抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

総集編とは言わせない「劇場版 響け!ユーフォニアム 届けたいメロディ」感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。 

 公開から随分経ってしまいましたが、ユーフォ2期の総集編映画を見てきました。いやー、泣いてしまいました。

 ユーフォ2期の感想はコチラ↓

tea-rwb.hatenablog.com

劇場版 響け! ユーフォニアム ~届けたいメロディ~ [DVD]

 


Filmarks4.6点
WATCHA4.5点
(以下ネタバレ)

 

1.アニメと変わらぬクオリティと演奏

 ユーフォといえば、緻密な京アニさんの描きこみと吹奏楽演奏でした。その点で、本作は流石のクオリティを維持しています。
 移りゆく町並みの描写も緻密ですし、全国大会演奏中の楽譜の譜面はアニメ本編と変わらず、たくさんの書き込みがあり、さらに写真まで貼ってあります。これまでの思い出を振り返ると共に、そうか、彼女たちは譜面を見なくても滝先生の要求をクリアするレベルになるまで練習を続けてきたんだ、と感動を誘います。
 演奏としては、アニメではカットされた全国大会での演奏、そして駅ビルフェスティバルでの宝島などがフルでかかり、映画館での音響設備を十二分に生かされていたと思います。宝島はフルでかかるとカウベルが出番多くていいですね。そういえば、全体的にナックル先輩含めパーカッション組は新規でよく書かれてたような、そんな気がします。
 また、川島サファイアの「みどりですー」や、滝先生の「何ですか、コレ」(ついでに久美子Ver.も)定番セリフも飛び出し、ファンも安心。いつものユーフォ感、安心の京アニ印といったところでしょうか。

2.北宇治カルテットではなく黄前久美子の物語に。

 1期映画は、総集編的な映画としてよく出来ており、一本の部活物として良い出来でした。
 しかし、本作は1期の映画とは大違い。今回の映画をただの総集編だと思ったら大間違いとなりました。
 振り返れば、アニメ2期は前半を部に復帰したい傘木希美とオーボエの鎧塚みぞれを中心とした2年生の話と関西大会まで。後半を田中あすかの退部問題を中心に据えながら全国大会まで、そして3年生の卒業式を描きました。
 今回の映画では、その後編のほとんどを再構成して、久美子とあすかの特別な2人の関係にフォーカスした物語としました。
 そのおかげで、2期のアニメで感じた北宇治カルテットという塊を無理矢理描いている感がなくなり、新たな物語として生まれ変わりました。
 勿論、1期映画の葵ちゃんのようにみぞれ先輩や希美先輩、臨時コーチの面々がよく映るモブ同然でしたが、今回に関しては問題に感じませんでした。あ、葵ちゃんも一応今回も出てはいましたね。
 さて、冒頭からあすか先輩の幼少期の新規カットでした。単純に可愛いことはさておいて、少々唐突に感じていたあすか先輩の全国への必死感がしっかりと種まき出来ていました。そして、希美復帰問題に久美子が巻き込まれていった合宿の朝のあすか先輩の演奏の盗み聞きを抽出し、文化祭での意味ありげなセリフ、あすか邸での勉強会。全国大会を控える吹奏楽部の全体の話ではなく、その中の低音パート、しかもユーフォ経験者という特別にあすか先輩に近づけた久美子だからこそのシーンが続いていきます。
 そうやって、焦点を絞っていったおかげで久美子の姉・麻美子との物語がダイレクトに体育館横のあすか先輩との対決に響き、そして「おかえりなさい」のセリフが感動を呼びました。全国大会当日のお姉ちゃんとの会話シーンは、アニメで泣いてしまった部分でしたが、あえてカットにしてあすか先輩との会話、そして「ユーフォ好き?」へと改変するあたり、本当に2人の関係に徹底できていたと感じました。この2人に焦点を合わせたとき、初めて副題の「届けたいメロディ」というのは誰が、誰に届けたいと思っているのか、それぞれの意味を持つことを理解できます。いい副題つけたなぁ…

 
 ことほど左様に、今回のユーフォではいつも通りで安心な部分と、再構成したが故に光る特別な2人の物語としての部分でできあがっており、アニメ2期とは全く違ったパッケージングになっておりました。2期を見てからいけば、違いを楽しめるし、見ていなくても1本の映画として成立したのではないでしょうか。

 

 あ、そういえば本編上映前にフォトセッションがあったので、そちらで撮った1枚も載せておきます。

 夏紀先輩たち2年生チームが1番好きなので大当たりでした。

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