どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB) です。
昨年も物語るカメさんの映画オフ会の直後の更新はコレだったので、重ねたいと思います。このミスから読みたい作品をピックアップして備忘録として残しておくやーつです。映画オフ会で喋り損ねた「ハッピー・デス・デイ」の連呼が凄い。
昨年取り上げた作品はどれも本棚に入ることすらできていません。それもこれも読書の時間が少しずつ減っているせいでしょう…。ただ、同時更新していた歴代ベスト10を30年分からピックアップする中からは少しずつ読んでたり、買っていたりしております。現在は、島田荘司の『写楽 閉じた国の幻』を読んでいるところです。
今年は本数が多いですが、行ってみよー!!
medium 霊媒探偵城塚翡翠/相沢沙呼
劇場版も大好きだった『屍人荘の殺人』。その再来とまで言われているのでこれは押さえておきたい。
明らかにラノベが浸透した影響下にあるだろう霊媒探偵が新本格として成立するという現代性に驚きつつも、直感+論理でしっかり解決できる、ということで国内1位を獲得しているのだから期待値が高くて止まらない。題材を考えると実写映画より、アニメシリーズの方が向いてそう。どっちにしても映像化権争いをしているはずなので、映像化前に読まねば…
魔眼の匣の殺人/今村昌弘
最強の1冊でありながら、実写映画も大成功(だと思っている)『屍人荘の殺人』の続編も大好評。今回もクローズドサークルで、今度は見立て殺人、っていうか預言殺人。屍人荘の舞台が紫湛荘だったように、今回の舞台は真雁地区、とやっぱり名前で韻を踏んでいるのが嬉しいところ。実写映画で、そもそもアイツらの元凶がさっぱりわからない!と思った人は斑目機関の存在をこの本で知ることになるのだろう。
罪の轍/奥田英朗
読もう、読もうと思って読んでいないのが奥田英朗作品だ。精神科医の伊良部のシリーズ以外は未読のはず。そんな中、TBSラジオ「東京ポッド許可局」にて、プチ鹿島さんが年末年始の楽しみに挙げていたのが本書。いや、PKさんが楽しみなら楽しい本に決まっている。
時代が『オリンピックの身代金』以来の東京五輪、ということで併せてそっちも押さえておきたい。
オリンピックの身代金/奥田英朗
- 作者:奥田 英朗
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/11/28
- メディア: 単行本
紅蓮館の殺人/阿津川辰海
だから、我々に〇〇館の殺人をぶら下げたら食いつくんだって!屍人荘とは違い、今度は山火事でクローズドサークルが作られる模様。エラリー・クイーンのの『シャム双生児の謎』の本歌取りらしいが、クイーンの国名シリーズはいっぱいありすぎてどれがどれか忘れているので新鮮な気持ちで取り組みたい。
我らが少女A/高村薫
誰よりも汗臭い男たちを描く大好きな作家、高村薫の代表シリーズの合田刑事の新作が12年ぶり、と聞けばたまっていられない。「フリクリ オルタナ」において登場キャラが持っていた本が「照柿」であったことから盛り上がっていたミステリファンは他にいたのだろうか、というぐらいだ。
更に言えば少女Aと来た。聖子ちゃん、明菜ちゃん、キョンキョン論争では圧倒的明菜ちゃん派の私としてはタイトルからして見逃せない。結果必読である。なお、一番好きな歌は日によって変わるが、今日の気分は「北ウィング」である。
イヴリン嬢は七回殺される/スチュアート・タートン
海外版の4位。昨年見た「ハッピー・デス・デイ」及びその続編のおかげで、タイムリープ×殺人の本書も気になるポジションに。確か、映画の感想でも書いたが、乾くるみ「リピート」など、元々タイムリープと本格は意外と相性がいいのだ。そして、本作はタイムリープの度に人格転移も重ね掛けしていて、館ものというではないか。どんな天下一品のラーメンよりも食いごたえのある傑作の予感がする。
愛なんてセックスの書き間違い/ハーラン・エリスン
こんなものはタイトルで勝ちである。存じ上げなかったが、SF作家であり、既に逝去されたハーラン・エリスンの非SFの短編集ということだが、SFだって大歓迎なので本書をきっかけにこの作家の世界にも浸りたい。このミスのガイド通りなら、『死の鳥』収蔵の「鞭打たれる犬たちのうめき」、ということになる。
雪が白いとき、かつそのときに限り/陸秋槎
さあ、知ってはいたけど手を出していない未知の財宝がたんまり眠る宝庫、中国文学のゾーンだ。古典なら魯迅の『阿Q正伝』ぐらいは読んでいるけど、とにかく最近のは凄いらしい。その中でも、本作はタイトルがもう好きだし、雪で出来た(=おそらく足跡がない系だろう)の密室に、後期クイーン問題に踏み込んでいくという。ああもうワクワクしかしない。
黄/雷鈞
中国文学第2弾は、漢字変換しても著者の名前がちっとも出てこない本書。ドイツ在住の盲目の少年が中国に帰国、事件を解決に導くという。昨年見た「見えない目撃者」が良かったな、なんて思い出しましたがそういえばオリジナルは韓国の「ブラインド」だが、中国版で日本と同名タイトルのリメイクがあった気がする。島田荘司賞受賞作品に対する批評で「奇想」という言葉を用いられると、必然的に『奇想、天を動かす』を思い出さざるを得ないが…。
彼女は死んでも治らない/大澤めぐみ
ラノベ系ミステリの最新系。っていうか、あらすじを読むと殆ど「ハッピー・デス・デイ」感覚だろう。友人を殺した犯人を捜す短編集で、友人は4回殺される。なんとまあ、主人公が真犯人を指摘すると友人は生き返る設定だと。友人が他殺だと分かると安心する、というその状況がもう面白い。最終章でそもそも何故、4度も殺されるような人物なのか、動機面からのアプローチがあると多分大好きになるだろうな。
三体/劉慈欣
あらゆる媒体で紹介されている気がする、中国SFの真打。いやー読まなきゃな、と思っていたら、このミスの中でも紹介されていたのでここに読みたい気持ちは宣言しておく。3部作の1作目というので少し腰が重いが、逆に言えば1作目なのにこの評価というのはそうとうな秀作であるはずである。
息吹/テッド・チャン
先述の『三体』以上に読まなくては、と思うのがテッド・チャンの短編集である。傑作映画「メッセージ」の原作者としても十分に名前が知られているが、本作もヒューゴー賞受賞作2本を含めて楽しみ以外の何物でもない。いや、よく考えたら『あなたの人生の物語』も読んでないじゃん。メッセージの原作だけ図書館で読んだんだ…
逃亡のガルヴェストン/ニック・ピゾラット
こちらは、映画を見逃した「ガルヴェストン」の原作。本を読みたい、というよりも映画の方をチェックしたいな、と。だってエル・ファニング出てるって書いてあるし。
という訳で、例年よりも読書意欲が高いのか、毎年4冊程度のピックアップだったのが凄い数になりました。華文本格派に挑戦する年にしたいですね…。あと忘れてないです、チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』とナオミ・オルダーマンの『パワー』。これは必須だよなぁ…。