抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

「ラ・ラ・ランド」が巷ほど合わなかった理由を弁解させてくれ

こんにちは。抹茶マラカス (@tea_rwB) です。

本日取り扱うのは、アカデミー賞作品賞の顛末や事前の評判もあり、すっかり有名になった映画「ラ・ラ・ランド」です。

ラ・ラ・ランド(字幕版)

 

 

WATCH4.0点

Filmarks3.9点

 

 

(以後ネタバレあり)

1.この映画への期待値

 デミアン・チャゼル監督といえば、やはり前作「セッション」が大きな話題を呼んでいました。かくいう私も、自分史上トップ10級の傑作だったと思っています。ラ・ラ・ランドに関しても言えることですが、私はジャズの素養は全くありません。それでも、セッションはストーリーとして、大きく感銘を受けました。これについても、そのうち書いてみたいなあ、とは思っております。話を戻しますが、セッションの傑作ぶり、そしてアカデミー賞の史上最多ノミネートと期待値が高まりまくってたわけです。

 

2.実際に観て・・・

 いい映画でした。いい映画でした。何故2回言ったのか。それは、あくまで私にとっては、あくまで’いい映画’止まりかなぁ、という印象だったのです。

1.しっくりこなかったところ

 一番には、何故ここで歌うんだ、踊るんだ、その必然性がわからない・・・というところです。勿論、ミュージカル映画がそういうものだと理解はしていますが、やはり唐突に歌い出したり、踊り出されると???が浮かんでしまいます。また、歌のパートにおける歌詞が台詞だと思って必死に字幕を読んでも、いまいちぴんとこない。これは、過去に観たことがある舞台「アイーダ」「レ・ミゼラブル」「モーツァルト!」でもそうでした。結局、ミュージカルパート以外の部分でストーリーを回していかなくてはならず、薄い話に感じてしまうのでしょう。こればっかりは、私とミュージカルの相性の問題ですね。

 折角なのでおいておきますね。

 

 

 結局、ミュージカルシーンが多い夢見る若者2人の恋物語、となれば、見る前に私は2パターンの予想が出来ていました。まずはハッピーエンド。両者が夢を叶えていなくても、まだ夢を諦めず、あるいは夢よりも大事な愛に目覚めて踊り狂うパターン。

 もうひとつは、どちらかが完璧なスターになるところから2人がすれ違い、そして別れが訪れる。その後、互いに夢を叶えて再会。これでよかったのよ、とエンドロールのパターン。

 当初から、セブがバンドで売れることは予告等で分かっていたので、後者のルートかなぁと睨みながらの観劇でした。すると、紆余曲折ありながら結局その感じに。ラスト20分で再会後のありえたかもしれないミアとセブの日々を回想していく構成はよかったと思いますが、同時に私の頭の中では予想できたものを両方やっただけじゃん、と思ってしまいました。

 

 もう1つ、大きくムムム・・・なところが。5年の時を経て、ミアはハリウッドスターに駆け上がります。それが意味するのは何なのでしょう。

 ①オーディション受けるだけじゃない、一人舞台をやる勇気が自分の未来を拓く

 ②セブ、そしてジャズとの出会いが、彼女の女優としての力を向上させる

 ③本来から実力があるのに、有力者に見出されないとスターになれないハリウッド

  へのアンチテーゼ

この映画では、このうちのどれをミアを出世させることで伝えたかったのかが分かりませんでした。うーん、私の理解力不足でしょうか。

 っていうか、メタ的に言えば、あれだけ歌って踊れるなら、ミアはハリウッドよりブロードウェイを目指すべきだよね。

 

2.よかったところ

 ここまで、しっくり来ていないところを上げましたが、良かったところもたくさんありました。まず、なんと言っても冒頭を含めたミュージカルパート。カメラを長回ししながらあれだけのものを撮れるのは、本当に凄いと感心してしまいました。

 また、ミア役のエマ・ストーンさんも素晴らしかった。ハリウッドにひっかからない田舎出身の女優という、本来ハリウッドスターには演じづらい役どころかもしれませんが、いい意味で華を消して、ちょうどいい可愛さ、可愛くなさを演技されていたように感じました。

 また、原色中心の衣装を始め、夜景など、視覚的にも楽しめる映画でした。音楽も楽しく、アカデミー受賞していた(と記憶していますが)「City of Star」は終演後も思わず口ずさんでしまうものでした。

 文句多めに見えたかもしれないけども、好みの問題で大満足ではなかっただけで、見て損のない映画なのは間違いないと思いました。