抹茶飲んでからマラカス鳴らす

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可愛さの裏に潜む残酷な物語「若おかみは小学生!」感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 普段なら映画見てすぐメモ書きを残し、そこからブログにするので時間が空いてますが今回は更新予定に割り込んで翌日にどどーんと出せました。それもこれもプロ野球CSのおかげですね。横目で見ながら書けるので。映画やアニメだとこうはいきません。さあ今書いてるときは初回ですが、果たしてホークスは勝ち抜けるでしょうか。あ、横尾にHR打たれた。

 と、いうわけで話題沸騰、ナメてた映画が大傑作だったモノ(そんなジャンルがあるのか)と噂の若おかみの感想です。

若おかみは小学生!

WATCHA4.0点

Filmarks4.1点

(以下ネタバレ有り)

 

1.魅力的なキャラクターたち

 まずもってこの作品、極めて魅力的なキャラクターに溢れています。まずは超人関織子こと、主人公のおっこ。彼女の途轍もない強さは後述しますが、それでなくても幽霊が見えることなどへの環境適応や、怖いもの知らずなところは凄い。

 ウリ坊、みやちゃん、鈴鬼くんと幽霊の皆さんは大変愉快。消える件に関しては少し急だった感じは否めないまでも、しっかり旅館でのシーンを盛り上げてくれました。序盤はウリ坊お前は大阪からどうやってここまで来たんや、とか思ってたけど車にも乗って移動しているし、なんかそういうのは野暮な世界なんだなってすぐに切り替えられました。

 お客さんの皆様も。最初に接するあかね君はおっこの写し鏡であり、おっこの強さを際立たせてくれますし、グローリー水嶺さんは楽しいファッションショーを見せてくれました。そして加害者一家の皆さん。単に事故の加害者というより、彼ら自身も巻き込まれた側というのもいろいろ考えさせられます。ただ、近場で取れるものだけをご飯で出してただけの春の屋さんのはずなのに、彼らにポルチーニやら赤ワインやらバルサミコ酢やら出てくるのは凄すぎないか、絶対利益出ないぞ。そして、事実がわかってなお泊まれる胆力。旦那さんは嫌がってたし、子どもはしょうがないが、奥さん、あんたすごいな。

 ということでみんながみんな魅力的。ちょっと急接近しすぎにも見えましたが、真月もいい子でしたね。折角「普通のお客様」という言葉はお客様を見ていないのと同じだ、という言葉があったので、真月にもそれを当てはめる展開が欲しかったですが。っていうか、あかね君と付き合うってwikiに書いてあって死ぬほど驚いています。まじか。

 こうしたキャラたちを割とスムーズに受け入れられたのは原作に親和性があるからだと思います。というのも、この原作、途中で小ネタとして出てきましたが青い鳥文庫なんですよね。青い鳥文庫と言えば、ドイルやクリスティは勿論、パスワードシリーズや夢水清志郎シリーズ、怪盗クイーンシリーズ、黒魔女さんが通るなんかを貪るように読んだものです。オススメはオリエント急行パンドラの匣夢水清志郎と怪盗クイーンの競演が最高だった…と記憶があります。

オリエント急行とパンドラの匣 (講談社青い鳥文庫)

オリエント急行とパンドラの匣 (講談社青い鳥文庫)

 

2.おっこと関織子

 物語の中では転校の挨拶で名乗るとき、そして事故の加害者が宿泊してきたときだけ織子という名前が呼ばれ、基本的にはおっこと呼ばれ続けます。勿論、小学生のニックネームや愛称としてのおっこのはずなのですが、雑誌掲載を経て春の屋の若女将としてのおっこ、という呼称がメインになり、最終的には若女将としての自分という生き方を受け入れることで神楽も完璧に踊れ、幽霊たちとも別れを迎える、というオチです。

 この決断ってとてつもなく凄いことで。滅私奉公という言葉がありますが、これを小学生、しかも両親が他界して1年以内にその決断を迫られるってもの凄くおっこに対して暴力的な物語だと思うんですよね。もともと開始時点で同じ車に乗ってる両親が目の前で交通事故で死んで自分だけ助かるっていうだけでもハードモードなのに、まだ両親の死を受け入れられない段階で娘としての織子を殺さなくてはいけない、なんてとんでもない残酷さだと思ってしまいました。

 おっこも初めて目の前にいるのが加害者家族だと分かったときに、両親の死を突き付けられ、幽霊たちもいなくなってしまうということで、1人にしないでと決壊してしまうわけです。そこで提示されるグローリー水嶺からの回答が1人じゃない、両親も見守っている、なんですよ。これって死んだあと幽霊になったとしてもまた別れがある、という子の世界観においてはちっとも救いではない。

 せめて、若おかみのおっこと一緒に過ごす友達がいる、おばあちゃんがいる、春の屋の仲間がいる、巡り合うお客さんたちの縁がある。そういう救われ方をしないといつか自分の中の両親の存在が無くなってしまった時におっこはもう一度壊れてしまうかもしれません。

 大体にして、おばあちゃんが一番許せないんですよね。自分の娘だか息子だかは知らないけれど、その子の夢の実現を許してるのに、おっこに対しては小学生段階で若おかみ修行させるって。事故のこと知っていてグローリーの車に何も教えずに乗せるって。まずはしっかり義務教育が終わるまでは手伝いレベルにしておくべきでしょう。これを言ったらこの作品全否定ですけど、がっつり労基が動くレベルの立派な労働ですよ。

 

 最後にこれを忘れずにつけ加えておきたいんですが、最高に飯テロ映画だったということ。ステーキ、温泉プリン、マツタケご飯。食ってるお客さんも鈴鬼くんも最高にうまそうに食ってるし。ジブリっぽさがそんなところに見えたりもして、スタジオポノックの皆さんはこっちを目指すべきでは?なんてことも思いました。

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