抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

面倒な人の「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」感想

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 はい、良くネタバレを踏まずにここまで来ました。人生で始めて深夜0時の最速公開に行きました。おい、ソニピク、お前のせいだ。という訳で以下は映画を鑑賞後にご覧ください。

Spider-Man: No Way Home (Original Motion Picture Soundtrack)

(以下ネタバレありって言ったからな?)

 

 

 

WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

1.やってくれたな!とやってくれたな?

 いやね、予告編でドック・オクやらグリーンゴブリンみたいなシニスター・シックス的な皆さんが出てくるとかは確定していたわけですし、噂としてトビー・マグワイアアンドリュー・ガーフィールドが出てくるよ、みたいな話はあった訳です。

 で、それが見事に実現する。いやー、これは恐ろしいことです。エンドゲームより下手したら凄いことです。それは素直に熱くなる。

 そのうえで、単なる過去作の二次使用ではなく、スパイダーマンに殺される運命だった皆様に人生のセカンドチャンスを与える、っていう文脈が素晴らしい。たとえヴィランとなっていても、もう一回善性を取り戻して世界に送り返す、っていうストレンジに対立したトムホ・ピーターの判断は、ヒーローとしてすっごい尊重される、良い物語だったと思います。結果、まあまんまアメスパのグウェンの再現シーンで今度は救うことに成功したり、グリーン・ゴブリンを殺そうとしたトムホをトビー・マグワイアが止めたり、みたいなセカンドチャンス物語が全員に波及しているのがメッセージとしても素晴らしい。落ちるで言えば、ロキばりに無限落下していたトムホも面白かったです。

 本音をいうと、その単語が最初はfixで、途中からcureになっていたのが、本来の英語的なニュアンスが分からないんでしっくりこないところはありますが。ノーマンの言う通り、ギフト、でもあるからなー正直。

 あとまあ、よく考えたらそうなんですけど、同じ時空から来たヴィランの皆さんが互いの死因を話し合ったときのグループセラピー感、それは勿論ピーター・パーカー大集合もそうでしたが、うん、まあとにかく結構要所で笑えたりして、でもネッドもMJもよくやっていたと思います。っていうか、ストレンジさん出ずっぱりだったわりに、ちゃんと3人の物語になっていたのは良いと思います。でも、メイおばさんが死んだことでやっと同じ地平に立ったっていうか、トムホにとっては、ここまでがオリジンだったのかも、みたいな。

 まああとね、劇場で反応が少なくてびっくりしたんですけど、チャーリー・コックスですよ!デアデビルの導入!噂では聞いていたけど、まじかよ!かっこいい!見えないのに強い!の提示も出来ていたし!みたいなところもだし、スパイダーマン3への減給としてのヴェノムの存在(と思ってたらポスクレでトム・ハーディが帰っちゃった)やら、マイルズがいるんじゃね?の言及を同じ黒人であるジェイミー・フォックスに言わせていたり、ノーマンにオズコープやハリーのことを言及させて、そういうファンサービス兼種蒔きみたいなのも、抜かりが無い。

 とまあ、素直に嬉しかった感情をそのままに筆を滑らせてきたわけですが、咀嚼してくとね、うーん、素直にキャッキャしていちゃダメだな、っていう方向が強くなってきちゃったんです。

 だってさ、これって本当は1回こっきりの大勝負じゃないですか。いや、ジョン・ワッツはじめ、製作陣はその大勝負には勝ったとは思います。でも、20年の分の実写スパイダーマンというIPを全ベットして、こんなに素晴らしい笑いと感動を与える作品のオチが、ピーター・パーカーがスパイダーマンであることを忘れさせる、っていうのはいかがなものなんでしょうか。これが本当に最終回ならいいんです。でも、トムホもプロデューサーのエイミー・パスカルも次があるってほぼ明言に近い形をしていますし、そこでグウェンとハリーが導入される噂も既に立っている。まあそりゃスパイダーグウェンやりたいわな。そういうのをチラチラさせておいて、ゼンデイヤとジェイコブ・バタロンは忘れたから、はい、じゃあね、ってのも納得いかないし、トニーがアヴェンジャーズ加入会見をすっぽかされた話とか、インフィニティ・ウォーでの宇宙に行った話とか、全部が無かったことになってしまう。これまでの2人のスパイダーマンの救済はまだいいんですけど、ことMCUスパイダーマン関係は、もうこの先見返すことはなくなりますよ。だって、全部リセットされるんだもん。ミステリオがバラしたけど、忘れてもらうからセーフ!なんじゃそりゃ。スパイダーマンであること、に責任を持っていくのかと思ったら、それは観客とは共有しても世界とは共有しなかった、むしろそっから逃げちゃった。MJもネッドも一緒に傷ついて生きていく覚悟を見せてくれたのに、全然向き合ってない。なんだったら、ストレンジに対抗した救う決断がよかったのに、ストレンジ側にいっちゃってる訳で。トムホ1人だったらあの判断できてたか?MJのおかげだろ?と。

 アメコミにはリセットがよくあることではあるのも分かっているんですけど、うーん、007/ノー・タイム・トゥ・ダイで、ダニエル・クレイグボンドとしてはいい終わりでも、シリーズは終わらない、っていうのと対偶に近いかな…。違うけど似ている。逆・裏・対偶です。高校の数学でやったでしょ?

 ポスクレでエディは帰ったけど、シンビオートが残った。と同時に、MCUにはトムホ=スパイダーマンを知っている人がいない、ってことは暫くはソニーの方でヴェノムといちゃいちゃしてから帰ってくるのかな、とは思いますが、うーん、やっぱり納得がいかん…。共時性が高すぎるんよな…。素直に万歳三唱しておけばいいのに、面倒な人間だ。