抹茶飲んでからマラカス鳴らす

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観る麻薬。trigger好きなら劇場に駆け込め!「プロメア」感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 ゴジラに向けて期待も高まる中、その前の大勝負、triggerが送る劇場作品「プロメア」の公開日でございます。試写会が同日同時間3会場も当たる幸運に恵まれ、TOHOシネマズでの試写会で見てきました。

映画チラシ プロメア 松山ケンイチ

WATCHA5.0点

Filmarks4.8点

(以下ネタバレ有り)

 1.カラフルでドラッギーなスクリーンから目が離せねぇ!!

 本予告や先週の上映前特番で放送された冒頭からもわかるように、本作品は非常に特徴的な色遣いや美術が用いられています。 背景となる火山やビル群なんかは縁取りのない3DCGで描かれており、また多分にアメコミちっく、あるいはシムシティっぽいところも散見されます。また、大きなテーマでもある「火」の表現も実際の火を表現しているというよりも、紫や青系統の色を使い、三角形をモチーフに描くことで非常に強い印象を与えます。それに対する主人公ガロたちバーニングレスキューや直属軍(アイス・フォースだっけ?)などが消火する際は水というよりも凍結させるイメージでこちらは立方体がモチーフ。いい意味で違和感を与えるポリゴン的な表現は大成功といっていいでしょう。

 それから、triggerと言ったら、何をおいてもメカですよ。冒頭の救助シーンでも大好きな新谷真弓さんが声を当てるルチルの発明した救助メカがバンバン登場しますし、ガロの登場シークエンスなんかではガロのいる箱に「3」って書いてあってサンダーバード感もあるし、もう最高。中盤より明らかになる移住計画の宇宙船で上の戦いでの幾何学的デザインのビル群にそれぞれのロボットもいちいちツボを刺激してくる。たまんねぇ。

 こうしたメカが登場するシーンでは、カメラワークもグイグイ動く回る回るでもう退屈することが殆ど無い。カメラワークはSSSS.GRIDMANを今石監督が手掛けたことで特撮的なカメラワークも取り入れられていたのが印象的でした。

 結果として、一瞬たりともスクリーンから目を離せないし、耳には澤野弘之さんの最高の音楽や重ねるように台詞も入ってくるので、本当に気を休める暇は無い、カロリー消費が非常に高く、鑑賞終了後には変にハイになっちゃう、そして気づけば次の回のチケットを買ってしまいそうな、そんな表現満載です。アニメーション表現の凄さでは、今年は「スパイダーマン:スパイダーバース」がありましたけど、正直同じレベルで画面に表れているものは凄いと思いましたよ。

2.trigger×中島かずきの集大成

 今石監督と脚本の中島かずきさんのコンビと言えば、ベストアニメ「キルラキル」や「天元突破グレンラガン」。この2人が揃ったので、当然その味付けは濃く、ストーリーラインとか正直言って、ほぼグレンラガンの後半です。

 一応、見ていない方の為にグレンラガンの後半をざっと説明すると、それまで地上を牛耳っていたロージェノムを倒して地上で繁栄しだす人類。すると、それをきっかけに月が降ってきて地球は破壊されることに。時の為政者は宇宙船で限られた人数を脱出させ種の存続を図るも、かつての英雄が立ち上がり地球を救うために宇宙に旅立ち次元を超えてラスボスとどんどん巨大化するメカでバトル、最後はそのまま殴り合い、みたいな。

 今回は、地球がマグマの暴走でダメそうなので為政者クレイが1万人を選んで宇宙船で脱出を計画。その動力源は火を操るバーニッシュの命であった。ガロはバーニッシュのボス・リオと協力してでっかいロボでクレイと対決。最後は素手で倒して決着。うん、だいたい同じ。メインエンジンまで突っ込むところはモロにドリル=ラガンでしたし。

 ガロたちが計画の真相を知るのはクレイがかつて殺した博士の声帯記憶のようなものに偶然アクセスしたからですが、まあこれはグレンラガンでロージェノムがやってますし、クレイ側についている博士とガロ側のアイナの姉妹、なんてのもグレンラガンに3姉妹がいました。船が人力っていうのも、キルラキルの裸の太陽丸に近いですよね。クレイ関連はすべて白で統一され、リオ関連が黒で統一されているのも、キルラキル序盤の流子と皐月の対立を表していたのを思い出させます。

 なんだったら、これまでのtrigger及び出身母体であるガイナックスの作品のエッセンスがかなり入っており、エヴァっぽい描写や前述のGRIDMANの特撮カメラワーク、リトルウィッチアカデミアを感じさせるシーンもありました。

 そして何より、中島節と言えば見得。個人名だけでなく、しっかりロボが出てくるたびに見得を切って、ドカーンと紹介、技名だって叫んでる。この辺はもう完全に私の好みですけど、最高ですよね。その辺の話は、「ニンジャバットマン」でもしてますが、今回も健在。いやー、ほんとに大好き。

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  中島脚本のもう一つの醍醐味といえば、勢い。ちっちゃいことは気にするなってやつ。正直、バーニッシュの出現やデウスの説明、突然のクレイの過去回想あたりで説明的になってしまっていたり、ガロとリオのバディ感が出るのがちょっと唐突ではないか、とかまあ雑な部分があるのは否めません。ただ、それを覆い隠す勢いと画面の情報量。バーニッシュは何のメタファーとかそんなことを考えている時間なんてないんですよ!くらいついていくだけです!

 結末についてもかなり納得していて、本来火消しのガロが逆に地球を燃やし尽くす、という決断をするわけですが、彼が憧れる江戸時代の火消しって、延焼を防ぐために周りの建物をぶっ壊して燃え尽きるのを待つスタイルなんですよね。だから、燃えたい!という欲求を消火するために燃え尽きさせるっていうのも割と真っ当だし、あと地味にサノスの正義に別の正義を提示できなかったエンドゲームと比較しても理論としては勝ってると思うんですよね。サノスとクレイはどちらもある程度の犠牲を必要だと考えたのに対して、アベンジャーズは取り戻すことが主眼で自己犠牲で勝利を手に入れました。ガロはクレイも含めた全員を救って、その上で勝利を手に入れている。あ、今さらですけどもうエンドゲームのネタバレはこのレベルならいいですよね? 

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 じゃあ、事実上脚本がグレンラガンの後半で粗があるから何が問題なのでしょうか。自分の胸に手を当てて考えましょう。お前の大好きな「キルラキル」「天元突破グレンラガン」の脚本は100%辻褄があっていたのか?それよりも偏愛しているであろう今石監督作品「宇宙パトロールルル子」に脚本なんてあったか?と。そんなものを求めて「プロメア」を見に行ったのか?と。

 答えは勿論、否。このコンビでみたい最高の特徴を出し尽くした上に持てる力の最大の映像を表現してくれていて、快感しか感じない。劇場版シティーハンターのコピペじゃないですけど、定食食べに行って定食出てきて、おいしかった。それで最高じゃないですか。

3.文句を言わせん声優起用

 キャストの演技についても文句が全くありません。

 まずはtrigger常連で言えば、最早彼らの日常シーンがアニメシリーズで制作されることを願ってやまないバーニングレスキューに新谷真弓さん、稲田徹さん、吉野裕行さんと既に本能寺学園四天王が3人いて、マッド・バーニッシュの幹部に小西克幸さんと檜山修之さん。小清水亜美さんと柚木涼香さんもいるのでキルラキル全制覇といっていいでしょう。いつも通りの素晴らしい演技で楽しませてくれました。

 そしていつも問題になる芸能人起用。本来舞台役者の早乙女太一さんがどちらかといえば物静かな配役で、見得を切る、ほとんどグレンラガンのカミナみたいなガロを演じたのは松山ケンイチさん。これがまあ見事。見得の切り方も堂に入ったもので、例えばDEATH NOTEのL役と同一人物とは思えぬ種類が違う好演。

 クレイ役の堺雅人さんも、最初こそ少し怪しいかな?という印象も、徐々に裏がありそうな声色になってくるといい感じで、本領発揮は悪として吹っ切れた瞬間。どう聞いてもドラマ「リーガル・ハイ」の古御門弁護士のキレ具合なんかは最高で、この瞬間以降は、堺さん以外の起用は考えられない、というレベルまで達していました。

 デウス役の古田新太さん含め、起用されたいわゆる芸能人のみなさんは劇団新感線で中島脚本での出演経験があるとのことなので、明らかにそのリズムに対応できていたのが正解だったんだと思います。

 ここまで読んどいてまだ劇場に行ってない不届き者はいませんよね?じゃあ早くn+1回目のチケットを買いに行きましょう。次週にはゴジラでお祭り騒ぎしてるんですから今のうちにプロメアを浴びるのです。