抹茶飲んでからマラカス鳴らす

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DCEUを笑い飛ばす軽快なヒーロー登場「シャザム!」感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 エンドゲームの公開日チケット無事取れました!即日ブログの勢いで楽しみです。ですがその前に駆け込んだDCEUの新作「シャザム!」の感想を。福田雄一監督の吹替演出で軽く炎上しました。基本的に吹替では見ないし、「銀魂」は面白いけど、福田監督の作品をリスペクトしてない姿勢自体は好きではないので、その件はスルーです。

 作品としては面白かったけど、シリーズとして考えたら大丈夫かしら…?

シャザム!(字幕版)


WATCHA4.0点

Filmarks3.9点

(以下ネタバレ有り)

1.DCらしさとそうでなさ

 さあ「シャザム!」。街中で聞こえてきた音楽のタイトルとアーティスト名が分かる能力のスーパーヒーローの映画です(違う)。ええ正しくはちゃんと覚えてはいませんが、ソロモンの叡智・ヘラクレスの力・アトラスの体力・ゼウスの全能(雷)・マーキュリーの速さ・アキレスの勇気の頭文字でSHAZAMらしいです。

 そんな、「シャザム!」はDCEUの第7作。前作の「アクアマン」こそ陽気な感じでしたけど、もともとこのシリーズは「ダークナイト」に引っ張られすぎて暗すぎ長すぎ問題を抱えたシリーズでした。本作はそのDCらしさを良い意味で随所に残しながら、しっかり笑える良質なエンターテインメントに仕上がっていた印象です。いいんですよ、ヒーローがいちいち葛藤しなくて。目の前に助けなきゃいけない人がいるから助ける。それでヒーローですよ。

 DCらしさとして真っ先に映画後に思ったのが、物理的に画面が暗いこと。昼のシーンはあまりなく、夜や神殿のシーンが非常に多かった。ただ、これはシャザムの変身時の雷のことを考えると致し方ないというか、そのほうが映えるんですね。っていうか、晴天時は変身した瞬間に落雷して気象庁の人びっくりしてそう。あとDCEUであることを生かした話もあるんですが、それは後述。

 もうひとつはホラー系の演出。暗いだけでなく、怖いというのも割とDCEUではありましたが、今回の監督は「アクアマン」のジェームズ・ワン監督と同じくホラー出身。それもあってヴィランであるシヴァナが父と兄のいるシヴァナ産業に乗り込んでの会議室でのシーンはめちゃくちゃ怖かった。7つの大罪を象徴するモンスターの造形のおぞましさもそうですが、ロックされたドアの反対側から見せる手法はまさにホラーそのもの。

 逆に、そこから抜けていたのがコメディ演出と現代性。まあ正直シャザムのコスチュームってダサいじゃないですか。力をくれた魔術師そんな格好してないのに。それを見れるものにしたのしたのが、フレディとの能力確認シーン。あれで色々試してそれを動画にしてUP。バズったあたりで陽気なYouTuberぐらいの感覚で見れるんですよね。SNSを使った現代性の表現としても、ヒーローが現在に現れている、という点の表現でもとても良かったです。

 あと、音楽の使い方。「ボヘミアン・ラプソディ」のヒットは関係ないと思いますけど、QUEENの楽曲が特訓シーンで使ってましたし、一番良かったのがOPの交通事故。危ない!からのセーフ、からの車が突っ込んでくる、はもはやギャグにも感じる緊張と緩和ですがそこでかかる音楽の明るいこと。勿論、これがさっきの会議室なんかで緊張しなくなる、肩の力を抜くいいほうに作用してると思います。

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 2.幼児性の陰と陽

 「シャザム!」の面白さの要は、キャッチコピーでコナンに被せにいってる中身は子どもなのに見た目が大人になること。そのおかげで大人になると幼児性が目立つ目立つ。ヒーロー姿でYouTubeやっちゃうこともだけど、見た目がアレだから酒を買ってみたり18禁の店行ってみたり、ほんと頭の中が小学生(誉め言葉)。それがヴィランを呼んでしまう結果になるのも含めて、幼さがでてます。そんな感じですから、当然ヒーローとして未熟で、ヒーローがショッピングモールでみんなの前で逃げる、という斬新な瞬間も。勿論、これはラストバトルでの展開と呼応しています。

 逆に、シャザムの時と違いビリーになると途端に彼は幼児性を見せなくなります。問題児なのは変わりませんが、心を閉じ、自分の母親を探す為に考えうる策をしっかり遂行する面も持っている。大人の顔の方が子供っぽい、という不思議な二面性を持っている訳です。まあ、自分のことを誰も知らない誰かになったら、誰でもあんなもんかもしれません。

 そうした彼が家族であることを止めたシヴァナと家族みんなで戦う姿は一定の感動を呼びますし、対比的な構造としても良くできている。シヴァナがありえたかもしれない自分の末路として感じられるわけです。欲を言えば、後にみんなでシャザムになる展開が待っているなら、無言で筋肉以外のタグ付けされてないペドロが可哀想だとは思った。あ!あと折角みんなでヒーローになったけど1人減るよね!!どうすんの?

 それだけに、2点疑問もよぎります。

 まずやっぱりビリーの母親問題。あれ、解決してないですよね?完全に戦いのノリで忘れてるだけですよね。はぐれてしまって悲しいことに出会えなかった、ではなく事実上捨てられていた訳で。そこの問題は先送りで、目の前に助けを求める今の家族がいる、だからこの母親は家族じゃない!そんなわけにはいかないですよ。ここをちゃんと解決してほしかった。っていうか、あのはぐれた段階でお母さん17歳って、うん!?となって少し飲み込めなかった。さらっと流せないってそれ。

 それとビリーが本当に純粋なのか?選ばれた根拠の薄弱さ。幼いころに勝手に呼び出されて、頼んでもないのにテストされてお前はダメだ!と烙印を押されたことからヴィランとなるシヴァナ。そこから周りになんて言われようと自分の置かれた状況を分析し、情報を集めて再び辿り着く。え、超真面目じゃん。一方で、シヴァナに誘惑のアイテムを持ってかれた状態で呼び出されたビリーは純粋かどうかのチェックもないし、ヤバいからとりあえず後継者作っとくか、感満載の引継ぎ。勿論、母に対して彼は純粋だったかもしれませんが、フレディのスーパーマンの銃弾を盗んでる訳だし、その前にも警察を騙して情報集めてる問題児。彼が純粋なら、もうちょっとそれを示してほしかったですね。後天的に得る純粋さでいいなら、幼少時に呼び出して判定する必要もないですし。

3.DC問題

 本作の小ネタ的に笑える部分としてデッドプール的な他の映画への言及が挙げられます。とりわけ、同じDCEUに属する映画やヒーローたちとは世界観を共有しているためイジりまくり。目からビームだの、空を飛ぶだのはスーパーマンで、バットマンはDCEU自体には存在しないバットケイブネタやバットマンの武器自体も地味に重要なキーになります。エンドロール後の魚と話せるか、はアクアマンですし、ぽろっとアジア系で画期的なんて漏らしてたの見逃しませんよ。そして何より本編最後で劇中果たされなかった、ヒーロー・シャザムとフレディの食事に登場するスーパーマン。いいとこ使い放題。

 ところが、それによって生じる疑問が。即ち、他のヒーローあんたがた傍観してたのか問題です。最後にスーパーマンが登場したことで、「ジャスティス・リーグ」の後の時間軸だと思ったんですが、まあそうでないにしてもそこそこ世界の危機だったと思うんですけど助けに来ないのか、と。あれだけネットでバズればサイボーグやワンダーウーマン、当然バットマンもマークしてるだろうし、バットマンに関してはヴィランとなるシヴァナの父の会社は大きな会社で確実にブルース・ウェインとしても知ってるはず。そこであれだけのことが起きたらなんかアクションおこしませんかね?

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 でもう一つメタ的な問題が。キャラ渋滞どうすんねん問題。シャザムの能力として、前述のとおりソロモンの叡智・ヘラクレスの力・アトラスの体力・ゼウスの全能・マーキュリーの速さ・アキレスの勇気。これだけの能力は実質スーパーマン級ですし、事実空中戦闘描写は「マン・オブ・スティール」も思い出しました。また、高速移動は完全にフラッシュと被るし、その上幼くて陽気気味なところまでそっくり。実際問題スーパーマンを復活させてしまったDCEUはこの先コイツどうすんだろう感しかないんですよ。スーパーマン接触した以上、ジャスティスリーグに入れない訳にはいかないし、そうしたらキャラ渋滞とそれに見合うヴィランが必要に。どんどん公開予定が未定になっていくフラッシュやサイボーグにバットマンの単独映画や、ジョーカー、スースク2が控える中でどう解消されるのか楽しみですが、正直マーベルほど先を見通してなさそうなので、不安しかありません。