抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

2019年上半期Netflix映画感想「ユピテルとイオ 」「FYRE:夢に終わった史上最高のパーティー」「ポーラー 狙われた暗殺者」「麻薬王」「セレニティー 平穏の海」「ハイ・フォン:ママは元ギャング」「トリプル・フロンティア」「ザ・テキサス・レンジャーズ」「ユニコーン・ストア」「マーダー・ミステリー」「パーフェクション」「サバハ」「シャフト」「ANIMA」

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 いよいよネタ切れの本ブログ。3.4本も上手いこと見れるヤツないって…。

 あ、この機会に忘れていたネトフリ独占作品を見なくては、ということで今更感しかない昨年のネトフリ映画の感想。上半期分はユニコーンストア以外昨年に見てたから良いんですけど、下半期分はこれから見まくります。「マリッジ・ストーリー」すら見てないもんな…。

 という訳で、5月、そしておそらくはまだ殆ど映画館に行かないだろう6月はネトフリオリジナルとまだ見てない名作ラインナップでバカの履歴になると思います。えぇ。

ユピテルとイオ

ぶら下げ絵画-映画近い将来のIOメイン私たちは地球を救うか、それを去らなければなりませんNetflixポスター - サイズ:33x23cm(額縁を送る)

WATCHA3.0点

Filmarks3.1点

 地球に残った生き残りの話。

 ルール説明が一切ない割に、人がいないだけでルックは殆ど今の地球と変わらないので、電力供給は?飲料水はどこから?大気の組成が変わってるのに建物の腐食は?風向きがあるなら天気があるのか?などの疑問が絶えない。なのに別の生き残りと出会って話が展開するまで30分弱かかるので序盤の停滞感が凄い。あと主人公の少女がサムで出会うのがMCUのサムこと、アンソニー・マッキーなのでサムの渋滞。

終わってみれば、「レダと白鳥」がモチーフだし、ユピテル木星=ゼウスとか神話的モチーフが多い話で、多分アダムとイヴ的な話でもあった。似た感じだと「少女終末旅行」は良く出来てたなぁ…

FYRE:夢に終わった史上最高のパーティ

WATCHA4.0点

Filmarks4.0点

 インフルエンサーとセレブという日本には、というか私には馴染みが無い世界のもたらした幻影、そして引き返す勇気と夢見ることの難しさを懇切丁寧に見せてくれるドキュメンタリー。 

 あっさりと詐欺を繰り返すのはともかく、どこかでこうならなくちゃいけない、という自分の為に現実を直視できずに理想しか見ないで生きていくとこうなるのかもしれない。組織論として、果たしていくつの会社が、国家が、家族が、こうではないと断言できるだろうか。 

ポーラー 狙われた暗殺者

Polar: The Black Kaiser

WATCHA3.5点

Filmarks3.3点

  写真は原作のアメコミ。

 ジョン・ウィックっぽいけどもっとグロくてエロい感じ、マッツ・ミケルセンの色気と渋さをマックスで。まあ犬射殺してるんで、ジョン・ウィックじゃねぇぞ宣言は高らかにしてますわな。

 その上で、なんか凄かったマシンとか、衣装毎回変わる若手チームとかよかったところはあるが、全体としてパッとしない。ボスがあまりに小物であることと狙われる動機が原因だろう。

 50歳で定年になる暗殺会社で、年金カットの為に殺す、という設定だが、だとしたらどんなにきつい仕事で高報酬を集めても老後の楽しみはなくなるのが若手だって理解できるはず。自分も50手前で消されるのに馬鹿みたいに楽しくダンカン殺しを頑張る意味が良く分からない。敵がバカだとどうしても主人公がカッコよく見えないものだ。

麻薬王

Drug King

WATCHA4.0点

Filmarks4.1点

 ヒロポンでのし上がり、そして落ちぶれていく一代記。

 「タクシー運転手」では、この映画の後半部分あたりだろう光州事件での正義のタクシー運転手を演じたソン・ガンホが成り上がり、そして見事な転落っぷりを演じている。ソン・ガンホが主演するだけである程度は成立しているもんね、凄い役者さんだ。

 イメージとしては、「日本で一番悪い奴ら」が一番近いだろうか。組む相手を次々変えながらどんどん大きくなっていき、表ではドンドン出世していく。そんな中でも麻薬王自身は愛国者だと思い込んでいるし、おそらくは朝鮮戦争、っていうか朴正煕暗殺以前の歴史観から抜け出せなかった。いわゆる時代に置いていかれた男なのだ。

ハイ・フォン:ママは元ギャング

Furie [Blu-ray]

WATCHA4.0点

Filmarks4.2点

 ライリー・ノースに向けて女性大活躍の復讐ものを。

 娘を誘拐したら母親が武術の達人だったパターンのベトナム映画。

 カンフー映画に近いぐらい格闘で動作が止まってカッコいいし、作業場や市場での格闘は、包丁は勿論、金槌や千枚通し、歯車などその場の道具での攻撃合戦も滅茶苦茶楽しい。

 1幕目地元、2幕目ホーチミン、3幕目電車と綺麗な3幕構成で、誘拐される前に親子のちょっとした仲違いも描かれ、ど定番をしっかり抑えて大満足。

 主演の女優さんの持っている眼力も素晴らしいが、ラスボスの女優さんの持っている威圧感、強さはさらに素晴らしい。

セレニティー:平穏の海

WATCHA3.5点

Filmarks3.6点

 「老人と海」的な釣りの話かと思わせておや、人殺しか、と思わせてのそのジャンルの話だったのかよ!展開。まさかの箱庭展開。

 意味深なセリフの数々やとこらどころの違和感で示唆されてはいたものの、理解するまで時間はかかった。

 ただ、分かった上でも疑問がいくつか芽生えたりするので中々飲み込みづらいのは事実。NPCの中で何故マコノヒーにだけ自我が芽生えたのか?そうプログラミングされただけでパトリックは義父を殺す前提でシミュレーションしてた?既存プログラム側もパトリックが作ったはずなのに何故殺しを止めようとしてくるのか?

 結局、壮大な海での釣りシーンが実は1番スリリングかも。

トリプル・フロンティア

Triple Frontier (Original Motion Picture Soundtrack)

WATCHA3.5点

Filmarks3.7点

 まー仕方がないけど因果応報、でもそこには絆が。そんな感じの強奪もの。

 南米、雨、こんなはずでは感で恐怖の報酬を思い出したりしてたけど、ローン・サバイバーとかにも感じるシーンもあったり。

 まあとにかく豪華な俳優陣なのだが、欲は身を滅ぼすを地で行くベンアフには流石!という感じ。

ザ・テキサス・レンジャーズ

WATCHA4.0点

Filmarks4.1点

 「俺たちに明日はない」のボニー&クライドを追ったテキサスレンジャーのお話。

 時代に乗り遅れた、置いていかれた男たちの物語だということが子どもに追いつけないシーンやFBIの科学捜査との比較などで描かれる中で、熟練の技で追い詰めていく。

 だが、あまりに有名な銃撃シーンを経ても達成感はない。ボニーとクライドにばかり人気が向かう作中、彼らは正当な評価を受けた状態では終わらない。死んで終わるアメリカンニューシネマよりも残酷なラストかもしれない。

 なによりも、「俺たちに明日はない」がクラシック扱いされる中で本作はネトフリ配信。後世の人だってボニクラの虜なのだ。

 「俺たちに明日はない」まだ見てないけどね!

ユニコーン・ストア

Unicorn Store

WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

 I Kill Giant(邦題は「バーバラと心の巨人」だけどこのタイトル嫌い)に結構近い印象。

 若い女性が直面しなくてはならない現実にファンタジーで立ち向かうが、じゃあそのファンタジーは現実なのか、虚像なのか…?な感じで、コッチはよりヤング・アダルト層になり、悩みもそれに合わせる感じに。 

 また、ブリー・ラーソンサミュエル・L・ジャクソンの衣装を含めて非常に明るくポップ、レインボーなカラーリングが印象的。十人十色ってか。

マーダー・ミステリー

WATCHA4.0点

Filmarks3.9点

 さえない夫婦が15年目の新婚旅行でセレブに出会い、誘われるまま船旅に行ったら死体の山!クローズドサークルものかと思いきやあっさり寄港するし、バンバン殺されるしなミステリ。いやまて、この夫婦ちっとも真剣じゃないし、殺人事件の容疑者になってるのにそれと同程度に夫が昇進の嘘をついてたことが重要らしい。最高にふざけている。なのに完成度は高め。

 ふざけまくっているのに意外とコメディシーンが謎解きにつながっているし、色んなミステリのオマージュも捧げられているのは非常に好感が持てる。ミステリで探偵が真相を解き明かしたら犯人が認めて自供するはずよ!!辺りは最高に好きだった。序盤はしっかり人物紹介に使うしでミステリ連載漫画の第1話みたいな感じ。トリックを弄した感じもしないのがまた良い。

 インターポール周りの、あれだけの容疑者がいるのに主人公夫妻を疑い続けたり、介入後も死者がドンドン増えていくあたり無能っぷりだけは少し残念。コメディだからセーフに近いけど、警察があからさまに無能な扱いなのはあんまり好きじゃないのよね(横山秀夫の影響)

パーフェクション

WATCHA5.0点

Filmarks4.8点

 一体ジャンルは何なんだ!?とばかりに転々としていく驚きっぱなしの90分、計3幕+エピローグ。

 色んなフェイクやミスリードも入れながら最後にわかる真相の伏線もしっかり張っている。そしてラストに向かうその高まりはまさにチェロの演奏のようにドンドン昂っていく。まあ端的にいえば、パク・チャヌク「お嬢さん」ですよ!立場を利用した酷い性虐待、そこからの脱出と裏切り、そして女たちの反撃、愛。流石に洗脳から覚ますために手首切るのはエゲツないですが、それもラストカット、2人でパーフェクション=完璧な演奏を達磨状態の黒幕にやってる瞬間に最高に変わりました。極致、ってのは1人じゃ辿り着けねぇもんだよ。

 慣れてる方でも少し多めのグロがしんどいトコもありますが、見逃していたら後悔してたと思います。

 あと、いやーな雰囲気が続くし、音楽モノだし、二転三転なので映画館で他のお客さんの反応込みで見たかった。

サバハ

WATCHA4.5点

Filmarks4.5点

 怪しげな新興宗教を暴いて宗教界を守る、みたいなちょっと胡散臭めな牧師が調べ始めた宗教団体、そして広目と呼ばれる男、腹の中で妹の足を喰った生まれてはならなかった双子の姉。時系列が乱れているのかすらわからないまま、それぞれの物語が展開していき徐々に交差していく。コクソン好きならオススメできます。あの刀振り回す儀式で始まるので楽しいし。

 その陰謀の大まかな全貌を警察が知る瞬間は、視聴者にとっても恐怖であると同時に、冒頭で主人公が挙げていた組織としてオウム真理教が上がっていたことを思い出す。

 広目、という名が指すように広目天、即ち四天王(増長天持国天広目天多聞天)がいる密教を中心とした仏教の世界。まあマタイの福音書とかユダっぽさ、チベット仏教エホバの証人と、多様な宗教が出入りはするんですが、最低限の高校倫理の知識で十分に乗り越えられる説明。っていうか宗教大集合。

 その後にもうひとひねり加えてきて、オカルトと現実の境界線が曖昧になっていき、予言が実現するとき、何とも言えぬ感情になる。

シャフト

Shaft (Original Motion Picture Soundtrack)

WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

 ブラックスプロイテーション作品のリメイクの続編。

 うーん。謎解きとしても、アクションとしてもフツーって感じ。親子がテーマだけど、継承ってよりみんなでやってやるぜ、マザーファ…!みたいな感じだし。

 まあこれぐらいが刑事ドラマ2時間ものだと思えばちょうどいいか

ANIMA

ANIMA [輸入盤CD] (XL987CD)

 WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

 ポール・トーマス・アンダーソン作品は未見なのですが、ネトフリにあったので手始めに。

 洋楽弱者としては特に曲に思い入れもないMVって感じは否めない。

 「ANIMA」というタイトルはアニメーションや縄文期のアニミズムなどの語源を思い出し、いわゆる魂が宿って動き出すニュアンス。じゃあこの作品において逆に魂を抜かれたように動く主人公以外のダンサーたちは…とか考えることはできる。出来るのだが、これって映画なのか…私には判別できない。