抹茶飲んでからマラカス鳴らす

見た映画、読んだ本、見たアニメ。そんな話を中心に。。。

全盲×犬にハズレなし「見えない目撃者」感想

 どうも、ご無沙汰してます、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 見たい映画が全くない、ということでブログを更新することなく2週間が過ぎてしまいました。この期間も週1で更新できるように春アニメの感想とかネトフリオリジナル作品の感想とか、企画的なやーつとか、色々少しずつ見ながら書いてるんですけど、「さらざんまい」の視聴も終わらず、31日まで視聴期限と思われるネトフリ作品が続出してそっち見なきゃ状態になり…と気付けばこうなりました。うん、タランティーノ予習できてねぇ。まあ、大量に映画を見るだろう9月に向けて書き癖をつけていきたいと思います。

 と、いうわけでそんな9月公開の映画の舞台挨拶付きの完成披露試写会に当選したので行ってきました。韓国映画のリメイクで吉岡里帆さん初主演作品となります「見えない目撃者」です。

 劇場公開前になるので前半はネタバレなしで進めたいな、と思います。

 

見えない目撃者 (小学館文庫)

 

WATCHA4.0点

Filmarks3.9点

(以下公開前作品なので3章以降のネタバレ有りに注意)

1.吉岡里帆さん、舐めててすんません!!f:id:tea_rwB:20190823122818j:image

 本作は韓国映画「ブラインド」が中国で「見えない目撃者」としてリメイクされ、その後の日本版という順を辿っております。前2作を見ることが出来ていませんが、なかなかに随所に韓国映画感が漂っており、R15指定とはいえかなりR18に寄せたもんだと思ってください。ちゃんと痛くて目を背けたくなるシーンも。

見えない目撃者(字幕版)

見えない目撃者(字幕版)

 
ブラインド(字幕)

ブラインド(字幕)

 

  今回の映画でどうしても特筆すべきは、主演の吉岡里帆さん。ドラマを殆ど見てないので、どん兵衛の人でしょ?グラビラ上がりのアイドル女優みたいなもんでしょ?と鑑賞前は非常に舐ーめてーたー案件だったのですが…ここに土下座謝罪を敢行いたします!

 吉岡さんが演じるのは警察学校を卒業している健常者が交通事故によって全盲になってしまった、という視覚障がい者。目が見えない人物、となると私の中での比較対象となると「ドンド・ブリーズ」の爺さん、「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」のアル・パチーノ、「デアデビルNetFlix版)」、「シェル・コレクター」のリリー・フランキー。そしてもちろん「座頭市」。

 超絶アクションやら超がいくつもつく名優たちが相手に演技力でどうしても差が出ると思っていたのですが、ところがどっこい。本人は見えてるのに見えてないことを演技するのは、とても難しいとは思うんです。でも目線の動きを隠せるサングラスを着用しないし、白杖も使わずに盲導犬とのバディでの熱演、御見それしました。目線の揺らぎとかもストーリーでノイズになるようなことはないし。ある程度のアクションや推理も要求される役どころなんですが、そこに関してはタイトルアバンのところですーっと見せてくれてるので、彼女の優秀さに関しては折り紙付きなんですよね。

 大倉孝二さんや田口トモロヲさんのようなベテラン刑事や、若手とはいえバンバン出ている高杉真宙さんなんかが脇を固める中でもしっかり主演として輝いていたと思います。

2.舞台挨拶のおはなしf:id:tea_rwB:20190823122757j:image

 ネタバレを避けるためにあえて中盤で、完成披露試写会の駄話をしたいと思います。

 もう基本的に出てきた段階で吉岡里帆さんがお美しい。んで大倉孝二さんの背が高くて、國村隼さんと田口トモロヲさんの存在感。

 そっから各自挨拶と質疑応答。中身自体は色んな媒体で確認できると思うし、ネタバレできない中で色々頑張ってお話しいただいていたなぁ、と振り返れる感じ。大倉孝二さんの話の安定感は流石でちゃんとオチ見えて喋っている感じで楽しませていただきました。あとは國村さんが日本にはないスリラーが出来た!なんておっしゃったのは未見で申し訳ないですけど「哭声」はやっぱり念頭にあるのかなー、なんて思いました。

 んで、今回吉岡さん、田口さん&國村さんのおじさんたちの大ファンになりかける出来事があったわけですよ。それがサプライズ登場の劇中の盲導犬役のパル。正直出来レースの秩序だった舞台挨拶がままならない存在によって無秩序と化す瞬間が生まれたわけですね。この時の皆さんの振る舞いが素晴らしくて。パルにじゃれてる國村さんも、咄嗟にパルにマイクを向けてマイクガリガリされちゃう田口さん、スチール撮影時にパルに合わせて身をかがめてみたりしながら、顔が一段と明るくなった吉岡さん。人間として素敵なんだろうな、というのがビシビシ伝わりましたよー。

 んじゃ、ネタバレしてもいいよね?

3.ミステリーっていうよりスリラー

 本作は誘拐事件を目撃?したけど視覚障がいのせいで相手にされない目撃者がその子を救うために捜査してたら連続女子高生殺害事件になっちゃって…って感じ。

 こう書くと犯人を捜すミステリな感じですが、ジャンルとしては確実にスリラーですね。公式さんもノンストップスリラーと銘打ってますし。なのでミステリーの犯人としては割と分かりやすい、あるいは少しずるいし、ミスリードが過ぎる部分や脚本の穴みたいなところはバンバン出てきます。ただ、後半怒涛のスリラー・スプラッタ展開でそんなことは忘れた!という感じになり、そここそが楽しい映画なのでミステリ的な矛盾を突いてわーわー言うタイプじゃないと思いますね。

 ミスリード犯人役として描かれたと思われる田口トモロヲさん演じる定年間近の刑事、及びその同僚の大倉孝二さん演じる刑事は中々難しい立ち位置で。作劇上、最初は主人公の訴えを却下しないといけないがどこかでヒーロー側に転じないといけない。そう考えると主人公の力を認めていたとはいえ、報道規制してるような捜査上の機密もバンバン共有する田口トモロヲが怪しいに決まってるじゃないですか。定年後にやりたいことは秘密、と言っておいて猟奇殺人のことか…?なんて匂わせてるし。

 おまけに襲われる高杉真宙、その後の1万円札の指紋照合で犯人は死んでたヤツで確定の流れは警察内部の犯行だとほとんど確定。田口さんがミスリードなら被害者は家出少女なわけで、そこに絡んでたのってあの人だよね、舞台挨拶いたし...となるのはまあ確定。

 こっからはスリラーになっていくので、怪しいと分かっている相手に単騎突撃各個撃破される流れ。警察さんもうちょっと頑張ろうよ、とは思いますが主人公を警察外に置いたときにどうすればいいかの正解ってまだ出てない気もしますね。

 スリラー、スプラッター的な映画と考えると非常に韓国映画感が残っていて。いや、オリジナル見てないからどこを変えているのか分からないんですけど。殺された少女たちは体の一部が損壊しているし、ほとんどスナッフフィルムと言っていいような劇中映像も出てきます。犯人のメインウェポンが鉈ってのが韓国映画っぽいですよね。この鉈に殺されていく田口トモロヲ大倉孝二。田口さんの時は刺してから内臓を抉る動きがあったり、大倉さんの時は脳天を白刃取りの感じからパックリいかれる。日本映画で鉈で脳天パックリってありました?この辺のグロさは中々に目を背けたくなるような、手抜きをしてない感じで良かったですね。

4.「見えない」と向き合う

 この映画、ちゃんと見えないことと制作陣が向き合って作られていたと思います。そこの工夫が満載で。

 失明した瞬間や失明後の主人公の視点での世界の見え方をしっかり描写していたし、スマホのビデオ通話を通して眼を託してのチェイス、事前に間取りを聞いて頭に入れたからこその探索に、丁寧に前振りしまくってたチャームを用いての発砲。本来、武器は見える前提のものなのでどうしても銃を撃つには確実に一撃で仕留める必要がありますからね。そういうのもちゃんとできていたと思います。地味に考えさせられたのが盲導犬と一瞬はぐれたシーンで点字ブロックを見つけるとその上だと走れるシーン。視覚障がい者にとっての点字ブロックの重要性、安心感を考えなきゃな、というか。パラリンピックやるんですよ、東京。もっと点字ブロック大事にしましょうよ。

 そして何より盲導犬のパルですよ。盲人×犬ときたら「ドント・ブリーズ」でも最恐でしたから間違いないですよですよ。ちゃんとパルも戦って、怪我する。彼だって今回の事件に立ち向かった英雄なのです。変に忖度せずにちゃんと動物も攻撃する・されるを描いたのは良かったと思います。

 犯人役の浅香航大さんも非常に良かったです。警察署で補導届を探したり、そのお礼に田口トモロヲさんとじゃれ合うようなシーンと同じ顔で淡々と、黙々と鉈で人を殺しまくる。動機としては、六根清浄の見立てとか無駄で「ただ死体が沢山見たい」だったのがちょっとサイコキラーとしてステレオタイプだな、とは思ったものの、笑いながら殺すような快楽殺人者になっていなかったのはとても良かったと。浅香さん犯人としての出番だらけだから舞台挨拶で喋る事なさそうだったのは納得。

 という訳で、ここまで読んでいただいた方は9/20の公開後に鑑賞してから読んでいるのでは、と思います。そうじゃないなら劇場で是非!