抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

狂気のアクション幕の内!「ジョン・ウィック:パラベラム」感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 試写会当たりまくりでありがたい限りなんですけど、今回は大物。「ライリー・ノース 復讐の女神」もあるし、ということでちゃんと予習していたジョン・ウィックシリーズ最新作「ジョン・ウィック:パラベラム」の感想です。

 きゃりーぱみゅぱみゅの「にんじゃりばんばん」は違和感ないし、クレジットだと「NINJA RE BANG BANG」だった。なんか忍者が再びやってくるみたいな感じでカッコイイ。

ジョン・ウィック:パラベラム [4K UHD+Blu-ray ※日本語無し](輸入版) -John Wick: Chapter 3 - Parabellum 4K-

WATCHA4.0点

Filmarks4.1点

(以下ネタバレ有り)

 1.今回も休まずアクションまみれ!○○フーはいくつある?

 ※ここに登場する○○フーは、私が勝手に名付けたのでどっかの記事で名称が違ってたり、逆に被ってても知らん。

 さあ、ジョン・ウィックシリーズといえば、ガンアクションとカンフー(事実上巴投げとかしてるし柔術ですが)を組み合わせたガン・フー、2作目では車で物理で殴るというカー・フー、と常に新しいアクションを作り出すアクション最前線の作品(ここまでは普通の名称)。それもこれも監督のチャド・スタエルスキと1作目では共同監督にして2.3作目は製作総指揮に回っているデヴィッド・リーチのコンビのアクションに対する意欲が凄まじいから。この2人の名前を見たら、映画ファンは映画館に行かざるを得ない、というのが現状ですね(以上9月までジョン・ウィックを見ていなかった人の知ったかぶり)。うん、ワイルド・スピード/スーパーコンボは見に行ってないけどさ!!

 そんで今回ですよ。今回はあと1時間で世界中の殺し屋から追われるよ、なんて予告を受けて逃げ出したほぼその瞬間からスタート。

 まずはニューヨーク公共図書館でかつての友にフライングで襲われるも、本で殴る、本を支えにして殴る、首の骨を折る、というホン・フーを披露。なんか長時間の映画「ニューヨーク公共図書館」でもそんなシーン見られるんですよね?

 続いてそこでの怪我を癒したところで遂に追放タイムアップ!武器屋で襲われるも、仕入れた銃を撃ったりもするんですが、唐突な投げナイ・フーも披露。最後は斧投げでここは斃し切るんですけど、この斧が向こうから跳んでくるショットはかなり素敵でした。

 更に逃げ込んだ馬小屋では、そんなに上手く生き物が動く訳ないのに馬の後ろ脚蹴りを利用したウマ・フー、そして馬で街を走ってバイクとチェイス。いよいよ「シェーン」みたいな西部劇のような絵面に。バイク×日本刀みたいなアクションもあるんですけどこの辺はジョン・ウィックが銃を持てないから相手が日本刀っていう作劇上の都合は感じました。

 舞台がカサブランカに移ってからは、2で苦しめられたはずの血の誓印を今度は利用してモロッコのコンチネンタルの支配人のハル・ベリーと共闘。喧嘩する気はなかったのに、相手がハル・ベリーの犬を撃ったのでブチギレたハル・ベリーと一緒に戦うんですけど、ハル・ベリーの連れた2匹の犬が掛け声一つで殺人マシーンと化すワン・フーまでも披露(もはやジョン・ウィックの技ですらない)。ハル・ベリーを連呼するのは、ここが凄いカッコよくていいキャラだったのに登場がここしかなかったのが悔しいからです。事前の記事では犬・フーとか言われてますけど、絶対ワン・フーの方がいいと思う。

 砂漠で倒れて、助けてくれたニューヨーク・コンチネンタルの支配人のウィンストンの殺害任務を帯びたジョンはニューヨークに戻るも、裏切り。こっからウィンストンは優雅に銃器室にこもって、ジョンと強者感ムンムンだったコンシェルジュシャロンとのタッグで精鋭&最強舞台とコンチネンタルで戦闘。防弾能力が高いですよ?なんて前振り通り、提供してもらった銃器が効かないで跳弾している音がするので、ジョンは丁寧に何発も撃っているし、余裕があればヘルメットのガラス部分を外してトドメを刺すいつものお仕事。火力を上げての戦闘になると、リロードの時間を作るために弱い銃をあえて連射するなど、タクティクス面でも楽しさがありました。

 もう御馳走様なんですけど、ジョン殺害を命じられた精鋭にして予告編で騒然だった寿司屋のラスボスチームとのご対面。こいつらちゃんと忍者×カンフーみたいな技(シラットらしい。シラットって何?)使って普通に強いし、ガラスがたくさんある場所での戦闘になるのでガラスが割れたり、反射を使ったりで2の鏡の部屋での戦闘を思い出したり。舞台が素晴らしい。ここでも部下との戦闘でされたことをボスのマーク・ダカスコス相手にするなど、見せ方がうまいとこも多かったです。

 とまあ、完全にアクションだけで満腹。これで今回は130分ですから1作目と同じ密度でアクションぶちこまれたらもう狂気ですよ、コレは。まあ強いて言えば、銃器の供給が立場上少ないので、相手もそれに付き合っての刃物での戦いが多めで1人にかける時間が長いかな?という気はします。

2.殺し屋稼業はがんじがらめ

 なんか勝手なイメージで殺し屋って自由奔放だと思ってたんですけど、今回の「ジョン・ウィック:パラベラム」で確定したのはこの殺し屋世界もディストピアに近いガッチガチの管理社会じゃないか!というところ。

 コンチネンタルで仕事はしない、血の誓印は絶対ぐらいしかルールが無い世界だったんですけど、2でもチラッと話が出ていた主席連合の言うことはぜったーい!!要素が強くなって、ジョンの逃亡の為に1時間猶予を作ってくれたウィンストン、カサブランカ渡航の手配をしてくれたヤツ、ジョンに銃を2で渡しちゃったローレンス・フィッシュバーンと大物の下へ次々と裁定人が現れては罰を執行していく。

 裁定人が主席連合とのメッセンジャーというわけでもなく、バンバン自由裁量で刑罰やら協議やらをまとめてしまうのでそこの裁量はどうなってんの?みたいな疑問はでますけど、いったん放置。

 さらにアフリカの砂漠のどっかには、主席連合の更にその上のお方まで登場する始末。いやー、自由な気がする殺し屋稼業なのに縦社会だし、すっげー細かいとこまで追求するしで、実は規則で雁字搦めじゃないですか。そのうえ2で描かれたことを考えたら、主席連合の中にも権力争いもあるし。ローレンス・フィッシュバーンの地下組織が主席連合に対してどういう立ち位置なのか、強めの人たちの権力関係がよくわからないこと、主席連合自体が見えないことがキアヌのかっこいいアクションの合間に挟まる裁定人パートでのノイズになっちゃう印象でした。いいんだよ、そういうの。もっと狂気に満ちた全部アクションでいいんだ。

 さーて、クライマックスとか宣伝してますけどそういうことで、ラストはウィンストンに裏切られ、ローレンス・フィッシュバーンに助けられて、また復讐の輪廻が回りだしそうな感じ。字幕でびっくりしたんですが、パラベラムって弾丸のことだと思ってたけど、「準備せよ」みたいな意味のようで。続編ありきやないかーい!!ということで次は何を見せてくれるのか。マトリックスだけじゃなくてジョン・ウィックもやるならキアヌも稼ぎに困ることはあるまいね…。よく考えたら体づくりもあるし、同じ時期に撮るとラクか。