抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

2017秋アニメの振り返り(ソーマ・シン劇・お酒は夫婦になってから・十二大戦・クジラ・宝石の国・妹さえ・ブレンド・うまる・ガタリズ・少女終末旅行)

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB) です。

 冬アニメの振り返りです。結果的に1年間で一番本数の多いクールとなりました。

 視聴したのは以下の作品です。

 以上11作品(うちショートアニメ2本)です。多い!

 

第1位宝石の国(WATCHA4.5)

新しい仕事

 美しい、実に美しい物語でした。

 最近増えてきたとはいえ、個人的にはCyborg009の映画3部作のせいで見るのも嫌な3DCGの作品。そんなものを忘れさせてくれるぐらい宝石たちの持つ輝きや月人・王などの不思議な存在感を表すのにこれ以上ない完璧な表現でした。原色が鮮やかな宝石たちはみんながみんな素敵で、最終回で見せたシンシャのデレも、彼女がこれまで抱えてきた孤独を思うとつらくなりますし、同じ孤独を抱えたまま散っていったアンタークチサイトは本当に強かったと感じます。

 そして何より苦難の主人公フォスフォフィライト。黒沢ともよさんの演技も素晴らしかった。毎回割れたり欠けたりして大冒険の連続でしたが、そのたびに成長が見られました。最終回で初回のころの無邪気なフォスを久しぶりに見ると、その成長は一目瞭然でした。月人と先生の関係に迫ろうとする中で物語は終わりを迎えましたが、続きが是非見たいと思うとともに、手足の次はフォスの頭か胴体が吹っ飛んでしまいそうでそれはそれでかわいそうですね…

第2位少女終末旅行(WATCHA4.5)

「星空」「戦争」

 完全に荒廃した終末世界を少女2人が旅するだけ、というかなり実験的に感じる設定。アニメでも殆ど2人しか喋らず、たまのゲストがいるだけでした。

 世界観として、その辺のラグナロクアポカリプト系を大きく超えて本当に終末の一歩手前という状態。兵器を操る際のユーリやびうを飲んで酔っ払った時のチトを見ていると、とっくに2人は限界なのに共依存で逃げ切ろうとしているんだろうなぁと思ってしまいます。

 最終回では人間文明の武器を喰らい、地球をリセットする役目を司っていたエリンギ(っていうかナウシカやん)が登場しました。チトとユーリの2人はこれからもきっと2人だけで過ごしていき、そしていつの日か息絶えてしまうのでしょう。世界が終わっていく中で、どうにか彼女たちが安らかに眠れることを願わずにはいられません。

 最後に、特殊EDで2回流れた雨だれの歌が素晴らしかったことを追記しておきます。

第3位クジラの子らは砂上に歌う(WATCHA4.0)

第九節 君の選択の、その先が見たい

 とにかく背景美術が美しい作品でした。ここまで世界観のしっかりしたファンタジーものっていうのはなかなか最近見なかった気がします。

 主人公のチャクロが記録係ということで徹底して居合わせた第三者としていた感じで、主人公がオウニだろ感がすさまじく。あまりにも人命が軽くチャクロの幼馴染のサミなんてマミさんより早く2話で亡くなる始末。そうしたスキロス戦の展開が早かったのか、そのあと攻め手の帝国側の話とファレナの秘密の話をし、秘密を泥クジラで共有することで終わりました。ここまでやっといてない筈のない2期が楽しみです。

第4位妹さえいればいい(WATCHA4.0)

冒険さえあればいい。

 作家という仕事ものであり、こっそりハーレムものの要素も持つ作品でしたが結構深い作品だったと思います。主人公の伊月は妹と那由多と比較して才能、那由多は青春、春斗は伊月・那由多と比較しての才能、京は将来への展望。仲間たちの中で、自分にないものを持っている他者が必ずいることでそのキャラの抱える葛藤や性格がよく表れていました。伊月は本当は妹がいるのに、弟だと思っている、というところがもし2期があるなら大きな葛藤のきっかけとなるでしょう。

 また、お酒は夫婦になってからよりもお酒アニメでしたし、食戟のソーマより飯テロでした笑。ただ、ボードゲームで遊ぶくだりが思ったより冗長な感じもあったし、最終回のラノベ作家の人生以外は別に展開上の必要性も感じなかったのですが、まあ原作者の趣味なんでしょうね…

 いずれにしても、タイトル切りしなくてよかったです。

第5位干物妹!うまるちゃんR(WATCHA4.0)

干物妹の帰還

 もうとにかく幸せな時間でしたね。第1期のメンバーに新キャラのヒカリちゃん含めて幸せで微笑ましい30分を毎回届けてくれました。その中でも切絵ちゃんが成長をかなりみせてくれていて、成長が普通はないサザエさん時空の日常ものの作品の中でかなり輝いていたのではないでしょうか。

 海老名ちゃんにもお兄さんがいたことが分かり、妹'sの面々とその兄(姉)の結節点が増えていき、そういった点でも楽しみが増えました。個人的に叶課長に頑張ってほしいのですが、アニメの感じだとタイヘイさんは海老名ちゃんルートか永遠にうまると兄妹仲良しルートのどっちかなんでしょうね…

第6位お酒は夫婦になってから(WATCHA4.0点)

第1話 「梅スプレッド」

 もともとアニメ版ワカコ酒が大変気に入りまして。孤独のグルメがあたったからか、増えましたよね、こういうの。まあそれで飲酒短編アニメだし、これは第2のワカコ酒に違いないと思って視聴してました。が、しかーし!その正体はお酒を媒介としたイチャイチャ夫婦を観察するだけの壁殴りアニメでした、ごちそうさまでした。なんですかこれ、最高かよ。

 出てくるお酒もワカコ酒と比べるとかなりカクテルよりで、千里さんはお酒を飲むと甘えたくなっちゃうタイプで飲みの哲学を持っているワカコさんとは大違い。ワカコ酒2期やってくれねぇかなぁ…

 話を本題に戻すと、バリバリのキャリアウーマンの千里さんと家でのOFFの状態の千里さんとのギャップがたまらん。料理ができないキャリアウーマンというある種記号的なキャラクターでありながら、このポジションは恋愛下手で独身ネタをいじられたりするポジションが多かったので、結婚している設定を持ち込んでより強くウチ/ソトを分離できていたのが他作品との差別化を図れた点だと思います。

第7位アニメガタリズ(WATCHA4.0)

ミノア、アニメルーキー!

 膨大な量のアニメパロディを実行しながら、アニメ研究部を作り上げていく部活ものと思いきや、アニメに現実が飲み込まれ、その原因は自分だったというセカイ系作品に。最後は強くてリスタート状態の平行世界に移動した感じに。ただのアニメのパロディに留まらず、尺や制作会社等のメタネタも膨大であり、今後アニメで中途半端なオマージュやパロディをやってもこれを超えることはできなさそうです。大きな影響を与えたと考えられるのは、劇中で2作品だけブルーレイが机の上に置かれているシーンがあった今敏監督の「パプリカ」と細田守監督の「サマーウォーズ」でしょう。

 そういえば、第11話ではOPを3回も流す暴挙にも出ていました笑。割と平和な前半も、最終回に向けてしっかり積み重ねていたのは好印象ですが、アニメ界の住人のオーロラ先輩の行動原理が自分の名前を変えてもらうために現実にアニメを侵食させることならば、何故、アニ研を廃部に追い込む必要があったのか、実は語られておらず完ぺきとはいかなかったなぁと。あと、小ネタに走りすぎて、毎週やってたニコ生を見ないと補完しきれなかったのも。最後に部室に現れた女の子は没になったキャラって、それ出現の整合性ないしアリなんですかね…

第8位十二大戦(WATCHA3.5点)

#05 「羊の皮をかぶった狼」

 西尾維新原作で、中村光キャラデザという力の入りようで、干支の戦士が殺し合うというバトルロワイヤルもの。同様の傾向の作品として魔法少女育成計画が思い出されますが、アレと比べるとやや残念な印象です。まほいくでは、魔法少女達が何故殺し合わなければならないのかの提示と解決がされている中で、十二大戦は所与のものとして扱われ、安元洋貴さん演じるevery body clap your hands!の人こと、ゲームマスターのドゥデキャプル(この名前初めて知った)及び賭けをしている偉い人たちとの対決チックなこともなく。であれば、賭けている描写はしなくても良かったような。それぞれのキャラは魔法少女しばりのまほいくよりも老若男女入り乱れた甲斐もあって立っていたとは思いますが、あくまでキャラ自体の魅力と作品の出来は別かな、とも思います。

第9位食戟のソーマ 餐の皿(WATCHA3.5)

食戟のソーマ 餐ノ皿 Blu-ray BOX 下 (初回仕様版)

 ソーマはついに3期まで来ました。その分カタルシスとは縁遠く安心して見ている感じですかね。十傑との顔合わせはどうやらOVAで済ませたようですが、司先輩が石田彰で竜胆先輩が伊藤静、もも先輩は釘宮さんで久我先輩は梶さんと鉄壁の布陣。文化祭のVS久我飯店は料理×学園ものとして鉄板の展開であり、かつ貞塚とか美作といった既出の料理人の助けもあって先輩に勝利する熱いお話でした。

 その後は、現在も連載の続く中村編(あざりってどう変換すればいいんだ)。正直連載真っただ中の連戦食戟に至るまでの流れ(特にこの後の遠月列車編でのVS葉山)があまり好きではなかったので、その分で少し加点が減ったと思います。

第10位ブレンド・S(WATCHA3.5点)

仁義なきスイーツ

 きらら作品にしては珍しくがっつりラブコメ。舞台が属性喫茶なので、ドS、ツンデレ、妹、姉、アイドルという属性とその中身のドジ、ゲーマー、ロリBBA、同人作家、男の娘というギャップを楽しみつつ、ラブコメを見守るという形になりました。

 ただ、個人経営の喫茶店舞台の作品のわりに全員で遠出しまくりで違和感を感じるし、ただのイチャイチャを見たいなら、今期はお酒は夫婦になってからが最強の壁殴りアニメで、妹さえいればいいもよかったので、これを見なくては!感が少なく。本作のメインがラブコメなのか、お仕事ものなのか、キャラ萌えものなのか、主軸が曖昧なままで終わってしまった感じですね。

第11位アイドルマスターシンデレラガールズ劇場(WATCHA3.0点)

第16話 ユニットの回

 1クール目と同じく可愛いアイドル達の姿を見れて大変眼福でしたが…

 楓さんメインが宣伝CMにしかないじゃないか!!!!

 楓さん担当Pとして看過できない事態に思わず拳を振り上げる勢いです。

 最終回に楽シンデレラって言わせたいが為に本編での出番を削ったんではと邪推すらしてしまいますよ。声付きアイドルが増えて大変なのも分かりますし、楽しい時間でしたが、やはりこの1点をもってこの順位とさせていただきます。

≪番外編≫天元突破グレンラガン(WATCHA5.0)

お前のドリルで天を突け!

 キルラキル、ルル子、LWAと作るアニメ作るアニメが最高点を叩き出すtriggerチームがGAINAX時代に制作していた本作品。再放送で初めて見ることができました。

 キルラキルでも絶好調だったせりふ回し、気合と勢いがすべてで自分たちの可能性を無限に信じて乗り切る姿勢、最高でした。細かく言い出せば、圧倒的なヒロイン力を誇るニアにべた惚れしましたし、カミナを追い続けたキタンの生きざまは不器用でかっこよく、現実と理想の狭間で苦悩したロシウの悩みも理解できるし、強敵だったロージェノム&ヴィラルとの共闘は思わず胸が熱くなります。

 最後にアンチ・スパイラルを倒した技が最初にシモンが使った必殺技だというのも素晴らしい。どんどん規模が大きくなっていく展開の中で、最もミニマムなラガンだけで、しかしそこに乗った想いは無限大という極大の攻撃はロマンの塊でしたね。こんなすごいアニメがニチアサでやっていたのに見逃していたなんて…10年前の自分をぶん殴ってやりたいっすね…

 次クールのtrigger作品であるダーリン・イン・ザ・フランキスにも期待したいと思います。