どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。
1クールに1度の読んだ本のご紹介。
1~3月もろくに読めなかったのに、この3か月もそこまで読めず。2冊です。後は繰り返し「Diner」の原作を読み漁ってました…。再読はいれないルールなんで…。
インプットがラジオばっかりになりつつあるのを反省せねば。活字!もっと活字を注入するのだ!!
探偵小説の室内/柏木博
正直もう内容を覚えてないぐらい昔に読んだクロフツの「樽」から乱歩、ポー、ドイルとミステリで描かれる室内と登場人物の心内描写との関連を考えた評論。面白いんだけど、そもそも読んでない作品が題材にありすぎて時間かかった。冬クールに1冊しか読めなかったのもこいつにかかりきりだったからだぞ!
もともとミステリ系の評論とかは読まないのだが、これは映画鑑賞にも使えそうと思って3年ぐらい前に買ってたんですよね。まあ読んで損は無かった。
王とサーカス/米澤穂信
このミス2016年度第1位。
『さよなら妖精』(未読)の太刀洗万智シリーズ長編第2弾だが、あとがきにあるように連続性はない。ネパールでの王族大量殺人事件という史実ともう一つの死体を軸にフリージャーナリストの太刀洗万智が謎を解く。
謎解きの手腕の鮮やかさもさることながら、ネパールを舞台にしたことへの必然性のあるトリック、そして宗教的問答。それを通したジャーナリズム、ワイドショー、そして記者としてのアイデンティティへの問い。核心的で重要な問いを孕んだ素晴らしい作品に。米澤穂信史上でも随一と言っていいだろう。個人的には「折れた竜骨」がエンタメよりの1位で、こっちはより観念的な部分で1位。