抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

マッツ×おじさんたちの方程式再び「ライダーズ・オブ・ジャスティス」感想

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 えー、21日に公開された作品でみたいやつが多すぎます。多すぎますが、有難いことに事前に試写に当たりまくっています。幸運。という訳で、毎日一個ずつ出しているのです。今日はデンマーク国内で、『アナザーラウンド』に主演男優賞を取られてしまった映画です。そう、マッツが主演男優賞に2本ノミネートしていたのです!!

Riders of Justice [DVD]

WATCHA4.0点

Filmarks3.8点

(以下ネタバレ有)

 

1.すべてに因果関係が…ある?

 本作は事故死した妻の仇を追うマッツ・ミケルセンが理由もなく強いので人を殺せる映画。マッツがそういう役をやるのは、ネトフリのポーラー以来ですかね。途中までマッツに見えなかったけど。

 じゃあまず、なんでそんな事故が起きたのか、その不幸な偶然の前提を共有したいと思います。

 エストニアの女の子が青い自転車を欲しがった→転売用に盗んだやつがいる→盗まれた女の子は学校に遅刻→どうせならお母さんとお出かけ→お母さん死ぬ→マッツキレる

 はい、こんな感じでしたね。まずもって、ここに他者の介在する余地がなく、完全な偶然。で、このうちのマッツの奥さんの死亡原因となった列車事故が仕組まれたものではないか?という疑問を同乗していた数学者オットーが抱いて、それをマッツに伝えたからまあ大変、仇として、その首謀者と目されたライダーズ・オブ・ジャスティスなるギャング組織を壊滅させる方向に話が動いていく訳でございます。どうしてこうなった!?感で言えば、『悪なき殺人』も思い出しましたし、あとは『白い自転車』ですよ。昨年のアカデミー賞短編実写部門のノミネート作品で、盗まれた自分の自転車を返してもらおうと思ったら、とんでもないことになっちゃう話。自転車の色が違うけど。

 まあね、はっきり言えばマッツをけしかけてる時点で怪しいんですよ。オットーたちの研究は、明らかーに、うさんくさいし、実際結構ちゃんと前振りでそんなやつはデンマークにいないとか、基準値を下げれば…とかそういう感じで失敗をにおわせている。

 そう、完全に失敗!よってこのマッツwithズッコケ3人組andウクライナ人の往く先々は死体ばっかり。怒りで容赦なく人を殺せるマッツ、とにかく人殺しはしたくないオットー、嘘から始まったセラピーをしっかりやろうとするレナード、一番最初は乗り気じゃなかったのに気づいたらノリノリからの彼我の境界を越えれなかったエメンタール。まあROJのメンバーは悪者だからいいよね、的な感じもプンプンする。

 まあとにかく人はこうして陰謀論を信じるようになったのだ!という感じで弱っていた人間が暴走していく感じがありありと見えて痛々しい。っていうか、これ前日観た「ブラックボックス」でやって欲しかった展開や…!

2.暴力映画に見えてケア映画

 っていう単なる暴力映画に見えてですね、この映画の本質はそこじゃなくて、寄り添い、ケアにあるっていうことじゃないかな、と思いました。

 それは勿論、奥さんを亡くして自暴自棄になっていたマッツもそうだし、娘さんだってそうだし、なんなら一緒に事故に遭って、おそらく自分のせいで、と思っちゃっている面が多少あるオットーにとってもそうなんですよね。一連の暴走が、マッツにとって喪失を受け入れる為の行動になったし、それに協力することでオットーもまた罪悪感から解放されていく。うーん、他のあいつらは…知らん。まあいいや。執拗に娘に対するレナードのセラピーを見せたり、それがバカバカしくてギャグになっているのに、それ自体はちゃんと認知療法になってるって彼氏に説明させてる辺り、本質はそっちだよね、と思う訳です。まあ彼、簡単に白状してたけどね。彼なんかにもうちょっといい役回りが与えられたらもっと良かったかな…。

 ってことで、最後になんかいい雰囲気でクリスマスパーティしてナイス・クリスマス映画!みたいな終わり方にしたのは笑いました。いや、まあそれこそケアになってるんだけどな!