抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

スポーツの秋!10月はサッカー強化月間「アウェイデイズ」「キーパー ある兵士の奇跡」感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 さあ10月はサッカー映画が2本も公開されてるんですよ!今でさえ、映画ブログと化し、アニメか映画の人間みたく思われてるかもしれないですけど、人間形成の根幹はあくまでサッカー!FC東京リヴァプール(とナポリ)の試合結果だけで一喜一憂テンション変わる!さあサッカー映画はどうだったんだ!

 なお、キーパーある兵士の奇跡は公開前なので注意を。

 ええ、連日の宣伝ですが、一昨日のアニならがカメさんのYoutubeに上がりました。良ければご覧ください。なお、私は自分を見たくないので基本確認していません。 


どこよりも詳しく!『劇場版鬼滅の刃』感想&座談会(ネタバレあり)〜アニなら#2〜2020年10月17日回より〜

 

1.アウェイデイズ

Awaydays

WATCHA3.5点

Filmarks3.3点

 舞台はマージーサイド。私の応援するリヴァプールと川を隔てた反対側のバーケンヘッド。イギリスの地理はよくわからないが、マージーサイドの2大クラブ、エヴァートンリヴァプールとは全く違うトレンメア・ローヴァーズというサッカーチームのサポーターたちの話である。

 と思って見に行ったんですよ。こいつら、サッカー全然見てねぇ。

 もともとヤルぞコラみたいな面&服装だと警戒されてスタジアムに入れなくなってしまう、ということで一般の観客に溶け込むファッションとヘアスタイルを採り、カジュアルズと呼ばれていたそうな。本作でも同系統の色のジャケットにアディダスの靴が揃って伺える。

そんなカジュアルズに所属するエルヴィスと運命的に出会ったカーティ。カーティは特別な何か、カジュアルズの持つ雰囲気に憧れ、逆にエルヴィスは暴力ばかりのカジュアルズにない芸術性を持ったカーティに惚れ、両者の関係で物語は進んでいく。

 試合の日になると、彼らは電車に乗って遠征し、現地のフーリガンと一戦交える。試合があったことは移動の描写でわかるが、完全に試合を描写せず暴れまくっている。そうじゃないなら、酒を飲んでいるか、ヤクをキメているか、あとは女とヤっているか。懐かしの暴力的なマチズムが支配している破滅的な世界にかかるのは当時を彩った音楽たち(ポストパンクらしい)。そう、この作品は音楽とファッションで当時の若者を描く「トレインスポッティング」的なサブカル映画なのだ。比較対象として「さらば青春の光」が挙げられていたが、それはすまない、見ていない。

 ということで、だ。サッカー映画、しかも応援するリヴァプールに近い話を見れると思っていたので、まさかのサブカルの連続殴打に息詰まってしまった。音楽、特に洋楽、そしてファッションに欠片の興味もないのだ…。

2.キーパー ある兵士の奇跡

Trautmann. DVD

WATCHA4.5点

Filmarks4.4点

 本作は第二次世界大戦ナチスに従軍していたバート・トラウトマンが捕虜となったイングランドマンチェスター・シティの守護神となって活躍する物語。

 いやー、申し訳ない。結構詳しいつもりだったんですが、この選手のことは知りませんでした。映画見てから確認したら、スーパーレジェンドでしたね。この時代だと、プスカシュ、ペレってそりゃ知らんわな。

 前半はしっかり捕虜として、元ドイツ兵としてのトラウトマンを描いて、たまたま刑務所に出入りしていたおっさんの監督しているサッカーチームに引っ張られて、って感じ。まずここで身近な人たちに元ドイツ兵からバート・トラウトマンという個として認められ、向かい合うのをじっくりと、しかし結構時間は飛ばしながら描けてます。

 彼を認める監督であり、義父となるジャックはそれはもういいキャラしてましたし、しかもよくよく考えたら、チームの弱点を補強しつつ、モチベーターとしても優秀って、結構いい監督。分かんないけど、ショーン・ダイチェとか、その雰囲気の顔してましたよ。また、マーガレットを取り合うことになるキャプテンも、トラウトマンをサッカー選手として認め、男と男の勝負として雨中のPK戦を挑むわけで、勝てないとわかっていながら勝負に挑むかっこよさと、それでも当時に残る女性のトロフィー的扱いとをしっかり両面で感じさせるキャラでした。

 んで、後半シティ加入後は、マンチェスターなんて大きな町ですから当然のように反感と憎しみの目で見られる。かつてとはピッチの質も、観客の数もまったく違うスタジアムで、360度からブーイングされるのは実にしんどい。それをプレーでしっかりと信頼を勝ち得ていき、そしてかつて自分が言った「憎むのは簡単」という言葉がマーガレットから放たれることで、外野も黙らせていく。最後には、360度から応援され、大けがの後のカムバックも敵チーム、審判からも祝われ、尊敬される。まあこんな選手、好きにならずにはいられません。

 んで、この映画何が良かったって、サッカーがいいんですよ。シュートストップが若干おぼつかないように見えたのは事実ですが、しっかりサッカーをして、ウェンブリーでのFAカップ決勝ではビシッと中継画面みたいに引きの絵でも見せてたし。何より、トラウトマンの見せ場が、シュートストップだけじゃなくてロングスローだってのもいい。なんか、ノイアーとかすごい距離投げてましたよね?あれを思い出しました。んで、その決勝ではシュートストップで相手選手と交錯して怪我、それを押して試合に出続けチームを優勝に導くと。超大けが、生きていてよかったレベルですよ。スポーツ選手が怪我を押して出ているのを美談にするのは嫌いなタイプなので、それを美しく描くこと自体はうーん、どうだろう、って気持ちはありますが、時代も違いますからね。

 とまあ褒めてはきましたし、大好きな映画とはなりましたが、正直言ってかなりサッカー贔屓ポイントがあるのも事実。誰もが傷ついた戦争の爪痕、差別や偏見からサッカーを通じて個としてリスペクトを受けるようになる、みたいな戦争物の文脈もありつつ、マーガレットとの夫婦ものの側面もあって、サッカー選手でもあり元兵士であり夫であり、って感じでもう少しどれかの側面を強く描いてもよかったかもしれません。

 そうそう、ちゃんとWiki読んだら、息子が亡くなったのは伝説の決勝より前だし、マーガレットとは幸せそうに見えてフツーに離婚してました。現実は厳しいかな。