抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

2020年7月〜12月に読んだ本の記録

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 えー、完全に遅れていた読書記録。それもこれも本読むのが遅くなった&少なくなってきたせい。本屋でいいの見つけたりしたら買ってはいるんですけどね。

 そういう戒めの為に予約投稿しておいたら、すっかり内容の無いamazonをはっつけただけのブログが上がっていたことを反省します。

 ノックス・マシン/法月綸太郎

  ノックスの十戒をご存じだろうか。推理小説における守らなくてはならないとされる10のルールだ。いわく、双子をしれっと出すな、抜け穴は1つまで、超能力禁止などなど。その中に中国人禁止、というのがある。これはノックスの十戒の当時、中国人はなんらかの気功とか雑技団的なズルい技を使うから、と思われていたから、ってことで入っているんですが、まあ一個だけ浮いている。んで、この項が何故存在しているのかをタイムスリップを絡めて考える表題作を含めた短編集。ただ、ノックス・マシンは結構話が難しいので、ノックスの十戒を逆手にとって、探偵のサイドキックたちを集めた「引き立て役倶楽部の陰謀」がミステリ好きにはニヤリとできる快作でございました。

現実で勇者になれないぼくらは異世界の夢を見る/井中カエル

現実で勇者になれないぼくらは異世界の夢を見る

現実で勇者になれないぼくらは異世界の夢を見る

 

  Youtubeにて、毎月一度アニメについて語る #アニなら に参加させていただいているんですが、こちらはその主催である物語る亀さんの著書でございます。

 カメさんとはお話させていただいていると、ずーっとアニメを見てきただけあって、アニメに対する造詣や思い入れはここ数年で映画やアニメに親しむようになった私とは比較にならないレベルで、それでいて言語化する能力に秀でていらっしゃるので、平成アニメを概観したこの本はアニメ入門に本当に最適です。

82年生まれ、キム・ジヨン/チョ・ナムジュ

82年生まれ、キム・ジヨン

82年生まれ、キム・ジヨン

 

 言わずと知れた韓国文学ブームの火付け役のひとつ。映画化に合わせて読んだんですが、原作が素晴らしすぎて結局映画は文句言いそうでスルーしてしまいました。

 んで、本作は別人格を出現させてしまったキム・ジヨンの治療にあたる精神科医のカルテのような形で聞き取り調査を読んでいくようなスタイル。彼女の人生を節目節目で振り返りながら、その当時の女性が置かれていた社会的な状況を急にデータを提示してぶん殴ってくる。主観的な部分のある彼女の人生と客観的な証拠が同時にぶん殴ってくるので逃げ場はない。そのうえ、散々彼女のそういう状況を把握していた精神科医の最後のセリフがもうハッとさせらる地獄。きっつい。