抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

2022年1月に見た過去作の記録

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 1月に見た旧作の記録です。ラインナップを見たら分かりますが、お察しの通り、予習が多め。ブラックボックス、ちょっと思い出しただけ、さがす、あたりの監督の過去作品を当たっていましたね。ということで14作品の感想です。どうぞ。

 

機動戦士Zガンダム-星を継ぐ者-

機動戦士Zガンダム -星を継ぐ者- [DVD]

WATCHA3.5点

Filmarks3.4点

 これは凄いな、ちゃんと全50話のシリーズを見たはずなのにすっごい頑張って補完しながら見ないと追いつけなかった…

 新規カットと原作カットの差がどんっ!と来るのでそこのノイズも大きい。

 こーれどういう意図で作ったんや…

機動戦士ZガンダムⅡ-恋人たち-

機動戦士ZガンダムII -恋人たち- [DVD]

WATCHA3.5点

Filmarks3.3点

 相変わらず爆速。フォウの退場スピードがえげつなかった。あと今更思ったけどカミーユくんのクソガキ度が下がってる?なんかテレビ版見てる時よりカツへのムカつきが増えてる気がする。

 いずれにしても、総集編第1弾と同様にこれをいきなり見て話を分かれ!というのは無茶な代物だ

機動戦士Zガンダム-星の鼓動は愛-

機動戦士ZガンダムIII -星の鼓動は愛- [DVD]

WATCHA3.0点

Filmarks3.1点

 いよいよZガンダム3部作もラスト。当然決戦の様子が描かれるが、いかんせん3部作としては積み上げて来れてないので、フォウとか出てきてもいたなぁ、ぐらいの感じになってる気がする。全体的に死んでいく人たちに重みがないというか。ついでに言えば裏切りが点在しているので、敵味方の把握が初見だと大変だろう。 

 んー、でラストの改変はなー。それっていくら新訳だからってやっていいレベルの改変なのかねー。いや創造神がやってんだからいいのか。リアルタイム世代は自分達が信じて来た物語が根本から変わっちゃうわけだし、想像できん…

そこにいる男

そこにいた男

WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

 片山慎三の予習。

 まず衝撃的なビジュアルを見せといて、何が起きたのかを見せていく感じの短編。

 ショッキングではあるが、ありがちなサイコキラーって感じの描写に留まっている印象。彼女を悲劇と見てるのか、ピエロと見ているのか、ヤバいやつと見てるのか、視点が定まってない感じがした

パーフェクトマン 完全犯罪

パーフェクトマン 完全犯罪(字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

ブラックボックスの予習。

 完璧な男の完全犯罪!というタイトルからすると肩透かしを食らうかもしれん。

 盗作から売れてしまった男が行き当たりばったりで誤魔化しながら、手に入れた栄光に縋る。

 これだ!を見つけてから一気に時間を飛ばすので、メインは転落、というか転落を恐れておたおたしてるところ。全体的に、いや、引用とか参考として提示しておけば…と思うので自業自得感はあるが、ダニー・ボイルのイエスタデイにはこれぐらいのを求めていたとも思う

私たちのハァハァ

私たちのハアハア

WATCHA4.0点

Filmarks3.9点

 クリープハイプのライブを見に、福岡からチャリで東京を目指す女子4人。

 そりゃね、もうちょっと考えて動けとかさ、甘すぎるとかさ、大人目線ならなんとでも言える。でもほら、この子たちは若いから。それで許せる衝動が彼女たちにはあった。

 クリープハイプ自体のことはよく知らないが、偶像に対しての距離感、情景とこの年代ならではの友人同士での距離感の描き方が心地よく、同じ方向を向いてる中盤までよりも、違いが見え始める中盤以降の方が抜群に面白い。

くれなずめ

くれなずめ

WATCHA4.5点

Filmarks4.3点

 うっわ、いつまで経っても学生ノリ、ホモソーシャルな悪いところばかり、という印象が強いコミュニケーションを見ていくことになるんだけど、それがそこまで外に向かっていかない感じでギリギリを保ってるように見えた。何よりカラオケのくだりなんか、完全にアイツらはうちの学校にだっていた。

 そう思っていたところでの、外側にその矢印の向かう前田敦子との遭遇、そして畑。そこでそのノリが外側に向かったようなところでの結構な転換がこの作品においては心地よかった。っていうか泣いた。こんなにダサくて、ダメな人たちなのに愛したいし、彼らに愛されてる気すらした。

 人間、ビシッビシッと変わらない。グラデーションの時間が必要なのよ、それが出来ない人間には。

ローズマリーの赤ちゃん

ローズマリーの赤ちゃん (字幕版)

WATCHA4.0点

Filmarks3.8点

 自分が妊娠した子は、悪魔教団の為に生贄にされてしまうのか。妊娠期のブルー、夫婦間のすれ違いのストレスなんかを具現化しつつ、本当に悪魔?本当に妄想?っていうところを見せるサスペンスとしてよく機能してるいい映画だな、と思います。ミア・ファローの憔悴が素晴らしい。

 ただ、ポランスキーに襲い掛かったシャロン・テート事件、撮影場所で撃たれたジョン・レノン、という外の文脈がジャンル的に強すぎる上に、ポランスキーの強姦事件っていうコレを撮ったのにそういうことすんだ、っていう文脈まで出てきて作品単体で評価するのは凄くむずかしい

アマンダと僕

アマンダと僕(字幕版)

WATCHA4.5点

Filmarks4.4点

 2022年の私は涙腺よわよわで行くの、っていうぐらい泣いてしまいました。

 思いがけないテロによって、母・叔母を失った2人が共に手を取り、喪失を受け入れていくのが基本線なんだけど、その時に彼の周りの人たちも襲われて重傷を負っている。いなくなってしまった喪失だけじゃなくて、出来なくなった、前と違う、そういうマイナスの変化全体を受け入れて、でも生きていく。ただ、その受け止めはいっせーの!って出来るもんじゃないから寄り添いながら自分のペースでいこうね、っていうすごく優しい映画で。

 ウィンブルドンの試合を見に行くんだけど、中途半端な所に座るんですよ。それで、あ、そうか、その端の席は、みたいなところで涙腺スイッチがONになって、そのまま試合展開がテーマと重なったとこで涙腺コルク崩壊です。素晴らしい作品でした。

アズミ・ハルコは行方不明

アズミ・ハルコは行方不明

WATCHA3.0点

Filmarks3.2点

 アズミハルコの人生と、グラフィティ集団キルロイ、そして男をボコボコにしていくJK軍団。交わらなそうにしか見えない3点が時間をぐっちゃぐちゃにしながら交わ…ってるか、これ?

 ある種の寓話的存在として捉えられるJK軍団は現実的な何かに置き換えるとしても、流石に時間軸を変えすぎて困惑する。グラフィティといい、行方不明といい、JK軍団といい、とにかく既存の社会・考え方に対するカウンター的な立ち回りの話ってことでいいと思うんだけど、だったらもっと整理できると思うし、そうじゃないなら伝わらない

交響詩エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい

交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい

WATCHA4.0点

Filmarks3.9点

 これぞ、マルチバースMCUに先んじてここまでマルチバース的な設定をエウレカは作っていたんですね(無論マーベルやDCのコミックスの方が先であることは明記しておくが)

 テレビ版と同じ顔、同じ声、なのにまったく違う設定や性格。確かに当時受け入れられなかったのは分かるが、幸いにも私はANEMONEからのEUREKAを鑑賞済みなのでそこに驚くことはない。そう思うと、ストレートにレントンエウレカの恋路と未来を掴み取るまでを描く真っ当なラブストーリーになっていていい味わいじゃないか。ハップのとこぐらいじゃないかな、雑に感じるのは。

孤独な場所で

孤独な場所で (字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.6点

 フィルムノワールの古典ということで鑑賞。

 暗黒への転落でもタッグを組んだハンフリー・ボガートが相変わらず反則級のいい男で、ただシンプルにモテる、の一点突破できるのがまずズルい。

 だが、ただのいい男ではなく、今回は彼の持つちょっとした胡散臭さがかなりピックアップされ、胡散臭く、面倒臭がりで、すぐカッとなる暴力性を孕んだ男として描かれている。その結果、ファムファタール的な女性は出てくるが、彼女によって狂わされるというよりも、本来潜めていた暴力性が顔を覗かせただけにすぎない。

 そのため、フィルムノワールとしては定型を外れている印象だが、逆にこの時代には男性の有害性、みたいな映画があったことに驚いた。2022年の今見ても、十全に機能している映画だ

空母いぶき

空母いぶき

WATCHA3.0点

Filmarks3.2点

 仮想敵を置いて、今の日本が領土の占領をされた場合にどうなるか、という思考実験としては面白い試みだったと思う。

 だが、思考実験ならそれをとことんまで突き詰めてほしい。結局最後の落とし方が思考実験から遊離した理想論で終わり、思考実験をした意味がない。そもそも学問的に議論されているはずの条文解釈なんだし。政治の映画なのか、戦争の映画なのか、どっちつかずが過ぎる。

 リアルに見せようと頑張っている中で、はっきり本田翼と関西弁がノイズだったことも付け加えておく。

スパイの妻

スパイの妻<劇場版>

WATCHA4.0点

Filmarks3.8点

 すゑひろがりずのネタで、oh my god をお見事!と読ませるネタがあった。本作の聡子はまさにこの気持ちでしょう。

 話を注意深く聞いていれば、その人の言うこと以外に情報の担保がされてるか、みたいな情報の精度が結構しっかりしているので、問題なく展開は読めるが、とはいえそれをクドクド説明しない手腕もお見事である。

 ある人物の人生を握ったことで自分の人生に有用性が出てきて、それが蒼井優や東出くんの表情からビシバシ出てくる。

 脚本に濱口竜介っぽさは感じるが、絵や音楽が明確に黒沢清だ!と主張してくる。