抹茶飲んでからマラカス鳴らす

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ZOZOより早い月旅行「ファースト・マン」感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 Jリーグのある週末が始まるぞーー!!!さて、今回は「アクアマン」とまさかのヴェルヌ被りをした「ラ・ラ・ランド」「セッション」のデミアン・チャゼル監督の最新作「ファースト・マン」の感想です。

ファースト・マン (字幕版)


WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

(以下ネタバレ有り)

 1.さあ月面探査へ

 今回の「ファースト・マン」の大きな注目点はまず間違いなくカメラの位置。特に宇宙船?ロケット?の中では主にライアン・ゴズリング演じるアームストロング船長にびったりくっついてるんですよ、しかも近距離で。おかげで宇宙船の中は俯瞰でないのでよくわからないし、宇宙服の下半身すら見えない。アームストロングではないものの、アポロ1号の火災も乗り込み口からしか映さない。「GotG」シリーズや「オデッセイ」「インターステラー」など宇宙船描写でここまで映さない映画って他にありましたっけ?

 そこに拍車をかけるのが、揺れ。実際にジェミニ8号が回転しだしたり、アポロ11号が揺れたり。もう酔うレベルでぐるんぐるん動くんですよ。

 そしてトドメになるのが、テクニカルタームの連打。一瞬だけ宇宙飛行士養成のための学科の授業が映りますが、そこでも何言ってるかよくわからないし、宇宙船で何をするのか、そのボタンは何のボタンなのか、さっぱり分からない。

 こうした作り方の結果、鑑賞者は気づかないうちに宇宙船にシートベルトがっつりつけられて、あれよあれよという間に宇宙に連行されているかのような印象。タイトルでは月旅行、なんて言いましたけど、完全に月に流刑になった感じでした。

 映画の途中、多くの人物が宇宙船の中で死を迎えます。そのため葬式の描写も極めて多い。ちっとも動けない状態で宇宙へ連行されることを考えると、宇宙船が急に棺に見えてくる。そんな風な描き方もなかなかない気がします。

2.伝記映画

 いうまでもなく、この映画はニール・アームストロングの伝記映画な訳ですが、伝記映画っていくつか種類があると思うんです。

 おそらく一般的な伝記映画としてあるのは、「女神の見えざる手」「ドリーム」「イミテーション・ゲーム/エニグマ」といった歴史の中に埋もれてしまった人物や知られていない人物の生涯を描くことで、その人やその人の業績を紹介し、現在につながる問題提起などに繋がる、というもの。

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 もう一つは、とてつもない有名人の知られざる一面を描くことで、いつの間にか神性を帯びている人物だって、普通の人だったのだ、ということを描くもの。大ヒットの「ボヘミアン・ラプソディ」なんかはモロこのパターン。

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 で、今回の「ファースト・マン」は明確に後者。初めて月に降り立った男ニール・アームストロング「船長」から「船長」の部分を引き剥がして、神話的とすら言えるニール・アームストログが多くの友人を看取ってきた男であり、父親であり、夫である、ということを強く描いた作品だったと思います。だからこそ、全体のテイストが極めて暗く、本当にデミアン・チャゼルなのかと思うほどに音楽のノリノリ感もない。月に降り立った瞬間にこそ、例の有名な台詞を言いますがそこにカタルシスもないし、アメリカの勝利を感じることもない。ジェミニ8号の時にはケネディ宇宙センターの様子を描いたのにアポロの時には描いていないのだから意図的なはず。だから、本当のカタルシスが襲ってくるのは帰投後にガラス越しに奥さんと再会するシーンなのです。

 と言ってはみたものの、個人的にはそこまで入り込めなかったんですよね。全然父親してないじゃん、っていうのと、TBSラジオ「たまむすび」の町山智浩さんの解説でこの夫婦が後に別れたのを聞いてしまったので。心繋がって無いじゃん!!みたいな。

 「セッション」こそ傑作でしたが、今作も「ラ・ラ・ランド」もそこまでだったので、デミアン・チャゼル監督の作品と肌が合うのか、合わないのか。次回作当たりで決着つくといいなぁ。

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