抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

帰ってきた新感染「新感染半島 ファイナル・ステージ」感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 ようやく新年明けてから見に行った映画の感想になります。そうそう、劇団新感線の作品がネトフリに追加されていつ見ようか、わくわくしてます。

 そして、1/9に物語る亀さんのチャンネルにて配信された2020ベストアニメの配信を見てくださった方はありがとうございました。まだの方はぜひ。我ながら自信のあるランキングになったと思います。まあ推薦作品はそんなに選ばれていないのですが。


2020年ベストアニメをみんなで決めていこう!~アニなら特別編~

 では感想。いってみよー!

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WATCHA3.5点

Filmarks3.4点

 

1.恐怖のジョンウィック2怒りのゾンビロード

 帰ってきた新感染。今回の見どころはなんといってもアクションでしょう。前回は突発事態並びに閉鎖空間での人間ドラマが主でしたが、本作はそれから4年後の半島が舞台。うじゃうじゃゾンビがいるのを承知でなんかうまい具合にトラックにドルが積んであるから取ってきて港に到達しろ!という展開。朝鮮半島に向かう動機として香港にいても感染者扱いされる現状からの逆転、というところあたり、「恐怖の報酬」っぽさも感じましたね。まあそこのところは別に生かされないんですが。

 んで、じゃあやってることの中身は、というとまあ間違いなく多くの人が言及しているであろうマッドマックス的カーチェイスですね。あ、そういえばサンダードームもやってたな。恐怖としてのゾンビというより、道具としてのゾンビが存分に力を振るい、投光器が最強ウェポン。まだ年端もいかぬ少女がドリフトをガンガンにかましジョン・ウィック2ばりのカー・フーを炸裂させているのも堪らない。いいか、そんな状態で4年もいてガソリンはどうしてるとか聞いちゃダメだぞ、おじさんとの約束だ。

 緊急事態において利他よりも利己、という精神が伝えられて進む本作。まあ利他とかしてる暇なく進んでいくほぼ死にかけの連続で、利他している場合ではないんですが、それでもやっぱりラストはそこが生きてきました。そこ自体はとても全うだし、好きなんですが、だったら一つしっくりこない設定がございました。主人公ジョンソクが出会う親子が、かつてのパニックの際に助けなかった親子だという設定ですね。これのおかで、前回は利己に走ったジョンソクが利他で命を救われ、利他で動いて義兄救出に走り、最後も利他で助ける。そういう成長を描こうというのは分かるんですが、結果的にあの時利己に走っていたから今回助かった(=彼らを連れて行ったら仁川に彼らはいないので今回のミッションから帰還できない)という帰結になってしまう。彼が利他に走る動機は船内で助けられなかった件でも事足りるし、せめて他人の空似で良かったと思うんですよ。

2.前作・前前作と比較して

 一番ひっかかるのが、前作のラストで急に音楽含めて情緒的にしすぎというか、感動してください!ってガイドしてくる感じを継続してきたこと。今回は631部隊の基地で義兄と死に別れるところと、ラストの2カ所が長すぎる。泣いて!!という声が聞こえてくるよう。前作でもそうなんですけど、どうやらヨン・サンホ監督は情緒的にすればするほど時間とストーリーを止めてしまうっぽいので、その数が増えると流石に長いな、と感じてしまいます。特に、半島中にゾンビが集まっているという状況において埠頭で感動の再会とかしてる場合じゃないっていうか。方向はそれでも別にいい、というか、自己犠牲も前作のマブリーは超えられない以上、むしろこれでいいのでスピーディにやって機内で感動、の方がスマートだったかな、と思います。

 あとあれなんですかね、ソウルステーション・パンデミックとの整合性はもうあんまり考えなくいい感じなんですかね。あの時は夜にガンガン襲われてたんですよね。まあカーアクションの映像表現はアニメーション監督だからって感じもしましたが。