抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

今度は砂漠に雪山!「ジュマンジ/ネクスト・レベル」感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 今回は、久しぶりのリブート?リメイク?だった前作をスルーしたら思いのほか評判が良かったので、慌てて「ジュマンジ」「ザスーラ」「ジュマンジ/ウェルカムトゥジャングル」を予習して臨んだシリーズ最新作の感想になります。アニメファンには慣れ親しんだゲームの世界に入っちゃった系。アニメの方も転生してばっかで嫌気がさして来ているのは間違いないですが、果たしてこの続編はどうなることやら。

Jumanji: The Next Level (Original Motion Picture Soundtrack)

WATCHA3.5点

Filmarks3.4点

(以下ネタバレあり)

 

1.難易度大幅UPのジュマンジに挑め!!

 今回の「ネクストレベル」は、バグったジュマンジに吸い込まれることで難易度が上がり、前作とダンジョンの内容も大幅に変化したゲームに挑むというもの。

 砂漠、オアシス、谷、雪山といろんな場面が登場しますし、ダチョウ、マントヒヒ、ハイエナなどの動物が今回も襲い掛かってきます。

 特に今回激賞するべきは各役者でしょう。前作も中身を演じる俳優が別にいる中で、その別人をキャラとして演じる作業をしているのに、そこに重ねて更に違うキャラクターを演じなくてはならないことで、前作との整合性も重視されてしまう。そんな中でも中身が殆ど入れ替わらなかったカレン・ギランを除くゲーム内メンバーは素晴らしかったのでは。ドウェイン・ジョンソンケヴィン・ハート、そしてオークワフィナの老人っぷりは見事でした。中身が変わらなかったカレン・ギランも流石ガーディアンズ。前作同様のダンス格闘技に加えヌンチャクも振り回し、アクションでしっかり見せ場を作ったと言えるでしょう。

 ただですよ、そんなにバグってなくないか?と。予告編にあったようなバグですよ!っていうシーンがなく、単純に間違えてジュマンジ2のカセット差しちゃったぐらいなもんじゃないですか。あ、今気づきましたけど、後から合流するベサニーとアレックスがジュマンジへようこそ!!から始まったにしては合流早すぎとか、敵の本拠地の要塞が守備ガラガラで侵入し放題なのがバグなの?都合のいいバグだな…

tea-rwb.hatenablog.com

2.爺さん導入の功罪

 本作と前作での大きな変更点は間違いなくゲームキャラのうち、2人に爺さんが紛れ込んでしまったこと。これによって良かったことも悪かったことも生まれました。

 まず良かったのは、単純にゲームのことを知らないっていうか、自分の身に起きていることを理解していないので、彼らへの説明がそのまま前作を見ていない人へのルール説明にできること。部活初めてアニメとかと同じ親切設計。そこをしっかりやっているので、馬状態のマーロのスキルを見るだけで引っ張っておけますし。

 そして当然、マーサたちにコントロールできない老人の暴走はギャグとしてはまあまあ面白い。前回でも炸裂したロック様のキメ顔も今回だと違う意味を持つので面白くなる。

 ただ、今回投入した爺さんは非常に劇薬で。ちょっとなら面白いスパイスになるんですが、言うことを聞かず、足を引っ張る役が半分いるとどうしてもノイズっていうか、ハッキリ言って邪魔なんですよね。何よりの証拠に、中身を入れ替える「君の名は」水によって、メイン4人が前作と同じになった瞬間話もスムーズだし、やっぱ雰囲気良くなる訳で。爺さん2人はダブルで捕獲されてしまうわけですよ。制作陣からもはっきりもう仕事ないんで邪魔っす、と言われているようなもんですよ。

 そしてもう1個。こっちが致命的なんですが、物語的なテーマがぼやけたこと。爺さん2人の仲直り、というのが話の1つの軸になる。友情の美しさ。それは分かります。でも、これゲームに入らないとできなかったのか。エディ爺さんが頑固じゃなければ現実でとっくの昔になんとかなっていた感がマンマンでした。

 そのせいで、本来ジュマンジに勝手に入っていったスペンサーの孤独感、っていうかブレイブストーン博士中毒ですよね、ここの部分が全く解決していない。一応マーサと氷壁で話し合って結びなおされてますけど、遠距離カップルで勝手に片方が拗ねてたけど、久しぶりに会えてまた燃え上がったよ、程度じゃないですか。スペンサーを悪く言うつもりはないですけど、彼の中の何かが変わったわけでもないし、爺さん2人のメッセージも特に関係ないので、半年もすれば、やっぱりNYで寂しいよ、とかなるし、平気でもっかいブレイブハート博士に勇気をもらおうと…とか言い出してジュマンジに入りますよ、絶対。

 ということで、結局友情の美しさと恋愛の難しさ、青春の不安定さが上手くリンクしていないので結局最初っから最後までオリジナルメンバー4人で冒険してればよくね?となってしまうのです。

3.オマージュ祭りや!

 普段オマージュとかには気づかない人間なんですが、今作は露骨だったので流石に気づきました。

 まずダチョウに追われるところは車の屋根剥いだりしてるときに、あっ、ジュラシックパークっぽい!と思いましたし、多分当たっているはず。そして渓谷にある動く橋を越えていくのは、ハリー・ポッターシリーズのホグワーツの階段を思わせましたが、きっとインディ・ジョーンズの何かだと思います。1作も見ていないので分かりませんけど。

 そんで一番露骨だったのが、ミッション・イン・ポッシブル1作目の床スレスレで吊るされて作業する奴。これは間違いないでしょう。その割に緊張感無いシーンでしたけどね。

 さあそしてラストは、壊れかけのジュマンジに手を伸ばしてしまった修理業者によって、ダチョウが現実世界に召喚!初代のジュマンジに戻る形で続編製作を匂わせることとなりました。ただ、どうでしょう。ここ2作で.初代への敬意は見せた、っていうかネタを使い果たしている中で、根本アイデア自体まで使っちゃうんでしょうか。ゲームの世界に入れるんだからもっとやりたい放題、即ち2作目の「ザスーラ」みたいに宇宙とかガンガン出したりしてしまえばいいと思うんですよ。まだ次も動物縛りでいくの?と。でもまあ、現実でダチョウが走り出してしまってはしょうがないので、彼らが止めてくれる続編を期待しましょう。なかったら、あなたの街でもダチョウが走っているかもしれません。