どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。
今回は『バクテン!!』『岬のマヨイガ』と並んでずっとおうえんプロジェクト2011+10の最後の一作ですね(バクテンの映画化が待ってはいますが)
試写会で見た割に厳しめかもしれませんね、すいません。
WATCHA3.0点
Filmarks3.2点
(以下ネタバレ有)
1.福島大観光旅行
本作の復興応援は、とにかく福島を見せる!ということ。
主人公はいわきの育ち(まあ生まれもでしょうね)で、主たる舞台は実家の福島が誇る一大リゾート、スパリゾートハワイアンズ。映画『フラガール』で一躍有名になった…でいいんでしょうか?まあとにかくそういう大型娯楽施設ですね。(みんなでプール施設みたいなのに良く経験のない人間が故の不確かな記憶)
で、最終的にはフラダンスコンテストに出る為に東京・代々木第一体育館に出向くくだりがあったりはしますが、アクアマリン福島、マリンタワー、いわき回廊美術館みたいな福島の娯楽系観光施設を主人公の日羽たち5人が初見リアクションで楽しく回ってくれるので、普通に福島っていいところだな、行きたいな、感が満々。ましてやこのコロナで旅行なんてしていないですからねー。こういうのは映像作品のいいところです。
そして、サッカー好きとして特筆すべきは、来年J3昇格を決めているいわきFCのクラブハウス兼商業施設が、普通にカフェとして出てくることですよ!2012年に発足と非常に新しいチームながら、なんか筋肉こそ正義という主義主張を元に、破竹の勢いで成り上がってついにいわきの象徴になって今回、色んな観光施設に並んでピックアップされているのは結構ムネアツ。ちなみに、いわきFCは既に応援団として女優の武田玲奈さんをガッチリ抱えています。強い…。
2.古くて脆い
えー、ロケーションとしてはですね、めちゃくちゃしっかりロケハンしてる感じですしね、良いな、って思ったんですけども、内容としては正直これがまたうーん、褒めづらい。
日羽は震災でスパリゾートハワイアンズで働いていた姉(cv.早見沙織だけど最初能登さんに聞こえた)を喪うんですが、その姉の影響及び彼女の買ってきたハワイアンズのマスコットCoCoネェさんの人形に話しかけられて勢いで就職。彼女の問題はそこの乗り越えと、経験のないフラダンサーとしての能力不足。キーになる感じで、姉の芸名を継いだ先輩、優しくしてくれて惚れちゃうディーン・フジオカが出てくる訳ですが、この二人からお姉ちゃんの話をすぐに聞くでもなく、っていうかディーン・フジオカに失恋する必要は全くないような気がしました。取り敢えず色恋沙汰にしとけ、的な雰囲気を感じてしまって、トレンディドラマかよ、みたいな。
フラダンス甲子園優勝経験者のカンカンとハワイからやってきたオハナが相補関係的に描かれますが、オハナのホームシックとカンカンが親にプロダンサーを反対されている、みたいな対比なんだけど結構浅いように感じるしなぁ。
笑顔の苦手な白沢さんと、どすこいダンサーらんらんの2人に関しては、プロダンサ―としての問題を抱えてはいたけど、解決にエピソードも割かれない。いや、お当番回作ったりしてたらそれはもうテレビシリーズじゃん、とも思うんですが。っていうか、この時代にある種究極の肉体労働であり、且つルッキズムの対象になっちゃう職業を選んで映画にして、そこにわざわざ体重超過のキャラを作るんだったら、痩せさせる、っていう結果はあんまり好きじゃないかな、と思ってしまいます。まああんだけステージ踏んでたら勝手に痩せる気もしますが。
じゃあね、復興の話をしっかりやるのかと思ったら、そこもすっごい薄味。お姉ちゃんの震災による死もそんなに深堀されないまま、CoCoネェさんに回収されてっちゃった印象があるし、いや、ただただ福島で観光できる姿を映すだけでそれはある種の祝福になるのも分かるんだけど、ちょっと浅いように思っちゃったんです。
あとねぇ、ちょっとやはり映像に古さを感じる。特に3DCGの部分は、キャラを立体に書き起こす段階でなんか失敗してるような、そういう気がしました。特に一番決めるべきフィナーレとなる先輩の卒業ステージでのリーダー先輩とサブリーダー先輩が粗い?というんですか、直前に見たBang Dream!の方が明らかにちゃんとしている。で、そういうのが気になりだすと、各キャラの頭身とか、腕や脚が若干細すぎる気がしてきてしまってどんどん気になりだしてしまいました。っていうか、コイツらの話なんだからフラダンスコンテストで〆めとくべきだと思うんだけどなぁ。