抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

ありのままの「アナと雪の女王2」感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 ディズニーを年に2作も見るなんて珍しいっすね。前作は日本中で大ブームでしたけど、今作はどうなるんでしょうね。一応前作は流行だし、と思って見ておいたのでディズニーなのに見るパターン。ってことで、1の時と同様吹替での鑑賞となります。

 ちなみに前作の「ありのまま」の提示に関しては日本型の場合…みたいな話をブログに書こうとして挫折した下書きが見えるような気がするけど気のせいだ…

Frozen 2

WATCHA3.0点

Filmarks3.1点

(以下ネタバレ有り)

 1.圧巻のパフォーマンスと表現美

 まあディズニー作品にこれを言うのはもはや当たり前かもしれませんけど、それにしたって凄いのはアニメーション表現の美しさ。キャラクターたちの可愛さも勿論、雪、正確には氷を操るエルサだけでなく火・土・風・水の精霊に霧と非常に多くの要素を華麗に描き切っております。日本的なアニメーション以外のアニメの美しさに胸打たれることの多い今年ですが、その中でも真打ちというべきか、圧倒的な力量を見せつけてきた気分です。

 特に個人的に凄いと思うのはやっぱり水の描写。越えるべき悪の海、でしたっけ、の海の水、精霊としての水、そしてエルサの操る氷、アレンデールでの噴水、アナとオラフが氷の船で行く川、全部水な訳ですよ。水の三態を全力で描きながら、その違いも明確であるという書き分け。「水」はやっぱりアニメ映え、というかアニメーションの実力が発揮されますね。

 そして吹替で鑑賞した身として非常に感激したのがエルサを演じる松たか子さんの圧倒的声量。今回のメインテーマ「イントゥ・ジ・アンノウン 心のままに」が前作のLet it Go みたいに大流行することはないと思います。それほどまでに松さんの歌手としての力量・声量が完璧に発揮されており、とてもじゃないけどマネしたり、口ずさんだりできないレベルの曲になってました。まあ、あとずっと引っ張る曲が「ハァァァ」みたいなやつですからね。

イントゥ・ジ・アンノウン

イントゥ・ジ・アンノウン

  • provided courtesy of iTunes

  ちなみに、松さんの曲で一番好きなのは「明日、春が来たら」です。

明日、春が来たら

明日、春が来たら

  • 松 たか子
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

2.可愛すぎるオラフとトリックスター問題

 元々はピエール瀧さんが担当していたのが、例の件によって交代してデレマスのプロデューサー役でお馴染みな武内駿輔さんに変更になったオラフ。ところが、今回は重要度は更に重要度を増してトリックスターとしてかき乱して面白くするだけでなく、胸を打つような別れ(いやどうせ分かってたけどさ)も担当するなどかなり大切なキャラになっていました。「キルラキル」ファンとしては、完全にマコ劇場としか思えない前作のおさらいパートなんかは腹を抱えて笑いたい気分でした。

 ただ、オラフが最高のトリックスターなのは問題ないとして、クリストフとスヴェンのコンビもギャグ及び運搬担当になっているのが少し気になりました。前作のディズニープリンセス像をひっくり返す恋愛よりもシスターフッド最高!というところを考えると、彼が恋愛でメインになるよりは狂言回しになるしかないのはわかるんですが、彼らもトリックスター的な振る舞いが多いので物語が進まない場面が多すぎたように感じたというか。アナ&エルサの物語が見たいのにクリストフのプロポーズが上手くいくかなんてどうでもいい、という感じではっきり言って邪魔でした笑。これは本当に申し訳ないですけどね。ミュージカル映画でもあるので、彼のパートになると物語が進まないのが確定しているのでね。物語が進んでいる本筋の中で乱すオラフと複線的に進んでいるサブラインの中で止まってしまうクリストフ&スヴェン…。今回は物語が非常に複線的に進み、途中からアナ&オラフ、エルサ、クリストフ&スヴェンで独立して最後に交差する形をとっているので邪魔さが際立つんですよね。

3.「NARUTO」じゃね!?

 さあ劇場で見た何人が思ったでしょうか。具体的な作品名は出なくても、ジャンプ系漫画の系譜を色濃く映す作品だったことに異論はないのではないのでしょうか。

 予告ではエルサが魔法を使える理由は…?なんて煽られていたのに結局血筋問題になるし、精霊がいっぱい出てくるあたりは、一瞬で忘れ去られたNARUTOの属性を思い出したり。螺旋手裏剣のあたりでしたっけ。暁の不死身コンビとやる前ですよね、確か。

ナルトフィギュア 「風遁・螺旋手裏剣」渦巻き ナルト海外限定完成品

 NARUTO話はさておいて、物語的におかしなところばかりだったのがうーん、めちゃくちゃ不満でした。最近のディズニーは、というほど最近のディズニー作品を見ているわけではないですけど、結論ありきで物語無視しすぎじゃないですかね。

 話の展開自体はご丁寧にはじめっから離れていても心は一つとか歌ってたし、まあいいっすよ。ただ、まず第1によくよく思い出してみるとルール設定が曖昧すぎるんですよ、このシリーズ。エルサが使える能力の限界や精度がよくわかんないままなんで、ラストにアレンデールを襲ってきたダムの水を全部氷の壁で止められる力があるなら、悪戦苦闘して水の精霊に乗っかってようやく超えた悪の海だって、どうとでもできたようにしか思えない。だって悪の海をはるかに超えて現在地がさっぱり分からないアナに真実を伝える雪像作れるんでしょ?じゃあもうアレンデール民と一緒にいて遠隔操作で全部出来るじゃん。

 第2に、結局声の主がなんなのか、のところがよくわからない。私に理解力がないんですかね。勿論、映画内で明示された通り、声の主はエルサの母でした。でもエルサの母は海で命を落としてあそこに到達していないはずですし、エルサの母ならエルサの命の危機になるような試練を与える意味も良くわかりません。エルサだけに声が聞こえる理由もよくわからなかったし。エルサが混血だからなら、アナに使えていいし、あと精霊たちが最初っから従っていいですよね。そしてエルサは何故凍ったのか。何故復活したのか。あのナントカって記憶をつかさどる川の設定が全く説明されないので分からないんですよね。また凍るのかよ、エルサ。

 第3に、結局ダムがなんだったのか。ダムが実は民族の調和ではない目的で作られた、それはいいんですけど何故それがそうなるのか、よくわからないし、ダムを造ったならそれで力関係が固定されるはずなのにその場で襲っちゃう祖父。流石にわからない…。そして、ダムを破壊することで自然と和解になる、でもアレンデールは壊れちゃうよ、ならそれってただの自然側の報復だよね、うん。そして実際問題としてダムを壊すのはアナや魔法の森から出られなくなった人たちじゃなくて、土の精霊の投石。それでいいなら最初からお前らが投石すれば良くないか?と。アナたちアレンデールの人間が壊すことに意味があるのではないだろうか。

 第4に、これは非常に私的なクレームですが、やっぱり前作でも提示されたシスターフッドが最高っていう結論だったのに、アナとエルサの再会より後のクライマックスとしてプロポーズを持ってきて、アナとエルサは別れて暮らす、という結論。離れても心は一つって言ってたけどさ!手を離さない!って言ってたじゃん!ねぇ!2人は一緒にいてよ!!

 

 以上、これ以上書くとアナ雪2を嫌いになっちゃいそうなのでこの辺で!やっと続編やリメイクではなくオリジナルの作品「1/2の魔法」が控えてるのでこれを楽しみにしたいと思います。同じアナなら「アナと世界の終わり」を是非チェックしてみてね!(偏愛)

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