抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

思った以上にシンジくん「劇場版 呪術廻戦0」感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 年を越しましたが、まだ2021年の映画が残っています。しかもおっきい弾が。そうです、ネクスト鬼滅、呪術でございます。ジャンプ漫画の映像化が人気爆発しまくってて、もはやどれが原作が完結していて、どれがしていないのか良く分かんないんですが、まあ有難いことに連載前のやつを原作にした劇場版、ってことで安心して見に行かせていただきました。

『劇場版 呪術廻戦 0』オリジナル・サウンドトラック

WATCHA3.5点

Filmarks3.4点

(以下ネタバレ有)

1.僕は呪術高専で里香ちゃんの呪いを解きます

 ちっとも原作を読んでない人間から致しますと、何を乙骨くんを誰が演じるのかでキャッキャしてるんだ、という感じだったんですが、めっちゃシンジじゃん!っていう予告でした。

 で、見てみるとですね、意外と碇シンジじゃない。緒方さんやっぱすげえな、っていう。苗木くんと狛枝、みたいなダンガンロンパで2役っていう無茶をしっかりやっているだけありますなーっていう。でも笑っちゃうのが、緒方恵美碇シンジから離れようとしてるのに、乙骨憂太がどんどん碇シンジに寄っていく、っていう笑。内に内に閉じこもっていく、っていう主人公像、憔悴していく感じと序盤はモロって思ったし、意外とすぐ仲良くなっちゃって最後に全部自分のせいじゃないか!って言いだす情緒不安定感っていうのがもうね、っていう。

 シンジ君がらみの話が長くなったが仕方がない。この映画を喋ろうとしたら通過儀礼みたいなもんだろう。そんなシンジ君、もとい乙骨くんが将来を約束した祈本里香(なんでこれで「おりもと」なんだ、ややこしいだろ)ちゃんと楽しい同棲生活を送っている、っていう話でした。すっかり取り憑かれて、我愛羅の守鶴みたいな全自動で攻撃しちゃう仕組み、なんだけど実は「ずっと一緒」っていう契約を仕掛けたのは乙骨くんの方でした、っていう愛は呪いっていう文脈は大好物です。っていうか、あんなバケモノ状態の里香ちゃんに6年も取り憑かれておいて、「純愛」だよ、とか言い切る乙骨くんは2時間でシンエヴァまでのRTAを完走したシンジ君みたいでした。

2.それはファンサービスなんですか?入り口なんですか?

 んでまあね、そういったストーリーとしては分かるんですけど、全体的に作りがテレビアニメすぎて、私はダメでした。

 まずもって、回想が多すぎます。テンポが悪い。すっごい悪い。呪術高専に乙骨くんが入学して、パンダ、真希、狗巻の3人との交流と呪術師の世界を知っていく。その中で、里香ちゃんとの回想がもう半端に入るんでイライラする。30分の中で毎週やっているんだったらいいんですけど、100分ぐらいの映画の中でそういうことをされるとぶーぶー言いたくなってしまう。かと思うと急に3か月経ったり、急にクリスマスになったり。

 で、あと百鬼夜行のバトルも全く気に入らない。個々のバトル、特に乙骨vs夏油のトコに注力をしていたと思うんですけど、そこの努力はすっごい分かるんです。まあちょっと見辛いかな、とは思いましたが、それはゴッド・オブ・ハイスクールからずっと監督の朴性厚さんの特徴でもあるんで、飲み込みます。なんですけど、渋谷と京都と呪術高専の三カ所を順々に見せていくんだけど、その編集がもう最悪なので、戦いがいよいよ!ってタイミングでカメラ移されると萎える。特に結局五条vsミゲルとかちょこっとしか見せていないし、伊地知さんが松田姉妹に声をかけたとこなんて、本当にそれだけで終わっちゃう。2期以降に出てくるのかもしれないですけど、この映画で出したんだったその見せ場作らないと。戦い方もわかんないし、決着も見せてくれないで逃げました、はダメでしょ。テレビアニメから見ている人へのサービスなのか知らないけど、京都とかバッサリ見せなくていいと思うし、その癖京都のギター校長とか、日笠先生とかは存在すらしていないんですが。結局、五条先生の視点が多すぎて、乙骨くんの映画なのか、五条先生の映画なのかわかんない。

 っていう一切をファンサービスだから、いいや、って許すんだったら、乙骨くんの入学から努力の過程は、虎杖くんでぜーんぶ見たのを短くしてるだけじゃんっていう。じゃあ初見向けじゃん。え、でもやたら専門用語が中途半端に説明しているのか、説明していないのかわかんない感じで出てたじゃんっていう。

 本当はアニメを見てから臨んでいるんで、初見向けとしてこれでいいの?みたいなことはどうでもいいんですけどね、それが気になっている時点でそういう評価っていう事だと思います。ミゲルがアフリカで乙骨といるところに来る五条先生、っていうエンドクレジットも意味わかんないんですけど、まあそれはいいや。それよりcv櫻井って、アニメに出てなかったっけ?え、どゆこと?これが???な時点で1本の映画としてはダメなのでは…?