どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。
遅れに遅れた春アニメの感想です。春アニメ…もう夏アニメが終わり、分割2クールのfairy goneは後編が始まってしまいます… 。とはいえ夏アニメもキャロチューが完全放置なので感想が書きあがるのはいつになるやら…。鑑賞したのは以下9本。
なお、20日に公開された映画3本勝負やらヘルボーイの試写会を体調不良で退出するレベルで映画館への不安増大症状が出ているので映画の記事は試写会で鑑賞済みの2本はともかく、その後は不透明。予定は未定で。10/4のジョーカーで体調が悪いとヤバそうなのでそれまでになんとかしたいです。
さらざんまい(WATCHA5.0点)
幾原邦彦監督の最新作。オリジナルを毎回作れる監督って、予算面でも日本では貴重ですよね。
難解なことで知られる監督作、「輪るピングドラム」「ユリ熊嵐」あたりは見てますけど、全体的にリテラシーの低い時期に見ているのでなんのことやらさっぱりだった記憶が。
そこと比較すると今作はかなりわかりやすくポップな印象に。さらざんまいのミュージカルシーンは口ずさみたくなりますし、「さらっと」「欲望搾取」などのワードセンスは「生存戦略」とか「がうがう」とか思い出します。
欲望、河童、愛、尻子玉、搾取、カワウソ、ア、皿と多様なモチーフこそ出てきましたけど、ストレートに繋がりの大事さを説く普遍性がテーマで、自己犠牲を全否定する姿勢は素晴らしいのでは。サラちゃんとかもっと掘り下げても良いのでは?なんて思う人たちもいますが、長引くともっと訳わかんないメタファー入れてきそうなのも事実。最終的には悠も罪を償ったうえなので完全なハッピーエンド…って待て、私は燕太のクレイジーな行動に関しては忘れてねぇぞ…。
どろろ(WATCHA4.5点)
手塚治虫の未完の傑作を何度目かのアニメ化。とはいえ実写映画含めて初めて触れました。
体のすべてを奪われて鬼神を倒すごとに体のパーツが帰ってくる百鬼丸にどろろのコンビのロードムービーで、最終的には宿命の敵・兄弟対決が待っているという流れ。人ならざる者から人になっていく当初は、新たに知覚するものが増えることでの戸惑いや戦い方の変化の面白さが見られたが、そのうち人に体は近づいているのにおかしくなっていく百鬼丸。人なのに鬼神と契約してしまった多宝丸。結局人ならざる者対決となるものの、最後は赦しの物語に。まあ国か人か、とかいう究極の二択を作り出した親父が許されて多宝丸や母、救っただけの爺さんが罰を引き受ける形なのはちょっとムカムカします。ただ、人とは何か、手塚治虫のメッセージと向き合って作ってくれたと思います。
個人的には、最終決戦に突入する前に訪れた村で百鬼丸が結婚することになる話が一番好き、というか、その村の女の子cv宮本侑芽さん(a.k.a.GRIDMAN)が最高に好き。
川柳少女(WATCHA4.0点)
THE花澤香菜アワー。
コミュニケーションが苦手な面々が集って各々の方法で言葉を伝える作品で、喋らず川柳を読む、喋らずイラストで会話、占いを隠す、ヤンキーだけどいいやつ、モテないツッコミ役部長と割と類型化されたキャラとはいえ、やっぱりキモは川柳。ちゃんと抑揚付けて読むのでアニメにした価値、声がついた価値が顕著に出た作品になった。
うん、いろいろいったけど花澤さんの感情表現が豊かすぎて幸せだった、疲れてるのかもしれない…
文豪ストレイドッグス第3シーズン(WATCHA4.0点)
第2シーズンは黒の時代から始まるサプライズだったが、今回は劇場版の特典だった中原中也の過去話からストーリーはスタート。ファンには嬉しいサプライズだと思うと同時に、この作品の支持層はやっぱり女性なんだなぁ、と痛感。ちなみに私が貰った週の特典は中島敦と芥川龍之介の立場が逆の世界線の話なので、流石に映像化はしないだろう。
フィッツジェラルドを倒した後の、ドストエフスキー率いる鼠の家との闘いの序章を描いて終わったが、これは仕方ない。なんせドストエフスキーは現在単行本でも決着がついておらず、彼の異能すらわからん状態なのだ。そういう意味では、夏目先生登場と共喰いまでで終わるのは妥当で、原作の方でドストエフスキーの決着がついたらアニメは続編があるだろう。その前にオリジナルで映画をもう1本やるかもしれない。
アイドルマスターシンデレラガールズ劇場 CLIMAX SEASON(WATCHA3.5点)
シン劇もいよいよ最終シーズン?なのかしら。
どんどん声付きのアイドルが増えていく中で顔見世興行になっていってる感じ。楓さんも割を食って1回しか出てこなかった。まあ出てこないよりは嬉しいけど。
みだらな青ちゃんは勉強ができない(WATCHA3.5点)
まさかの同一クールに勉強ができないカブリという奇跡を起こした作品。川柳少女のついでに。
まあ父親がエロ小説家のせいで耳年増で妄想癖たくましいからもう大変、というだけのラブコメなので何も考えずにぼーっと見ていて普通に楽しい。でもお色気枠としても、ラブコメ枠としてももっと強いのがあったので埋没するなぁ。特段これっていう強みは分からなかった。
八月のシンデレラナイン(WATCHA3.5点)
女子野球ものでソシャゲアニメ。とにかくストーリーは、スポ根の部活始めましたものとしては王道を行きながら、ちゃんと女子野球の話にもなっているし、初心者が簡単に活躍できない話や特訓の話などとても良く出来ていた。最終回のサブタイでもあるプリンセスプリンセスの「世界でいちばん熱い夏」がかかるタイミングも完璧。
だが、アニメーション作品として評価するとやはりどうしても絵が動かなすぎる。作画監督の人数が凄い回もあったので、現場の状態は察するに余りある。それでも限界まで省略できるところは省略して、止め画で済むところは済ます、という方針でなんとか最終回まで完走してくれた感じ。スポーツもので試合中に全く同じ絵を使いまわすなど、許容できないレベルもあったが、ここからスマホのゲームにも入れそうな作品だった。作品数の増加によるアニメスタジオへの負担の話に思いを馳せずにはいられない。
なんでここに先生が!?(WATCHA3.5点)
教師と生徒の恋愛ものは基本教師オイコラ教育舐めるな的スタンスなのだが、これぐらいはっちゃけてバカにやってくれるなら笑える。あと授業はないがしろにしていない。先生と生徒であることよりも、学校外なのに先生と遭遇してTo Loveる的なラッキースケベが起こりまくるシチュエーション・コメディなのだが、もうずっと大爆笑してた。なんでそうなるのか意味が理屈も論理も何もない。中途半端に甘酸っぱい恋とかでもなく隠れてるだけでほぼ事実上の性行為まで行っちゃってるし。声優陣に騙されてそんなに下ネタ酷くないと予想したが、いやー騙された。見てて何も残らないけど笑わせていただいた。
Fairy gone(WATCHA3.0点)
分割2クールの前半。
とにかく全体像が見えない。この後に紹介する「からくりサーカス」とも似ているが、キャラの深堀りや世界観説明が足りないまま進んでいくので、驚きや感情移入がしづらいことこの上ない。
固有名詞が乱立している上に、キャラ自体の戦闘能力に自分とは別に戦ってくれるスタンド的存在の妖精、人工の妖精、妖精武器と覚えなくてはいけないことが多すぎ。
後半クールで大きくたたんでくれることを期待するが、秋には全キャラのことを忘れている可能性の方が高そう。
P.S.この感想は放送終了時に書いたが、他の番組を見ていて2クール目が始まる直前の現在、見事に大体のキャラの特徴と世界の仕組みを忘れている。言わんこっちゃねぇ。
からくりサーカス(WATHCA3.0点)
藤田和日郎先生の名作漫画を3クールかけて完全アニメ化。銀河英雄伝説のリメイクとかはスルーしてたが、名作物はみないといけないのでは…?という開始当時の謎の使命感で見始めた。あと製作がツインエンジン(虐殺器官を作ってくれた山本さんのトコ)なので。
中々に壮大な物語だったものの、3クールかけたことが逆に悪いほうに出てしまった印象。全て詰め込む為に原作者の藤田先生自らシリーズ構成にも参加したようだが、中盤、特に黒賀村での回想シーンなどは週を跨いでしまったので誰の記憶だったのか、モノローグの混在だったりで話が一気に推進力を失ってあとは惰性で見てました。終盤の怒涛の見せ場の連続は原作で思い入れのあるカットをこれでもかと詰め込んだ印象で、ここまで放置され続けてきたサーカスの面々の活躍などは正直何の思い入れもないままでぼーっと見てました。散る瞬間が美しいのは蓄積があるからで、その蓄積分をアニメとしてはカットしてしまって、作っている人の脳内補完で済ませちゃってる。結局初見の私は疑問を呟くたびに通りすがりの原作ファンに補完してもらっていたし。
WEBラジオを聞いていてもキャストが現場で今どうなってるの?となっていたこともあるようですし、3クールあるがゆえにカットの仕方で原作派からは不満が出て、初見からは間延び感を感じるなんとも無念な結果。林原さんと古川さんがいっぱい出てくるので混乱したのも事実。そこはキャスト変えていいんじゃね。