抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

これからのSFの課題の詰まった作品に…「メン・イン・ブラック:インターナショナル」感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 6月の大作ラッシュの中で体調不良等で出遅れていましたがようやく見ようと思ってた映画を見れました。ゴジラ以降若干の燃え尽き感があったのも否めないところ。

 今回鑑賞したのは「MIB」シリーズ最新作でキャストを一新した「メン・イン・ブラック インターナショナル」です。予習しようと思ったらネトフリには2だけない、という虫食い状態だったので第1作目だけ見て挑んでみました。

 吹替に吉本坂起用で微妙な空気が漂っていたら、吉本興業本体大爆破みたいな惨状になりましたね。今週のアメトーーク楽しみな回だったんだけどな。あと、エンドゲームとかのホークアイの吹替、どうすんだろう。ディズニー結構宮迫さん使ってた気がする…。ディズニーはこれから配信もあるもんなぁ

映画 メン・イン・ブラック インターナショナル ポスター 2019 メンインブラック クリス ヘムズワース テッサ トンプソン リーアム ニーソン エマ トンプソン レベッカ ファーガソン



WATCHA3.5点

Filmarks3.3点

(以下ネタバレあり)

 

1.もしかしてだけど、予告編が最高潮なんじゃないの~

 吉本繋がりでどぶろっくをタイトルに使ってみたら、どぶろっくは浅井企画所属でした。

 さて、話を戻すと本作は、宇宙人が共存している地球を管理するMIBのトミー・リー・ジョーンズとウィル・スミスがハンターもといエージェントとなってのSFコメディのスピンオフ?リブート?まあそんなところ。シリーズのファンにとっては待望の一作かもしれませぬ。

 が、そこはなんとなーく昔テレビでどれかを見た気がする程度の私にとっての期待値はそこそこ程度。正直言って、感想も、うん…って感じでした。

 多分ですけど、冒頭のコロンビアのロゴでニューロライザー使われたんで、記憶が亡くなったんだと思います(きっと幾千の映画ファンが言ってるネタ)

 正直微妙に感じたのは2点ありまして。

 まず第1に、バディものとして弱くないか?ということ。
第1作を見た感じ、堅実なベテランと破天荒だけど光るところのある新人の軽口の叩き合い、そしてしっかり互いに実力を認めながらカバーしあうっていうバディものの鉄則が生きていたと思ったんですが、インターナショナルだとそれがない。テッサ・トンプソン演じるMが単純にめちゃくちゃ優秀なので構造としてはダメ男上司とデキる新人女性と、能力値が逆になっています。それでも上司のクリス・ヘムズワースのHは一応デキるやつ認定されてるのがややこしい。現実に起きたことを整理していけば、なんか致死性の毒を持つ奴に噛まれて死にかけ、会議に遅刻、言い訳、うっかりミスでキーアイテムを奪われると散々。正直言って、彼がいないとどうしようも無かった、という場面は見当たらず裏切り者候補として出てくるエージェントCとMが組んでいても解決できた、というか余裕で解決した事件だったのでは。そのせいで、Hの尻拭いをし続けるMという印象になってしまってバディ・ムービーとしてはどうしても弱い印象に。

 第2に、ところどころ不自然なキャラクターたち。
 単純に脚本的に、今何やってるのか、ということが良く分からないシーンが多いのは仕方ないとしても、ミスリードの為にキャラクターが崩壊してると思うんです。お前は変わった、と言われ続けるヘッポコなHですが、縋り付いていた過去の栄光はニューロライザーで捏造されたものだということがわかりました。え、じゃあただのクズじゃん。会議に遅刻したり、座席で居眠りしたり要人警護にしっかり失敗したりとそこの部分のフォローが全くないので有用なキャラに見えない。

 あと最終的に裏切り者になる(見てる人の90%は多分序盤からそうだと気づく)リーアム・ニーソンですが彼の行動も不可解。キーアイテムを手に入れるためにエイリアンに盗ませたなら直接受け取ればいいのに、何故かHをクッションに使って、迂闊にも盗られてる訳で、そんな強い黒幕感がない。っていうか、あんなバケモノに乗っ取られておいて、MIBでは彼を感知できない防犯システムなのか。ついでに言えば、あのアイテムを盗んで殺されてMに託すエイリアンもどの立ち位置なのかよくわからん。Hは変わった、はまだ分かるが、これをハイTに渡せ、が遺言でいいはず。

 そして無残に散っていった暫定的な敵キャラ、ザ・ツインズ。なんか良い奴だったのに間違えて殺しちゃった感がしてますけど、結局どこの誰が何の為に、がさっぱりで終わりました。ハイヴに操られていたのか、銀河系を守るために頑張ってたのかよくわからん。ダンスを使った回避アクション含めなんとなく強そうだったのに、あいつらにコレが効く的な前振りなしで死んじゃったし。この辺は、移民関係をしっかり脚本に入れていたのに制作サイドが口出してしっちゃかめっちゃかになった、なんて話が関係あるかもしれませんね。

 良いところもあるんです。レベッカ・ファーガソンの格闘はカッコいいし(一文字違いのMIシリーズでいくらでも見れますが)、ガジェットの未来感は最高で、特に予告編にある車のホイールやら排気管やらサイドミラーやらからバンバン銃を取り出すあたりは最高でした。あ、あとポーニィね。可愛い。ポーニィとの出会いのシーン辺りは明らかに不要且つ停滞しているシーンだけどポーニィ自体はめっちゃ可愛い。

2.現代SFの苦悩

 キャスト発表の時点で誰もが思ったと思うんですよ。MCUのソー&ヴァルキリー、即ち「マイティ・ソー/ラグナロク」じゃん!って。実際劇中にもHがトンカチ持って投げるというパロディがあるし、MIBもアメコミ原作らしいのでMCUあっての本作というのは間違いないと思うんです。

 ただ、そのMCUを含めたアメコミ映画の隆盛はこの作品には却って大きなマイナスになってしまったのではないでしょうか。即ち、このシリーズのキモとなる地球にエイリアンが隠れて住んでいる!そいつらのせいで地球がピンチ!という設定がもう食傷気味になってしまったのでは。

 「マン・オブ・スティール」も「アベンジャーズ」も宇宙からの敵ですし、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」は舞台すべてが宇宙で肌が緑のガモーラがヒロインです。ここまでくると、宇宙人のせいで地球がピンチ!というネタ自体が手垢がついてると言わざるを得ません。

 更に、「アバター」(見てない)の大ヒットにMCUの大ヒット、ディズニーの「モンスターズ・インク」等もあり、映画を普段見ている層も見ていない層も、宇宙人やエイリアンといった異形の造形に慣れてしまった、そこでのワンダーが一つ減ってしまっている。これは間違いなく本シリーズの目玉を1つ失わせています。先述した「ソー/ラグナロク」でも異形はいっぱい出てきたので、組み合わせの時点で味がバレてしまっていた、とも言えます。勿論、味が分かっていても何度でも食べたい傑作も沢山あるのでそれだけでダメとは言いませんが、本作に限ってはこれをひっくり返せるだけの魅力がなかった、と言わざるを得ないでしょう。こうした課題は、宇宙人をメインに据えようとした作品にはこれから付きまとうんでしょうね。まして、「エターナルズ」みたいな神々の話まで映画化するならねぇぇ…

tea-rwb.hatenablog.com

 

 そうそう、メン・イン・ブラックってどうなの?からのメン&ウィメン・イン・ブラックと言い直すポリコレ配慮ネタもデッドプールX-MENは差別的だからX-FORCEって既にやられてるからヒットせず。それは同じソニーなんだからなんとかならんかったか…