抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

ワニの怖さを知る人よ「クロール‐凶暴領域‐」感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 せっかくのフリーパス。日頃見に行かない映画を見に行こうということで、サメ映画の変形。ワニワニパニックの実写化?ワニが怖い映画を見に行ってきました。ちなみにサメ映画も「ジョーズ」しか見ていません。

 同日に「空の青さを知る人よ」を見たので、完全にそのパクリのタイトルにしました。

 折角ジャンル映画としてはなかなかの面白さなのに、ハリケーン、洪水、堤防決壊、浸水とプロモーションも打ちづらい状況での公開になったのは可哀想ですが、被害に遭われた方のことを考えると妥当ですし、これっばかりは運ですね。我々に出来るのは映画は見に行く、被災地には募金する。そんなもんです。やれることをやれる範囲で。

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WATCHA3.5点

Filmarks3.6点

(以下ネタバレ有り)

1.サメの次はワニ!とにかく怖いワニワニパニック

 今回の映画は非常にコンパクトで登場人物も少なく、上映時間もギュギュっとまとめた90分切り。その状況で怖さを説明しないといけない中で様々な工夫がしっかり凝らされていたように感じました。

 やっぱり1番大事なのは相対するワニが怖いこと。そういう意味で、まず逃げられない状況設定にするために家の床下で大部分を過ごさせることで、逃げ道の無さを強調する。時々の犬、シュガーの鳴き声が不安を煽る。ハリケーンでの浸水なのでタイムリミット的な怖さもありますし、増水すればするほどワニの有利なフィールドが広がっていく。その時間経過をラジオの高さで見せるのも上手かったと思います。

 とはいえ、VSワニ映画なので、主人公が死ぬエンディングは正直想定しづらい。そうなると中々ワニに襲われても大丈夫なんじゃないの?感が否めなくなる。ということで投入された火事場泥棒の皆さんと警察の皆さん。ワニの怖さを見せるために、颯爽と現れて颯爽と喰われていく。親子のストーリーとワニのサスペンスがメインなので、それ以上複線にしないためにスピーディに殺されていくあたり、コンパクトに映画を纏めるために余計な要素は削ぐぞ!という強い意志を感じました。ただ、しっかり残忍に殺されるので、ちゃんとワニに襲われるとまずいぞ、という状況設定は出来ていたと思います。

2.父子関係再生の物語

 まあこういうサバイバルものって大抵親子関係の修復が1番のテーマになってくると思うんですが、今回も例にもれず、死を覚悟したからこそ本音で話し合える。今後の家族関係が良好になるだろう、というエンディングでそれ自体はベタではあるものの、十分好感が持てるものでした。

 ただ、上手く行ってない気がするところもあって。父の強い指導の下、自由形の競泳選手として奨学金で大学に通っている主人公は挫折状態。そこからの回復も含めて生き残りになるわけですけど、幼い頃に言われた父からの「お前は誰だ?」に対する「最強の捕食者だ!」というワニに相対するに最高の台詞が準備されていたのに、これ使うの、向かいにボートを手に入れに泳ぎに行くところで物語的には別にクライマックスでもない。むしろ、クライマックスに近いワニに肩を噛まれながら回転し、水中の床に落ちた発煙筒を拾うときに、クロールの水掻きやターンのフラッシュバックが挟まる。うん、そこは逆の方が良かったのでは?というところは否めない。

 その先の、屋内から屋根に脱出した父が流されそうになった娘を引き上げるシーンがプールサイドから引き上げるシーンと重なるのは、親子関係の再構築の象徴として上手く重なる良いシーンだったので、その前のが本当に勿体ないな、と。

 まあツッコミどころはいっぱいあるのは正直なところですよ。コンパクトに収めるために、父はワニの習性に何故か詳しかったり、犠牲になる警察の皆さんもよく考えるとどうしてコッチの家にいるのかわかったの?とか。

 そもそも避難勧告出ている状態での主人公の父探しの行動が根拠に欠けていて非常に危険。まあでもこれは特に避難勧告や大雨特別警報が鳴り響いたばかりの日本にいる私たちだから感じることであって、向こうでは違う感覚なのかもしれません。

 

 …ところで、ワニって普通に人、食べるんですか?