抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

団地=宇宙!?とは「GAGARINE/ガガーリン」感想

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 今回は、カンヌ国際映画祭でも上映された(コンペティション部門ではないっぽい)作品。本文に書きたいこと書いちゃったから、書くことないや。

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WATCHA3.5点

Filmarks3.3点

(以下ネタバレ有)

 

1.団地映画を期待して

 はい、やって参りました。なんか最近定期的にやってくる団地映画!最近であれば、『スティルウォーター』でマット・デイモンが真犯人を探しに行ったのが治安の悪い団地でしたし、『キャンディマン』は新作・旧作共に、団地と黒人差別がクロスしていく作品。そしてなんといっても、ラ・ジリ監督の素晴らしい映画だった『レ・ミゼラブル』ですね。もともと、『ほえる犬は噛まない』『海よりもまだ深く』みたいに、団地ってそれ独特の魅力を持っている訳でございまして、そこを楽しみに本作も劇場に向かったわけであります。

 そういう団地映画として考えると、そもそも今回の舞台が初の有人宇宙飛行に成功したユーリ・ガガーリンに名前を冠してつけられたガガーリン団地であり、しかもそれを取り壊すっていう話。劇中で明言があったか記憶していませんが、これはパリオリンピックに伴う都市整備の為の取り壊しであり、おっ、貧富の格差とかそういうのを取り上げやすいぞ!って感じの匂いがプンプンする。プンプンするんですけど、実はそこまでしっかり団地描写ってないんですよね。エレベーターを直してるところとか、溜まり場チックだったり、女性陣がランニングしたりと、序盤は結構見せるんですが、中盤以降は団地っぽさは無くなるし、立ち退きしてくし。

2.宇宙船は棺桶だ

 で、団地っぽさが無くなっていくと何になっていくか。それが宇宙船なんですよね。主人公のユーリは、団地の取り壊しが始まると人知れず籠城。匠の技を駆使して、なんということでしょう、団地の一部がこっそり宇宙船的空間に様変わり!なんかエコロジカルなシステムまで作って野菜も育て始める始末。わーお、そんな生活ありっすか。

 ただ、打ち壊されていく団地は、当然いろんなものが露出したり、ライフライン的なものが絶たれていったり、監視の目が合ったりでどんどん苦しくなっていくし、それに伴って恋した女の子もいなくなってしまうし、っていうかこういう建物って爆破するよね?と思ったら案の定。ユーリは身体的にも、死にゆくガガーリン団地と運命を共にしていく訳です。宇宙船とは、ある種一番死に近い脱出不可能な箱、でっかい棺桶な訳ですね。幻想的な映像にどんどん変わっていき、ついには団地が宇宙に放たれる終盤、それはもう殆ど臨死体験に近い映像だったと思います。この辺の映像の美しさ、っていうのは凄いものがあるとは思いましたが、動かなすぎる!映像が先走って、物語的な強度は少し落ちた印象は否めません。