抹茶飲んでからマラカス鳴らす

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舐めてた主婦を社会が殺人マシーンにしてしまう系映画「ライリー・ノース 復讐の女神」感想

  どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

「スノー・ロワイヤル」「狼の死刑宣告」等、無駄な復讐の輪廻に囚われた私。うっかり「96時間」3部作こそ見ることが叶っていませんが、「ハイ・フォン」「サプライズ」など殺り返す女性シリーズは見てから臨みました。うん、よく考えなくても監督同じなんだから「96時間」は見とくべきだったかも。

 「舐めてた相手が殺人マシーンでした」の命名者:ギンティ小林さんと市川力夫さんのトークショー付き試写会で鑑賞しました。これ系統の映画のチェックリストが増えたり、アクション監修?が「イコライザー」や「エンド・オブ・ホワイトハウス」の人でリアル路線だ、なんて話が聞けて面白かったです。

Peppermint

WATCHA4.0点

Filmarks4.0点

(以下ネタバレ有り)

1.舐めてた相手を復讐マシーンにしちゃった

 振り返ってみれば、私が拝見した舐めてた相手が系映画としては、舐めてた相手が最強の殺し屋だった「ジョン・ウィック」、舐めてた店員が元CIAだった「イコライザー」、舐めてたママが元ギャングだった「ハイ・フォン」、あたりが思い出深いですが、これらの共通項は元々強かった人を舐めてしまった、ということが敵の失敗でした。彼らは強い。だからこそアクション映画として面白いし、話の筋がしっかりしやすい。

 だが、この一連の作品群でどうしても私をひきつけるのは「狼よさらば」そして「狼の死刑宣告」です。元々ただの父親だったのが復讐の鬼となる、その強さの秘訣はただ家族を殺されて怒っているから。なんだろう、七面倒くさい設定よりもそれでいい。それこそが人間だし、フィクションの上では人間が倫理を捨てた瞬間からの法に縛られない復讐って最高じゃないですか。いやー、この文脈に気づくのが遅かったせいで「デス・ウィッシュ」を見なかったのが悔やまれる。

 そういった意味で言えば、今回の「ライリー・ノース」は父と娘を殺されたただの主婦が5年間の間に強くなって復讐に帰ってきた、という話。なんで強くなったかの説明はヨーロッパで地下格闘技場の動画がYouTubeに上がってるよ、ぐらいで済ます乱暴さ。でもそれでいいと思うんですよ。怒った母親は怖い。それでいいんですよ。特に、彼女がアメリカに密入国してからは異常に犯罪発生率の低いスラムがある!からのこのスラムの壁にアートとしての女神がどーん!強いです!って宣言として完璧ですよ。

 特に今回の主人公のライリー・ノースは、冒頭でいやーなママ友相手にも躱しながら、娘に「殴っちまえばよかったのに」なんて言われて、こらっと叱る平和主義者な訳ですよ。それがここまで変貌するっていうね。いやーもう素晴らしい。ちなみにこのママ友にも一発かますし、殺すよりも哀れな復讐をちゃんとしてます。漏らさない!

2.お・も・て・な・し満載の復讐にスカッと

 さあ復讐なんですが、もうこれが手間暇込めた復讐で憎しみを越えた愛情すら感じる。勿論、その前段に彼らに対する怒りの原動力があるわけで。

 実行犯の3人だけでなく、麻薬カルテルのボス、そこに買収されていた検事に判事、弁護士と、夫と娘を奪った罪が法的にはちっとも裁かれなかった、という事実。社会全体の仕組みに怒りを覚えた、ということで実行犯の1人はアバンでぶっ殺し、あとの2人はどうしたのかよく知らないけど3人まとめて悲劇の現場の観覧車に処刑スタイルで見せしめ。検事と弁護士はFBIの報告で死んだことが伝えられて、判事は五寸釘で両手を机に固定して喋れなくしたうえで、爆破するロープでぐるんぐるんにまいて爆殺。この判事のシーンほど胸がすく拷問&復讐って今までありましたかね?欲を言えば弁護士と検事もどんだけ手間暇かけて殺したのか見たかった!100分ぐらいのちょうどいい上映時間とはいえ、是非ここは10分増やしていいから見たかった。

 この先は、カルテルのボス倒す為に末端からちょこちょこ潰していく話と警察内部にもカルテルの内通者がいる、みたいな話が両輪で進む感じに。とにかくライリーの攻撃力が凄まじく、麻薬カルテル資金洗浄場所やら本拠地やらをどんどん制圧していくんですけど、無尽蔵に強い、というわけではなく、まず脚を撃ってから頭を打つとか、ちゃんと金的狙いに行くとか、主婦の限界突破MAXのレベルなんですよ。これがちょうどいい。アクション的にも店の棚の反対側から撃ちまくって向こう側のやつを狙うとか、新鮮味のある絵面もたくさん。トークショーで教えていただいたのですが、ピエール・モレル監督はカメラマン出身ということでアクションが1枚絵にするのが上手、とのことなのでさっさと「96時間」を見ないとな、なんて思ったり。

 もちろん、ジェニファー・ガーナーの肉体も素晴らしく、しっかり準備しているのでアクションや殺しの数々に説得力がある。これがアクション映画に帰ってくるのは10年ぶりらしいのですが、いや、47歳には全く見えない果敢な挑戦でした。

 いざボスと対面するとボスの娘が出てきて油断するとか、拠点のスラムの女の子が人質に取られると、自分の娘を思い出して弱みになってしまう、なんて母だから強い=母だから弱いの側面も出てて。こういうの好きです。

3.シリーズ化希望!社会悪に鉄槌を!!

 ライリーはスマホを使って、警察の内通者を世間に晒し、カルテルのボスも殺して逮捕。でも世論は彼女の味方。そんな状態なので同情的な警察関係者の計らいで入院中の病院から逃げ出しておしまいでした。

 となると当然期待するのは彼女が無双する続編ですよ。途中、アル中の父親と子どもに遭遇した時に、酒を買おうとしている親父の口に銃口を突っ込んで「クリスマスの買い物行ってこいや」と脅すわけです。子どもへの博愛もさることながら、彼女の復讐の根底にあるものがここにもイズムとして流れています。それは「正義」です。カルテルのボスに何が欲しいかと問われても彼女は「正義」と答えます。法的な処分を免れた人たちを処刑することは勿論正義ではありません。ですが、家族を失い、不当な裁判で免責された彼女にそれが「正義」だと言うなんて我々にできるわけないじゃないですか。こうなるとあらゆる社会悪に対して暴走する「正義」がどこまで力を発揮するのか見てみたい!「イコライザー」のマッコールさんの系譜に連なる人物となるのではないでしょうか。マッコールさんと違って警察にもFBIにもバレてるし、全米に顔バレしてますけどね…。

 トークショーで出てきた話的に、それいい!っていうか監督に届けようよ!と思ったのは、彼女が強くなった間にいたはずの師匠も殺されていて、その復讐譚で続きを!なんて話で、これ最高!とぶちあがりました。

 終わった感じは「狼よさらば」に近いものを感じる舐めてた系最新作。是非!

 最後にギンティ小林さんがTBSラジオ「アフター6ジャンクション」に出演されて舐めてた映画の系譜をお話されていた時の回のリンクを貼っておきますよ。

www.tbsradio.jp