の同意ないとダメだし、ラブシーンやるのに、本当に恋していないとダメっていうのもなんか違う気がします。

 これが自分たちの劇場でやーやーやってるんだったら勝手にしてくれていいんですけど、ブロードウェイだか、ラスベガスだかのショーとしてやらないといけない訳でしょ。あーんなにたくさんのスタッフが働いて、そこに経費が生まれている。ショーの話で、出役が良ければそれでいい、ってそんなわけないでしょ。最後に不意打ちで行ったショーが好評になったからって、手柄を横取りしようとした社長に一杯くらわしてフリーライドはダメですね、ちゃんちゃん、みたいにしてますけど、お前らも美術・音響とかぜーんぶフリーライドしてるからな、っていう。そういう態度でハリウッドが作ってるから、アカデミー賞編集賞とか技術部門を生放送でやらないとかいうクソ判断になるんだよ。出役がそんなに偉いのか。

 っちゅうことで、結局のところですね、こいつらは残念ながら社長、あるいはスカウトさんの言ってた通り、田舎でドンチャンやってるセミプロでしかなくて、本当のプロフェッショナルになるのは無理でしたっていうことですね。アンダードッグから抜け出すことは出来ませんでした、っていうこと。