抹茶飲んでからマラカス鳴らす

見た映画、読んだ本、見たアニメ。そんな話を中心に。。。

私的推理小説平成ベストタイトル

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 なんか分かんないけど、一個ぐらい平成振り返ってみたいな、という思いと余りにもミステリ好きをこのブログでは表現できてないのでは?と急遽思いついた企画。読んだことあるミステリで平成に出版されたもの対象に、好きなタイトルのミステリのランキングです。読んだことあるやつだけにしたので平成元年からの10年からは少なめになっちゃいました…

 

  

15位死神の精度/伊坂幸太郎

死神の精度 (文春文庫)

死神の精度 (文春文庫)

 

 伊坂作品は好きなタイトルが多いですが、中でもコチラ。「終末のフール」の章で韻踏んでるのも好きなんですが、そこは対象外なので。

 「死神」いう言葉に「精度」という言葉を合わせるセンスが個人的にとても好きです。

14位イニシエーション・ラブ/乾くるみ

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

 

 もうどんでん返しの代名詞になりつつある本作。ジャンル違いだったと最後にわかる瞬間爽快さがやって来ますが、実はそれがタイトルに出てるパターン。こういうの予告してて美しい、と感じます。

13位さらば雑司が谷/樋口毅宏

さらば雑司ヶ谷 (新潮文庫)

さらば雑司ヶ谷 (新潮文庫)

 

 雑司が谷、というチョイスが絶妙。志水辰夫の『さらば海峡』『背いて故郷』とかもですけど、北方謙三感というか、ハードボイルド感を前面に押し出す「さらば」にくっつく地名が雑司が谷。とっても刺激的。ちなみに樋口毅弘さんはミステリじゃなくて評論的な新書「タモリ論」も印象深いです。

12位殺戮にいたる病/我孫子武丸

新装版 殺戮にいたる病 (講談社文庫)

新装版 殺戮にいたる病 (講談社文庫)

 

 これもどんでん返し系。ただ、タイトルに「殺戮」「病」という刺激的な言葉を使っているのに凄く棘々しい訳でもない、でも心に刺すものはある。印象に残すタイトルに内容が見合ってるが故の清々しさですね。

11位愛おしい骨/キャロン・オコンネル 訳・務台夏子

愛おしい骨 (創元推理文庫)

愛おしい骨 (創元推理文庫)

 

 タイトルを考える時って、どうしても翻訳の壁が立ち上がるので日本の作品になりがちなんですが、ここでキャロン・オコンネルを。『Bone by Bone』を『愛おしい骨』と翻訳した務台さんの勝ちではないでしょうか。作品内における骨の重要性と合わせても愛おしい、という表現がたまらなく好きです。

10位屍人荘の殺人/今村昌弘

屍人荘の殺人

屍人荘の殺人

 

 昨年の作品が平成ベスト10に飛び込む凄さ。この作品への惚れ込み方がわかると思います。ミステリに脈々と受け継がれる館ものだということを表しながら、重要なゾンビだという示唆もしている。忘れがちですが、舞台自体も紫湛荘なので音は同じという基本も抑えてる。シンプルにして最強に近いタイトルだと思います。まあこれもシンプルさに見合う内容がないと名前負けしちゃうので勇気がいると思います。

9位凍える牙/乃南アサ

凍える牙 (新潮文庫)

凍える牙 (新潮文庫)

 

 タイトルに「牙」があるのに本当に動物の牙が事件に関係する異色もの。このタイトル一発で犯人の心情感じられる上に野性を見せる。何よりカッコいい。「凍れる」とか「凍えた」ではなく「凍える」なのが素晴らしいと思うんですよ、わかります?

8位完全恋愛/牧薩次

完全恋愛 (小学館文庫)

完全恋愛 (小学館文庫)

 

 平成というより戦後を語る際に欠かせない辻真先御大の作品をここで。タイトルだけ見たらどう考えてもミステリではない。でも微かに感じる「完全犯罪」という言葉との類似からミステリだということを感じさせるタイトルになっている。誰にもバレなかった犯罪を完全犯罪というならば、誰にもバレなかった恋心は完全恋愛ではないだろうか、その発想が美しい。

7位すべてがFになる/森博嗣

すべてがFになる (講談社文庫)

すべてがFになる (講談社文庫)

 

  タイトルと言えば、森博嗣ですよ。最後に意味が分かる「すべてがFになる」という意味の分からないワードだけでなく、副題についた「THE PERFECT INSIDER」で館ものであることも示している。森博嗣のSMシリーズは本当にこの英語の副題も含めて上手。その後のGシリーズとかもいいタイトルばっかなんですけどね。

6位容疑者Xの献身/東野圭吾

容疑者Xの献身 (文春文庫)

容疑者Xの献身 (文春文庫)

 

  作品の内容を端的に表したここまで美しいタイトルが他にあるだろうか。いや、まあ6位ではあるんですけど。容疑者をXにすることでフーダニット感を出しつつ、実際は倒叙に近いハウダニットもの。その犯人は数学者でXという表記がそこにしっかり現れている。そして「献身」。隠された涙ぐましい努力と、その純粋な思い、そしてその結末を考えるとこんなに言葉が適切に選択され切ったものは殆ど無いのでは無いでしょうか。

5位虐殺器官/伊藤計劃

虐殺器官〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

 

  待ってました、伊藤計劃。デビュー作につくタイトルじゃないですよ、コレ。特に優秀だと思うのが「器官」。英語的に言えばorganizationだと思うんですが、これが別に組織とかそっち的な意味だと話が全然違うし、話の内容的には「文法」でも良いんですけど、「器官」という言葉を選択したことで主人公のクラヴィス自身の話でもあり、世界の話でもある見事なタイトルだと思います。

4位生首に聞いてみろ/法月綸太郎

生首に聞いてみろ (角川文庫 の 6-2)

生首に聞いてみろ (角川文庫 の 6-2)

 

 もう「聞いてみろ」の時点で最高じゃないですか。

 じゃあ誰に聞くの、と考えたら「生首」ですよ。生首に訊いても何も分からないのに。絶対に出会わない単語同士が奇跡的に出会って、語感も良い。これがいい。三津田信三の『首無きの如く祟るもの』も似たような生首ものですが、ちょっとくどい。まあ三津田さんのこのシリーズタイトル全否定になっちゃいますけど。

3位音もなく少女は/ボストン・テラン 訳・田口俊

音もなく少女は (文春文庫)

音もなく少女は (文春文庫)

 

  倒置が想像力を膨らませまくる至高のタイトル。いったい少女は何をしたのか気になって仕方がない。実際には音もないのは耳が聞こえないからなんですが、兎に角期待を煽りまくって、それに見合う結果がついてくる。原題『The World Eve Left Us』をこう訳すかと。映画の邦題とかで文句言いまくってる気がしますけど、本の翻訳に関しては的を射てるものが多い気がしますね。

2位葉桜の季節に君を想うということ/歌野晶午

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

 

  どう考えてもタイトルから内容が想像つかない上に、正直タイトルが長い。歌野晶午はそういうとこあるんですよ。『密室殺人ゲーム王手飛車取り』みたいに次郎ラーメンみたいなタイトルつけるし。ただ、この葉桜は別格。タイトル込みで騙しが入ってるといっていいでしょう。もはやこの作品もどんでん返しの代名詞的だから読んでないなら是非読んでみてください。ひっくり返りますよ。

1位封印再度/森博嗣

封印再度 (講談社文庫)

封印再度 (講談社文庫)

 

  という訳で1位は『すべてがFになる』に続いての森博嗣。正直この作品ありきでこのランキング考えた節はありますよ。前述のとおり、森博嗣は英語の副題も良質なんですけど、この作品の副題は「Who Inside」。日本語と発音が全く一緒なのに的確に内容を言っている。密室が2つ、中にいたのは誰?という謎も感じる。これが物語の導入で出てくる2つの匣と密室のおかげで益々強く感じる。最高。

ちなみに、同じパターンだと『夢・出逢い・魔性 You May Die in My Show』が夢で逢いましょうで3パターン読みという狂気を達成しているのも指摘しておきます。

夢・出逢い・魔性 (講談社文庫)

夢・出逢い・魔性 (講談社文庫)

 

 

さよなら平成!!