抹茶飲んでからマラカス鳴らす

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ポスト震災のPSYCO-PASS「PSYCO-PASS サイコパス Sinner of the System Case.1罪と罰」感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 「がっこうぐらし!」が2週目なのに一気に公開が減っていて見に行けるタイミングの危機にあって焦っている状態ですが、こっちも2週間で終わっちゃうから急いで見に行ったPSYCO-PASSの劇場版3部作の第1作になります。

【チラシ付き 映画パンフレット】PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.1「罪と罰」

WATCHA4.0点

Filmarks4.1点

(以下ネタバレ有り)

 

1.タイトル長っ!!及び前置き

 今回、めでたく3部作で劇場版公開となったPSYCO-PASS。アニメを2期と劇場版を経てのシリーズですが、正直アニメ第1クールでの狡噛と槙島との対決があまりに傑作だったので、狡噛不在のアニメ2期、東京を飛び出してしまった劇場版と少し肩透かしを食らっていたのは否めません。

 更には今回の3部作では虚淵玄さんが脚本から外れるとのことで一抹の不安。そして何よりProduction I.G制作の3部作アニメと言われると、うっ、頭が…ジョー、逃げて…なのが事実でして(Re:Cybor…Call of Just…皆まで言うな…)。正直言って、あの3部作以降I.Gが関わると1mmも信用できてない人間になっちゃったので。ハードルガン下げだったのは事実ですね。ってなわけで、感想本チャンです。

2.霜月美佳の成長

 上映時間が約60分の3部作ということもあり、おそらくは配信が視野に入っているだろうこと、2作目は既にアニメ1期で死んだ人物が主役なので過去編、つまり3部作は並列であって前中後編になっていないことを考えると、とても良くできていた1作目といえるのではないでしょうか。

 1作目の主役扱いはアニメ1期で事件の起きた学校の生徒として登場し、2期から生意気でムカつく監視官として再登場した霜月美佳と1期では監視官、2期では執行官で頼れる男宜野座さん。タイトルの「罪と罰」から、アニメ2期で常守朱の祖母の死の直接的な原因となった霜月のエピソードと思ってたんですが全く別物でした。

 舞台は東京と青森。宜野座の台詞から考えると劇場版の少しあとぐらいでしょうか。

 開始直後に潜在犯即執行すべしを実行しようとしたり、自分の事件だと主張したりと相変わらずな部分を見せる霜月。やっぱ好きになれないなぁと思っていたら、大きく成長を見せる人物となりました。もともと見下したりする印象の強い中で、彼女は劇中を通して潜在犯として現れながら、実は告発のために動いていた八坂をしっかり守ろうとするだけでなく、ラストで必要悪に対してしっかりと落とし前をつけさせようとしたり、かなり度胸も据わってきた印象。2期でシビュラシステムの正体を受け入れその下で監視官として動いた時とは大違い。(個人的には成長と捉えましたが、キャラ改変とも捉えられるよなー、とは思います。)それと同時に、「正義」とは何か、について考えるようになったんだと思います。いろいろ思うことはあれ、「正義の味方」だからと笑顔で答えた様子は大きな成長を感じました。

3.ポスト震災のPSYCO-PASS

 今回のPSYCO-PASSは明確に社会的なメッセージを乗せてきました。

 物語のそもそもの原因は青森に眠る放射性廃棄物。悪辣な第三者の手に渡る前に再封印をシビュラシステムが試み、その過程で起きたのが今回の事件であり、必要悪だ、というのがシビュラの見解。混乱期に放置された廃棄物、ということになっていますが、当然頭によぎるのは未だどうなるのか正直よくわからないまま汚染水だけが増えている福島第一原子力発電所。あるいは、中間所蔵施設のある青森県の六ケ所村。舞台となるサンクチュアリが青森なのは確実にそれを意識しているでしょう。ほっといたら大変だよ?どうすんの?といったところか。まあだからこそ、廃棄物を突然投げつける八坂さんの描写はちょっといただけないですが。

 もういっこ乗っかているメッセージがポピュリズム、排外主義への警鐘でしょうか。劇中では潜在犯たちが催眠とセラピーによる集団思考によって統率され、集団に害をなすものを排斥する組織体として行動しており、本来色相が濁ったり、犯罪係数が上昇するはずの行為を行って逆に色相がクリアになる様子が描かれていました。まあこれはどう考えても排外主義やポピュリズムへの警鐘でしょう。個人的な印象では、右派も左派も考え方の違う他者に対しての団結という点では大差ないですし。

 こうしたメッセージが娯楽作品ともいえるアニメの劇場版で描かれることには賛否あるのかもしれませんが、こと本作に限れば非常に意味があることだと思います。もともと、PSYCO-PASSの世界観はユートピアに見せかけたディストピア。その中でその矛盾をついて起こる犯罪と相対してきた作品です。こっちに進んじゃいけないよ、というのがディストピアなのにそっちに進んでいるのでは?と思うのであれば、それを作品に投影することによって与えるメッセージは間違いなく説得力を増します。

 ということで、今回は社会派作品の味付けを濃くしてきましたが、そのおかげでドミネーターの発射(発砲?)シーンも一回しかなく若干物足りなかったのも事実。まあその辺は2作目以降の男くさい皆さんにお任せしようじゃありませんか。

 あっ、そうだ忘れてた。OP・EDの新しいRemixは最高でした!!

 こっちはエンディング!