抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

2019年冬アニメの振り返り(ひざうえ・revisions・ネバラン・コトブキ・上野さん・えんどろ〜・ブギーポップ・ラディアン・かぐや)

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 今回は遅れに遅れた冬アニメの感想。次クールの目標は溜めない!!でも、「さらざんまい」「どろろ」「文スト」が既に遅れているぞ!!

 鑑賞したのは以下の通り。

  継続中の「どろろ」「からくりサーカス」があるので全9作品。Podcast熱量と文字数の新番組全部見て見た件の視聴者版、わりみて参加要件の10作品視聴を久々に突破できない本数でした。グレンラガンの時と同じアレですが、再放送で見た「カウボーイ・ビバップ」が面白すぎましたね…。ネトフリドラマ版がどうなるんだろう…

 

 

上野さんは不器用(WATCHA4.5点)

上野さんは不器用 1巻 [Blu-ray]

 ラブコメ豊作の今クールでも抜群にどうかしている傑作に。田中の気を惹きたいがためにノーベル賞級の発明を連発しては失敗する上野さんが可愛くて仕方ない。萌えキャラのドラえもんや!!

 見てる我々は殆ど山下の立場。でも山下も読んでる本が毎回変で楽しい。登場人物が変人で癖の多い人ばかりだけど、それ故に掘り下げは少なかったかも。15分枠のまま第2期直ぐにやってくれて構わないぞ!

かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~(WATCHA4.5点)

かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~1(完全生産限定版) [DVD]

 これも面白かった。このクールはラブコメほんと強かった。

 頭良すぎて、スペック高すぎて恋愛はポンコツ、という感じはそもそも完璧人間を求めてる少女漫画的(花より男子とか)というよりも少年漫画的。そのアホ具合が突き抜けた存在である藤原書記の存在も不確定要素としてあったのでますます楽しかった。中盤にかけて石上会計を投入することで推進力を落とさず真面目に終盤まで行くかと思いきや、それをフリにしたオチで終わる。うーん素晴らしい。

 音楽面では、3話の特殊EDが全部の話題をかっさらっていきましたが、冬のソナタ東京ラブストーリー風のBGMにそもそもなんでお前が歌ってるんだという鈴木雅之のOPの時点で完全勝利。どうでもいいけど「告らせたい」は一発変換だと「小倉世帯」なのね、北九州工業地帯かよ。

 実写映画が控えていますが、情熱大陸見てたら佐藤二朗が外科医役と。アニメに出てないエピソードをやるんだろうけど、さあハードルは割と高いぞ。

約束のネバーランド(WATCHA4.5点)

約束のネバーランド 3(完全生産限定版) [DVD]

 ジャンプ原作がノイタミナっていうのも意外だったんですが、面白かった。

 昔からある脱獄ものの面白さをしっかり兼ね備えていながら、ジャンプらしく信頼と鍛錬で大人に対して勝利するというのはカタルシスがある。

 本に記された謎のメッセージで示唆された外界の様子、ママの過去で分かる統治する側にいそうな人間の存在。ノーマンは部屋で待機させられていたけど本当に死んだのか。2期が楽しみではあるが、実は外の状態の方が地獄だと思うのと、脱獄ものと別の面白さになっていくのでそこが心配。

同居人はひざ、時々、頭のうえ。(WATCHA4.5点)

同居人はひざ、時々、頭のうえ。 コミック 1-5巻セット

 これも完全にラブコメとして見てました。お互いに言葉が全く分からないなかで、愛情を知っていくハルと社会性を身に付けていくスバル。序盤は前後半で同じシチュエーションをスバルとハルがそれぞれの言語で語るアンジャッシュ的な面白さがありましたが、中盤以降は一方通行の片思いをそれぞれがしているようでもう可愛い。ハルは間違いなくこの冬クールのベストガールでしょう。それまで孤独だったスバルが新たに増えた人間関係が集結してハルとのピンチを乗り越える最終回は教科書通り。そこまでやってなお、別に孤独を否定する内容でもないのが良かった。

えんどろ~!(WATCHA4.5点)

えんどろ?! 第1巻 Blu-ray

 どうみてもきらら枠なのにきららじゃないオリジナルもの。

 勇者と魔王の戦いから始まって過去転生パターンでのふんわり日常冒険ものだと油断させておいて、かなり骨太に。

 最終的には魔王・勇者と互いが存在することによって成立している運命を、立場を捨てることで解放する、いわばレリゴーする作品に。ある程度キャラを固めて萌え的な消費をする日本型アニメの構造の中で特にドラクエに代表される勇者・魔王の役割を解放する物語をしたのは、アニメ史的には意外と重要だったのではないだろうか。

ブギーポップは笑わない(WATCHA4.0点)

TVアニメ 「 ブギーポップは笑わない 」 オリジナルサウンドトラック

 いやー、感想が遅くなったのはコイツのせい。配信で見てたから後回しになりがちとはいえ、1クールなのに18話って。まあ纏めて見た方が確実に面白かったと思うのでそこはプラスでしたかが。アニメがテレビの放送枠にとらわれなくなっている印象を強める作品でした。

 形式論はさておいて、作品の感想としてはまあ見事に雰囲気厨二アニメって感じでしょうか。そのジャンルの古典なんですよね。組織や人造人間、多重人格、いろんな要素を織り交ぜてはいるものの、決してそれを解決することはなく、そういう世界を提示し、そこで起きる決定的な出来事に対してブギーポップが干渉するだけ。まああの高校に集中しすぎ、というあたりはセカイ系の走りでもあるんでしょう。

 一人二役でしかも性別違い、不思議な雰囲気を醸し出しつつ説得力のあることを掴みどころのない感じで言う役を担当した悠木碧さんは凄いな、と思いました。

 むかーしやっていた方のサイドストーリー的なブギーポップのアニメもネトフリにあるので覚えているうちに見ようとは思いますが、「どろろ」とか8話ぐらいで止まってるのでそっち優先です…

ラディアン(WATCHA3.5点)

TVアニメ「ラディアン」オリジナルサウンドトラック

 フランスの漫画家が日本の漫画・アニメの影響を受けて作った作品を日本でアニメ化。こういう逆輸入増えるかもしれませんね。

 話は王道的で、出生がよくわからない魔法使いセトを主人公に据えて真偽不明なラディアンという土地を目指すというまあジャンプっぽいもの。ただ、フランスで作られただけあって、魔法使いの扱いは完璧に移民。ただのエンタメではなく、様々なものを風刺し、考える余地を与えている。最終話一歩手前でも魔法使いを取り締まる側の異端審問官サイドでも自分の正しい行いが正しい結果を生まないのは理不尽だ、という主張は敵対する魔法使いに対しても適用できる云々が言われてました。

 一方で、アニメにするにあたってはあまりにも説教くさすぎたというか。1クール目は良かったんですけど、2クール目のランブルタウン編は移民問題がモロすぎてちょっとくどい上にかなりの長尺を使っていたのでそこをもう少しシェイプアップしてほしかった印象。

 とはいえ、既に第2シーズンも決定しているのでそれを楽しみに待ちます。

revisions(WATCHA3.5点)

revisions リヴィジョンズ BD-BOX [Blu-ray]

 渋谷だけが未来に移動してメカで戦うSF。見てはいなくても名前は知ってるコードギアスの谷口監督、しかも世界に売る気満々のネトフリで全12話同時配信とくれば期待値はガン上がりですが、その期待値ほどではなかったかな。というのが率直な印象。正直状況が分からないまま時間転移した1話がピーク。

 決定的に合わなかったのは主人公の大介ですよね。割と最後までイライラさせっぱなしの主人公で、いなくなった途端にチームの要だったことがわかった全体のムードメーカーだった慶作の方が明らかに主人公っぽい印象。あと警察署長の黒岩さん、だっけ。彼ら大人サイドの物語をしっかり見たかった印象も。まあほぼシンゴジですけど。

 何よりびっくりしたのはラスト。芳忠さんの怪演で成立していたようなニコラスさえも消滅したのに続き作れるようにしておくの???これ2期やるのかね…。

荒野のコトブキ飛行隊(WATCHA2.5点)

荒野のコトブキ飛行隊 Blu-ray BOX 下巻

 水島監督で空のガルパンやるって、それ「SHIROBAKO」の第三少女飛行隊じゃん!なんて言われていた作品でしたが個人的にはがっかりの作品に。

 最後までキャラの顔と名前が一致しないキャラの浅さ、群像劇になっていく終盤だが、視点が一定にならず誰の視点で進んでいるのかもわからない。特に空戦シーンは各機体に個性があったりするわけじゃないし、そこに思い入れもないのでどうしても映像凄いね、音凄いね、でもそれだったら別に実写でもいいじゃんとなってしまう。穴の登場も正直唐突でリアル空戦路線がやりたいのか、不思議世界をやりたいのか。中途半端に日本描写や西部劇描写があったりと要素も寄せ集め感が否めない。

 比較対象にならざるを得ないガルパンと比較すると決定的に劣っていたと思います。イサオという悪役が出てきたおかげで分かりやすくはなったものの、彼のようなかなり典型的なタイプが出てこないと盛り上がらないってのは、ねぇ。